プロデューサー大植英次の熱き思いを
受けて、万全のコロナ対策で「大阪ク
ラシック2020」を開催

開催が危ぶまれていた大阪初秋の音楽の祭典「大阪クラシック2020」は、新型コロナウイルス感染予防対策を十分に施したうえ、これまでとは形を変えて2020年9月13日から9月19日まで開催される。
大阪を南北に走るメインストリート御堂筋と、東西に広がる水の都大阪を象徴する中之島エリアを中心に、オフィスビルやホテルのロビー、カフェなどのオープンスペースから生演奏によるクラシック音楽が聞こえて来る、夢の様な一週間は、密を避け、新型コロナウイルスの感染予防を実施する観点からも、今年は従来通りの有料公演と、YouTubeを使った無料動画配信という二本立てで行われる事となった。
普段クラシック音楽に触れる機会の少ない皆様に気軽に楽しんで頂きたい!と、クラシック音楽の無料公演をメインに「大阪クラシック」をプロデュースして来た大植英次は語る。
「大阪の街中にクラシック音楽を鳴り響かせたいと思い、これまでやって来ました。しかし今年はコロナウイルスの影響で大変残念ですが、ご来場の皆様と出演者の健康と安全を最優先に、やむなく今までとは違う様式で行います」
ご来場の皆さまと出演者の健康と安全を最優先に実施します  (c)飯島隆
2006年、当時大阪フィルハーモニー交響楽団の音楽監督 大植英次が自らプロデュースした初秋の音楽の祭典「大阪クラシック」は回数を重ね、昨年までの14年間で1,122公演、61万人を超える来場者があった。
15年目の今年も、大植英次がプロデューサーを務める事に変わりは無いが、新型コロナウイルスの影響により大植が最もこだわっている無料公演が出来ないことも有って、今年限りの特別版の位置付けで全47公演を行い、節目となる「第15回大阪クラシック」は次回にスライドする事となった。
「当たり前にやって来れた事が出来ない現在だからこそ、出来る事を尽くして、大阪クラシックをやるべきだと思いました。心待ちにしていて下さる皆様の希望を奪う訳にはいきません!」
「大阪クラシック2019」より    (c)飯島隆
大植プロデューサーの強い思いが周囲を突き動かして、コロナの時代の「大阪クラシック2020」の開催が決定した。
有料公演の会場は大阪中央公会堂、フェスティバルホール、Zepp Namba Osakaとわずかに3会場に絞って開催。
期間中、大阪クラシックの公式パンフレットを手に、多くの人が会場移動を兼ねて大阪の街を散策する光景を目にする機会が減るのは残念だが、有料公演は1日に2~3公演と少なく、間隔も余裕を持って設定されているので、一コマずつの演奏を集中して楽しむことが出来る。
「大阪クラシック2019」より     (c)飯島隆

「大阪クラシック2019」より    (c)飯島隆
また、配信による公演は、配信開始日の12:00(正午)以降、10月18日(日)まで繰り返し視聴する事が出来るので、時間を気にすることなく、思う存分楽しむ事が出来る。そしてもう一つ嬉しいのは、演奏会場がホールだけでなく、大阪市立美術館や大阪歴史博物館、大阪市立自然史博物館など、普段音楽を聴けない場所でも演奏してくれること。このあたりは大阪クラシックの精神に則って行われているようで、例えば初日の配信ナンバー1番と2番の公演は、大阪市立自然史博物館での演奏だが、ナウマンゾウの前で金管五重奏や弦楽二重奏が演奏されるらしい。このように、色々と趣向を凝らした配信映像は、祝祭的な雰囲気を感じながら、新鮮な気持ちで演奏を楽しめそうだ。

配信動画は「大阪クラシック2020」の公式ホームページのトップ画面や、公式パンフレットに記載のQRコードから簡単に見る事が出来る。
「大阪クラシック2019」より     (c)飯島隆

「大阪クラシック2019」より     (c)飯島隆
参加する団体は、昨年同様、大阪フィルハーモニー交響楽団、関西フィルハーモニー管弦楽団、大阪交響楽団、日本センチュリー交響楽団、オオサカ・シオン・ウインド・オーケストラという大阪を代表する5つのプロのオーケストラ。
演奏曲目は多岐に渡り、ベートーヴェンやモーツァルト、シューマン、ショスタコーヴィチなどと並んで、A.リードやP.スパークといった吹奏楽でお馴染みの作曲家の作品が並ぶのがとても新鮮だ。また、楽器のソロ演奏から、二重奏、三重奏、四重奏と様々な形態のアンサンブルや、弦楽アンサンブル、管楽アンサンブルに加え、ホルン四重奏、トロンボーン四重奏、サックス四重奏などといった、特定の楽器によるアンサンブルの作品も並ぶ。アンサンブルの形態による音楽の違いを、繰り返し聴き比べる事で理解する良いチャンスかもしれない。
今年の「大阪クラシック2020」が、新型コロナウイルスに負けずに開催される事に感謝しつつ、有料によるリアル演奏と無料動画配信の両方を上手く使い分けて楽しみたい。それこそがwithコロナ時代の音楽の楽しみ方だと思うので。

これまでとは様式は違いますが、一緒に楽しみましょう!     (c)飯島隆
取材・文=磯島浩彰

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