超特急、代々木第一体育館で新年の幕
開け 5万人を魅了したアリーナツア
ー東京公演をレポート

ダンス&ボーカルグループの超特急が1月3、4、5日の3日間、アリーナツアーの東京公演『BULLET TRAIN ARENA TOUR 2019-2020 Revolucion viva ~Shine Bright New Year~』を代々木競技場 第一体育館にて開催した。“パステル”をテーマにクリスマスムードいっぱいで届けられた昨年末の大阪城ホール2デイズに対し、年明けの東京公演は“ビビッド”がコンセプト。お正月アイテムがネオンに輝く華やかな舞台の上、おなじみのナンバーがスペシャルな和風アレンジで生まれ変わり、豪快な殺陣のパフォーマンスで新春ムードを盛り立てれば、ゴージャスなムービングステージや客席を駆け巡るトロッコで、メンバーはオーディエンスのすぐ間近に。結成8周年を迎えての進化を見せるダイナミックかつ鮮やかなステージングで、3日間に集まった合計5万人の8号車(超特急ファンの呼称)にデラックスなお年玉をプレゼントしてくれた。
超特急
今回のアリーナツアーも全5公演すべてのチケットが即日完売。耐震改修工事を終えて営業再開したばかりの本会場で超特急がライブをするのは3年ぶり3回目だが、3デイズは初めてにもかかわらず、スタンド席の端の端まで各日8号車に埋め尽くされた。高まる熱気のなか、書き初めされた“超特急”の文字が躍り、袴姿のメンバーが舞うオープニング映像を映した紗幕が落ちると、ステージ上にはそれぞれイメージカラーに和柄の入った煌びやかなセットアップ姿のメンバーが。そして”超特急”と記された扁額を掲げた鳥居の中央に立ち、ユーキが「新年あけましておめでとうございます。みんな、今日は最高の1日にしようぜ!」と宣言するや、鼓や尺八の音で和風アレンジされた「SAY NO」でライブを幕開ける。鏡餅や扇、独楽や羽根つきといったお正月アイテムがネオンに輝き、今年の干支にちなんで6匹のねずみが鎮座するステージで、ド頭から火花がスパークする華々しいオープニングに8号車は熱狂。メンバーもタフなアッパーチューンで息の合ったダンスを見せながら、「あけおめ!」と飛び跳ねたり、「ねずみ年!ちゅっちゅちゅ~」とコールを変えたりと、全身でお正月感を醸し出してゆく。続いてドロップされた「Don’ t Stop 恋」のハチャメチャ&ナンセンスなダンスも、次々にネオンの色を変えるド派手なステージと相性ピッタリ。喜怒哀楽の感情を目まぐるしく変化させながら、遊びの利いたタカシのボーカルと共に新年の喜びを伝えてくれる。
超特急
3曲目の「Burn!」からは早くもサプライズが飛び出し、なんとクリア素材のステージが持ち上がって前方にせり出すと、アリーナ席の頭上を後方に向かって大移動!高々と上昇したステージの上からバッテンダンスを繰り出すメンバーに向かい、「腹から声出せ!」と煽るカイに応えて8号車がペンライトを振り上げる景色も実に壮観で、カラフルな光の海を渡ってゆくメンバーと共に大合唱する客席からは「超特急を真下から眺められるなんて!」という驚きの声が漏れる。そのままアリーナ席のど真ん中に設置されたセンターステージに着地して、「PUMP ME UP」のシュールなパラパラダンスを360度の8号車に向かって放てば、さらにステージはアリーナ最後方へと移動して、「Secret Express」の曲中タクヤは余裕たっぷりの投げキスで8号車を悩殺。トドメとばかり「お前ら楽しむ準備できてるのか!?」とリーダー・リョウガが叫んでの「PAPAPAPA JUMPERS」ではジャケットを脱ぎ捨て、トロッコでアリーナを縦断しながら客席に手を振り、スタンド席正面の花道を疾走してメインステージへと帰還するスペクタクルな展開に8号車も狂喜乱舞だ。

超特急

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レーザー光線が飛び交うなか、表情豊かに飛び跳ねるソウルな最新シングル「Revival Love」までノンストップで駆け抜けて、MCでは結成初期から目標にしていた会場に戻ってこれた喜びを吐露。続いて懐かしのイントロに歓声が湧いた1stシングル「TRAIN」へと時間を巻き戻しつつ、リリース当時の比ではない格段の余裕で8年の成長を示したところで、さらに時代は逆行する。琴や笛の音と共にステージのモニター上に城砦がそびえ、そのお庭番集といった様相でスモークの中にメンバーが登場すると、背中に“超特急”の文字を背負いながら、攻め入ってきた敵軍を見事な刀さばきで華麗に撃退。血沸き肉躍るサイケな和風トランスBGMに、ここから7分超にわたりバトルアクトが続いたが、特筆すべきは殺陣のダイナミズムのみならず、“ショー”としての艶やかさだ。カイとリョウガが赤い和傘をたおやかに翻せば桜吹雪が舞い、妖美に扇子を操って敵をなぎ倒すリョウガの姿は、もはや現実には存在しない二次元キャラの趣。雅やかな二人に対し、センターステージではタクヤとユーキが背中合わせで武闘派な戦いを繰り広げ、二人が「エイヤッ!」と刀を振り下ろせば、バッと血飛沫の赤い紙吹雪が噴き上がる。タカシも敵とのシンクロダンスで舞い、ユーキは敵陣の真っただ中、連続アクロバット技で鮮やかな宙返りまで。花道や客席通路を走り抜けて縦横無尽に展開される躍動感満点のフォーメーションや、刀を受けてのうめき声までリアルな迫真の演技、そしてクライマックスで噴き上がる炎に8号車からは悲鳴が鳴りやまない。一転、和楽器の音色で彩ったスペシャルアレンジの「Kura☆Kura」では、さっきまでの敵をバックダンサーに従えて客席を挑発。ステージの上段からは日本古来の伝統奇術・和妻の金ピラマジックで金色の巻紙を階下にヒラヒラとはためかせ、お正月ならではの“和”を前面に押し出したメニューで沸かせてくれた。
超特急
さらに中盤では、メンバー中4人が25歳を迎えた“今”だからこそのパフォーマンスで8号車を魅了。タイトルの通り、星空に浮かぶ月をバックに絶妙な間合いのダンスでセクシーなムードを漂わせる「Full Moon」が夜の空気を醸したところで、初披露されたのが最新シングルのカップリング曲「Body Rock」だ。上空を貫くレーザーとスモークのなか、初の全英詞曲を得意のファルセットも交えて強弱豊かに届けるタカシのボーカルと、椅子にもたれて身体を艶めかしく波打たせるダンスは、歴代の楽曲の中でも群を抜いて妖艶で、ペンライトの動きを止めて見入る客席からは大きな悲鳴が。加えて、今年の抱負や8号車への想いを書き初めで発表する日替わり映像を挟んでは、この東京公演3デイズのテーマ曲「On & On」もお披露目された。ラグジュアリーなサウンドに乗せ、テンポよく繰り出されるシンクロ率の高いダンスと堂々たるタカシのボーカルからは、“唯一無二の道を往くのだ”という静かな闘志がうかがえて、未来への決意にあふれた強気なリリックを彼ら自身のリアルな心情として投影。初披露2曲のスタイリッシュでキレのあるパフォーマンスが、彼らのアーティストとしての進化を明らかに証明する。そこからアリーナ最後方のムービングステージにトロッコで高速移動すれば、ファンクにノリよく「Hey Hey Hey」を、そしてジャズアレンジの「STYLE」を久々にライブ披露。前方へと動き出したステージ上でマイクスタンドを軽やかに操る姿といい、自然体でフェイクを利かせるタカシのボーカルといい、大人びたジャンルの楽曲も背伸びすることなく、等身大で楽しんでいる“今”の彼らは実に頼もしい。
超特急
ダンサーを従えての華やかなパフォーマンスに、椅子を使ってのダンス、全英詞曲と“初めてづくし”のメニューについて、2日目のMCで「ずっとやりたかったから」と胸を張ったのはツアーの総合演出を務めるユーキ。ちなみに東京公演の衣装はタクヤがすべてプロデュースを担当しており、初日にはカラフルなスポーツウェア風の3着目について「2020年はオリンピックもあるんで、それとかけてスポーツミックスな感じに」と意図を話してくれた。ここからは、そんなスタイルがピッタリのエネルギッシュなブロックに突入。まず「Drawイッパツ!」のイントロが鳴ると、即座にあがった歓声と呼応するように金テープが発射され、客席からは凄まじい音量のコールが! 続く「Clap Our Hands!」でもクラップ音で場内を満たす8号車たちに向け、再び上昇したステージの上からメンバーの「ありがとう!」の声が降り注ぎ、「Kiss Me Baby」では情熱的な歌と仕草で噴き上がる炎よりも熱く8号車の胸を燃え立たせる。そして「ラストスパート!思いっきり声出していくぞ!」(カイ)とドロップされた「バッタマン」では、現在、休養中のユースケが担っている曲中のシャウトをメンバーが代わる代わるに担当。リョウガがねずみと化して床を這い回ったり、タクヤがメンバーに謎のハグ攻撃を仕掛けたり、ユーキに至っては雄叫びから突然のアクロバットで「今年もよろしく!」と叫んだりと、それぞれのスタイルで感情の赴くまま、リアルな心情を爆発させてくれるのが嬉しい。最後は8号車と同じ動きで心を一つにする「走れ!!!!超特急」へ。朗々とサビを歌い上げるタカシに、くるくると捧げられるペンライトの光も美しく、そこに金吹雪も舞い散って、お正月のおめでたさ全開に本編を締めくくる。
超特急
星空のように瞬く光の下、限りあるからこそかけがえのない時間のなかで“君”と生きていきたいという想いを込めて、ロマンティックに贈られた「Billion Beats」でアンコールが始まると、メンバーそれぞれに8号車へ新年のメッセージ。「2020年はオリンピックもありますし、超特急の年にしていきたいと思いますので、皆さんよろしくお願いします」と、いつになく真面目に挨拶した初日のタクヤに、2日目のタカシは「新年を迎えて、新しい超特急をもっと進化させていきたい」と真摯に伝えてくれた。また「今、座っているのと同じ席に座って、同じ光景を見ることは無いでしょう。その貴重な一瞬を僕たちが楽しい瞬間にできるように、いろんな席から僕たちのことを見てもらえるように、もっと頑張っていきたい」と、超特急の頭脳派らしい鋭い着眼点で語ったのはカイ。そして最終日、このツアーのために積み重ねてきた時間を思い返しながら「いざやるとあっという間ですね」と涙ぐんだユーキは、「Billion Beats」の歌詞を引き合いに「終わりがあると思うと悲しくなるけれど、終わりがあるから最高の時間にして、将来振り返ったときに、みんなにとって超特急が思い出の1ページになっていたら嬉しいなと思います。この先もどうぞ超特急と一緒についてきてください!」と精一杯の想いを伝えた。それを受けてリョウガも「生まれたってことは誰しも終わりがある。人生、超特急と共にして後悔の無い、そんな道を進めたらなと。超特急に出会えてよかったなと思っていただけるように、僕たち頑張っていきます」と、リーダーらしく決意表明してくれた。
超特急

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そこから「みんなの声、聴かせてくれ!」と乞うユーキに従い、「Drive on week」では8号車がメンバーの名を順に大合唱。さらに「超えてアバンチュール」が投下されれば、超特急イチの起爆剤曲に8号車もペンライトを振り上げて沸騰し、「お前ら、ヘドバンの時間だ!」というリョウガの号令で、大きく身体を揺らしまくる。最終日には「一人ひとりの笑顔を見るために、僕は全力で頑張るんでよろしく!」とユーキが声を振り絞り、これまでも大事な節目に贈られてきた「gr8est journey」を贈るダブルアンコールも。宙高く上昇したムービングステージの上、胸高鳴らせる爽快なサウンドに乗せて遥かなる旅路へと想いを謳い上げるナンバーは全5公演のフィナーレにふさわしく、8号車の胸を感動で満たす。何より、ここまで全23曲をたった一人で歌い切り、なお“超特急は速度上げて”と歌詞を歌い替えるタカシのブレることのない伸びやかなボーカルは、超特急を輝く未来へと導くことを確信させるに十分。「俺ら、最高に幸せやわ。2020年マジで頑張るからな!」という力強い言葉も、8号車の超特急に対する愛と感謝を強めてくれたに違いない。
そんな気持ちに応えるように、終演後には春の東西アリーナツアーがモニター上で発表されて、場内は歓喜の嵐に。6月9、10日のぴあアリーナMM2デイズに、6月13、14日の大阪公演は2月13日に詳細発表ということだが、横浜のぴあアリーナMMは今年4月にオープンする会場だ。しかも6月10日は8年前に「TRAIN」をリリースしたCDデビュー日。真新しい会場で、タカシが表明した“新しい超特急の進化”を期待したい。

文=清水素子 撮影=米山三郎、深野輝美、笹森健一、小坂茂雄

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