MeseMoa.×浅井さやか、とびきりの冒
険譚! ミュージカル『Phantom Que
st』ゲネプロレポート

2020年11月5日(木)~15日(日)まで東京・HYタウンホールにて上演されるミュージカル『Phantom Quest』。動画投稿サイト発のボーイズグループ「MeseMoa.」の白服、とみたけ、にーちゃん、野崎弁当がメインキャストを務めるオリジナルストーリーで、脚本・演出・音楽を浅井さやかが手掛けている。ここではダブルキャストBチームで行われたゲネプロの模様をレポートしよう。
「ファントム・クエスト」とは、狙った財宝を獲得できず失敗に終わり、幻と化した探索の俗称。5年前、名だたるトレジャーハンター(通称トレハン)たちの力をもってしても成し遂げることのできなかったクエストに、各々の目的を持った男たちが再び乗り込んでいく……。
ミュージカル『Phantom Quest』
舞台セットは衣裳同様、スチームパンクな世界観。冒頭、フィーネ(白服)とゼノ(にーちゃん)が手にしたのは、演劇集団・バルト一座の新作公演を知らせるチラシ。語り草となっているファントム・クエストと、ある黄金バディを題材にした作品だった。
ミュージカル『Phantom Quest』
終演後、バルト一座の看板俳優であるディアナ(とみたけ)は、観劇に訪れていたフィーネと出会う。天真爛漫で前向きなディアナと、謎めいた佇まいのフィーネの性格や雰囲気は対照的。交わされる会話同様、噛み合わなさがもどかしく、目が離せない。
ミュージカル『Phantom Quest』
辛口な感想を受け、役者魂に火が付いたディアナ。王国の王子であるクラヴィス・ロンガ(野崎弁当)の協力を得て、脚本・演出家のドルイド(なるき)と二番手俳優のアウラ(ぱっち)とともに、役作りのために本物のトレハンを体験することに。参加するのは、5年前のファントム・クエストと同じ島を狙うクエストだった。

ミュージカル『Phantom Quest』

クエストの参加は、バディであることが必須条件。幼馴染同士のマルコ(渚こうた)とポーロ(なぎ)、御曹司のボニート・ルーカス(え~すけ)と執事のリアン(青野精一郎)の主従関係コンビ、実力主義のシレオ(あづ)と彼にあこがれる田舎者のヨークス(とみー)など、バラエティに富んだバディが組みあがっていく。
ミュージカル『Phantom Quest』

ミュージカル『Phantom Quest』

参加者の中にフィーネを見つけたディアナは、自分と組むことを提案。一見、気が合いそうにない凸凹バディながらも、次第に心の距離を縮めていく。トレハン専門の警察“レガシーポリス”として同行するゼノは5年前のクエストの経験者。その過去も物語の重要な鍵となっている。

ミュージカル『Phantom Quest』
ミュージカル『Phantom Quest』

オリジナルストーリーの冒険ファンタジーということで、独自の設定やキーワードも頻出するが問題ない。コミカルなセリフ回しで世界観が語られつつ、軽快なテンポで展開するので安心して没入できてしまう。序盤からメインキャスト4人をはじめ、キャラクターの個性が際立つ見せ場が続き、物語に厚みを与えていく。
ミュージカル『Phantom Quest』

ミュージカル『Phantom Quest』

物語を彩るポップでキャッチーな楽曲にのせて、ユーモラスなパフォーマンスが連続したかと思えば、シリアスなシーンではしっとりと聞かせるナンバーも。全キャストが登場する楽曲では、キレのあるダンスも堪能できる。
ミュージカル『Phantom Quest』
彼らにかかれば、換気タイムもエンターテイメントショーに。トレハンたちを取りまとめるルプス(れお)と取材記者のジャスパ(フォーゲル)が、ユーモアたっぷりにストーリーのおさらいをしてくれるので集中力を保ったまま過ごすことができた。
ミュージカル『Phantom Quest』
後半以降は、バラバラだった歯車が噛み合い、物語が一気に動き出す。突然人生の分かれ道に立たされた時、自分がどんな選択をするのか。そんなことを考えさせられながら、謎が解けていく爽快感を味わった。
すべてがつながるエンディングを体感した後は、再度観劇したくなるだろう。イープラスの「Streaming+」にて全公演アーカイブ付きのライブ配信が行われているので、ぜひ活用を。ダブルキャスト、日替わりキャストで演じられるキャラクターもいるので、個性の違いも楽しんでほしい。
取材・文・撮影=潮田茗

アーティスト

SPICE

SPICE(スパイス)は、音楽、クラシック、舞台、アニメ・ゲーム、イベント・レジャー、映画、アートのニュースやレポート、インタビューやコラム、動画などHOTなコンテンツをお届けするエンターテイメント特化型情報メディアです。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • 〝美根〟 / 「映画の指輪のつくり方」
  • SUIREN / 『Sui彩の景色』
  • ももすももす / 『きゅうりか、猫か。』
  • Star T Rat RIKI / 「なんでもムキムキ化計画」
  • SUPER★DRAGON / 「Cooking★RAKU」
  • ゆいにしお / 「ゆいにしおのmid-20s的生活」

新着