劇団力を駆使したスマホゲームが続々
と～『ヨーロッパ企画のゲームムービ
ー研究所』配信開始

コロナの影響で公開が延期されていた、劇団初の長編映画『ドロステのはてで僕ら』の上映がようやく始まり、著名人も含めて口コミの輪がジワジワと広がっているヨーロッパ企画。そのタイミングで、劇団オリジナルのスマホ用ゲームを配信する、ios・Androidのアプリ「ヨーロッパ企画のゲームムービー研究所」を、6月8日にリリースした。

もともと「ファミコン世代」であることを劇団の売りにして、ゲーム要素の強い芝居を作り続けているヨーロッパ企画。2004年頃には「俳優✕ゲーム」をうたい文句にした「ゲームムービー」の製作を開始。メンバーが迫真（？）の演技で見せるシミュレーションゲームなど、演劇を作るチームだから作成できるゲームを、一時期は大会を開くほどの勢いでリリースしていた。

スマホゲームも以前から何作かリリースしていたが、今回は1つのアプリの中で、新作ゲームを随時公開していくという、ゲームセンター的な仕様となっている。まずはその先駆けとして『もぐらリスニングたたき』と『サカイギアソリッド』を公開中。今後も過去作品のリメイクを含め、ゲームを増やしていく予定だ。

YouTube Live 「ヨーロッパ企画の生配信」より。 「『もぐらリスニングたたき』をプレイする」の回。

劇団代表の上田誠は、以下のようにコメントしている。

「ゲームムービー研究所」を、このほどスマホアプリでリリースします。 ここはヨーロッパ企画が、ゲームを試しに作ってみる場所です。「研究所」というその名の通り、仮説の誤りや、実験の失敗も あるでしょうし、大発見ももしかしたらあるかもしれません。そんな好奇心を胸に、しばらくは月にいちどくらいのペースで、 ゲームを作って発表していけたらと思っています。

まず遊んでいただけるのは、「もぐらリスニングたたき」。もぐらたたきの音声版です。もぐらがしゃべります。その中には「もぐら」という言葉が含まれています。「いもグラタン」とか「今日もグラサンしてるの？」とか。それを聞き分けて、もぐらの頭をたたく、というゲームです。打撃感にこだわりました。

ゲームムービー『もぐらリスニングたたき』。引っ掛け言葉が多くて意外と難易度は高め。

そして「サカイギアソリッド」。これは、プレイヤーがヨーロッパ企画の若手となり、作業を手伝わせようとしてくる先輩・酒井くんに見つからないように、事務所をそっと脱出する、というスリリングなゲームです。画面のあちこちのドアや隠れ場所をタッチしてください。

ゲームムービー『サカイギアソリッド』。劇団事務所「ヨーロッパハウス」を探検する気分も味わえる。

僕らとゲームムービーとの因縁はながく、じつは2004年くらいから、Flashゲームとして作っては発表してきました。その後、大会をしたり開発をやめたり、ゲーム実況でにわかにまた盛り上がったり、そうかと思えばFlashのサービスが終了したり。そんな浮き沈みのすえ、縁あって、スマホアプリへと拠点を移すことができました。

ようやくできた新しい研究所です。マイペースに開発を続けてゆけたらと思います。どうぞダウンロードいただき、お見守りください。

現在You Tubeで放映中の「ヨーロッパ企画の生配信」では、6/8に『もぐらリスニングたたき』、6/9に『サカイギアソリッド』を取り上げ、ゲストたちがデモプレイを行っている。アーカイブ視聴が可能なので、まずはそこで様子を見てから、ゲームの未来の可能性に賭けてダウンロードをしてほしい。

YouTube Live 「ヨーロッパ企画の生配信」より。 「『サカイギアソリッド』をプレイする」の回。

文＝吉永美和子