【ライブレポート】TWICE、「東京ド
ーム」という夢への軌跡と新たなはじ
まり

TWICEが、4月6日(土)にナゴヤドームにて、初のドームツアー<TWICE DOME TOUR 2019 “#Dreamday”>のファイナルを迎えた。同ツアーから、東京ドーム2days公演のうち二日目にあたる3月30日(土)の模様を振り、TWICEの魅力を紐解いていきたい。

◆TWICEライブ写真

  ◆  ◆  ◆

やはり改めて驚くのが、東京ドーム開催までの道のりの速さだ。2015年10月に韓国でデビューし2017年6月に日本デビューを果たしたTWICEは、韓国発のガールズグループがまだ成し得ていないドームツアーを今回完遂した。海外アーティストとして本国デビューから最速で東京ドーム公演を実施したことになり、また、ツアーのチケット先行受付の勢いの凄まじさを受けて京セラドーム大阪での追加公演も実施されたのである。TWICEが「第1章の目標」として掲げていた東京ドームに遂に降り立った彼女たちの姿は、こうした快挙を成し遂げ得る理由を伝えていた。絶え間なく努力を積むアーティストとしての実力、ポップアイコンとしてのすでに揺るぎない魅力、そして、いつもエネルギーを交換し合うファンとの深い気持ちを、ダイレクトに受け取ったのである。
開演のずっと前から会場周辺は、グッズを求める人々で賑わい続けた。そして開演を待ちわびるドーム内は、「終わるから始まって欲しくない」「緊張してきた」といった言葉も聞こえてきたように、並々ならぬ気持ちを持ち寄ったファンの異様とも言える熱気で満ちていた。ツアータイトル「#Dreamday」には、日本デビューからドームのステージに立ちたいとTWICEが「夢見ていた日」という意味が込められており、当日を迎えると「夢が叶った日」と形を変えた。さらに、「ファンの夢」としても素敵な時間を共有したい、という意味も込められ、TWICEとONCE(TWICEファンの総称)の万感の思いが結晶するのが今回のライブだった。

それは開演時間を迎えて流れたオープニング映像から早くも感じられた。TWICEメンバーが今回のツアーの意気込みを語る記者会見風の模様から、これまでのTWICEのビジュアルやライブ写真が目まぐるしく映し出されると、過去へとタイムスリップした。そしてオーディエンスの前に実際に現れた9人の姿は、花道の先に建てられた小さなステージの上にあった。

1曲目に歌われたのは、日本で初のオリジナル曲である1stシングル「One More Time」。R&B調にテンポを抑えアレンジされたこの曲を噛みしめるように威風堂々とTWICEが歌うと、今日の日の夢の舞台に至るまでの彼女たちの軌跡を、アリーナ、スタンドの端から4階席まで埋めた5万人も一気になぞった。

2017年7月に東京体育館で行なった日本初の単独公演<TWICE DEBUT SHOWCASE “Touchdown in JAPAN”>で、日本のファンとやっと会えたことに感激していた光景が蘇る。そのステージではサナが「日本で活動できることが夢じゃないかと思えます」とMCで語ったが、その先でこうして東京ドーム公演というさらなる夢を実現させたTWICEの進化し続ける姿を間近で感じ、感動せずにいられない。オープニングを飾ったこの「One More Time」をはじめ、「Candy Pop」、「Wake Me Up」、「BDZ」といった日本オリジナル曲が披露されるたびに、着実に日本で濃密な活動を重ねてきた過程が思い起こされ、それと共にこの日のMCでメンバーの日本語が上達していたことも印象深い。パフォーマンスのクオリティーと対照的に、MCやメンバー間のやり取りでは一気に親近感があるのがTWICEの人気の一つでもある。ダヒョンは、満面の笑みで「みなさん、ごはん食べましたか?」と素朴な挨拶を今回もしてくれた。


1日で5万人を収容した会場ならではの、「近さ」も受け取ることができた。巨大ムービングステージや、トロッコで客席との距離を少しでも縮めようとする演出は、こうした大規模なライブではもはや珍しいものではないが、恋愛の楽しさや苦み、友情、といった日常の喜怒哀楽を分かち合う楽曲を歌っているTWICEの場合は、少しでもファンの近くで思いを届けようとする9人の気持ちの表れのような演出に思えて、泣けてしまった。セットリストも絶妙で、「TT - Japanese ver.-」に続いた「Wake Me Up」からかなり前方まで移動するムービングステージは発動し、そのまま「CHEER UP - Japanese ver.-」と繋げ、5万人にダイレクトにポジティブなエネルギーを届けてくれたような気がしたのだ。次曲「Pink Lemonade」ではトロッコに乗ったメンバーが場内をまわり、「I WANT YOU BACK」「What is Love? -Japanese ver.-」と人気曲が続く。イントロが流れるたび、「キター!」というファンの声が漏れてくるようで、TWICEの楽曲群がいかに充実しているかを改めて知る好機となった。
後半戦の1曲目。巨大なビジョンに映し出された壁が壊される演出とともにパフォーマンスされたのは「BDZ」だ。2018年9月にJAPAN 1st ALBUM『BDZ』のリード曲であり、ブルドーザーのように大きな壁も壊しながら前へ進んでいこう、という信念が込められているのがこのアルバム。誰もが“強くありたい、たくましく生きたい”とは思いながらも、いろんな障壁が降りかかってくる毎日を支えるナンバーであり、挑戦し続けるTWICEらしい1曲だ。だからこそ、この曲でのオーディエンスの「let's go!」の掛け声に対して、「Once! 声が小さーい!!」と、ガールクラッシュのジョンヨンが褐を入れれば、その気合いを受け取りファンは背筋を正して大きな声を放った。

後半では、TWICEでかけっこと言えばチェヨンという指名により(こういうムチャぶりもTWICEは面白い)、5万人を先導して東京ドームに巨大なウェーブを起こし、また一つ思い出は増えた。さらに一つになった会場と思いを分かち合うように、「The Best Thing I Ever Did」「ONLY YOU」「STAY BY MY SIDE」をじっくりと披露すると、もう残りは数曲とアナウンスされた。だが、ジヒョが「みなさん、最後いっぱい声出せますか?」と笑顔で鼓舞すれば、オーディエンスは有無を言わず素直に大声援を送った。5万人はこの2時間でそれほど純粋な幸福感を抱くことができていた。TWICEもそれに応えてラストスパートをかけた。メインステージへと向かうムービングステージが発動し、かわいい振り付けと細かく変化するフォーメーションが見応えのある「KNOCK KNOCK - Japanese ver.-」のパフォーマンスを間近にできた会場は歓喜し、さらにそれに続いたのは、イントロから怒号のような興奮が巻き起こった大人気曲「LIKEY- Japanese ver.-」だ。割れんばかりの“ドキドキドキ Heart Heart”の掛け声が起こり、東京ドームの盛り上がりは際限を知らなかった。すると一転し、次曲への流れとしてクールなダンスを颯爽と披露したTWICEに、また心を掴まれてしまった。まるで何度も恋に落ちるような感覚がこの日のライブにはあった。そしてラストナンバーは、フィナーレにふさわしい解放感いっぱいの「Dance The Night Away - Japanese ver.-」。74メートルにも及ぶステージ上の大型LEDスクリーンに上がった花火と同期するように、実際に火柱や花火の特効が盛大に放たれた。楽しさが瞬間ごとに更新されていく奇跡のようなライブだった。
「ONE IN A MILLION」をBGMに、TWICEへのインタビュー映像が映し出され、それぞれにメンバーは「夢を持つこと」についてを語る。どんな夢でもいいから持って欲しいと話し、ONCEを応援しているから諦めないでと願い、夢が叶わなくても何かのきっかけにはなるはず、と勇気を与えてくれた。東京ドームの夢を叶えたTWICEだからこそメッセージが響く。そしてアンコールに応えて姿を現した9人は、「Be as ONE」「Wishing」を披露し、歌そのもので人との絆を表現した。それまで弾けるような笑顔でい続けていた彼女たちがこの日初めて見せた感慨深そうなまなざしが忘れられない。

メンバーは最後に、ここまで共に歩んできた全ての人々に対する感謝をそれぞれ述べていった。サナは涙を流しながら気持ちを溢れさせた。またその一方で、モモの「このステージにまた立てるのかって言ったら最初で最後かもしれないけど、ここまで連れてきてくれたONCEのおかげだから、これから恩返しをしたいです」という言葉も現状に甘んじないTWICEらしさがあった。続けて「これがゴールではないから、もっともっと頑張っていくので、これからも一緒にいてくれますよね?」と問いかけていた。今こうして改めて振り返ってみても、モモが話したように、2日間で10万人を動員した今回の大舞台もゴールではなく新しいステージへのスタートだと感じられたことに、TWICEというグループの無限の可能性を見た。

そして改めて感じたのが、9人の魅力がそれぞれにあることだ。リーダーとしてそのグルービーな歌で常にライブを引っ張ったジヒョ、愛嬌を振りまきながらも驚異的な安定感を誇る歌声を響かせたナヨン、可憐に時に冷静にライブを進行していたミナ(たまに見せる天然ぶりも魅力)、おっとりした普段の振る舞いとダンスパフォーマンスのギャップがクセになるモモ、情熱的かつ多彩なその魅力に目が離せないサナ、男前な性格に包容力を感じずにいられないジョンヨン、ファンサに長け天使が舞い降りてきたような声でも癒しを与えるダヒョン、アーティスティックな気質にどんどん頼もしさが感じられてきたチェヨン、ビジュアルとともに強い意志の宿った深い美しさがあるツゥイ。それぞれの魅力が発揮されているからこそ、グループとしてこれほど輝くのがTWICEだ。

そしてライブは、日本のファンへの感謝と今日までの道のりをもう一度確かめるかのように、日本オリジナル曲「One More Time」「Candy Pop」「Wake Me Up」「BDZ」のメドレーののち、愛らしくてエネルギッシュなTWICEらしい最新曲「YES or YES -Japanese ver.-」で明るく幕を閉じた。

夢を叶えるまでの軌跡を描いた東京ドーム公演であったが、一体どこまでTWICEはゆくのだろうか、と未来が楽しみになるライブだった。これからも、期待せずにいられない。

取材・文:堺 涼子(BARKS)撮影:田中聖太郎

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ss="group-sentence">■<TWICE DOME TOUR 2019 “#Dreamday”>

※全公演SOLD OUT
追加公演:
2019年3月20日(水) 開場 16:30 / 開演 18:30 京セラドーム大阪

2019年3月21日(祝・木) 開場 15:00 / 開演 17:00 京セラドーム大阪
2019年3月29日(金) 開場 16:00 / 開演 18:00 東京ドーム
2019年3月30日(土) 開場 16:00 / 開演 18:00 東京ドーム
2019年4月06日(土) 開場 15:00 / 開演 17:00 ナゴヤドーム

詳しくはドームツアー特設サイトこちらをご覧下さい。
http://www.twicejapan.com/feature/dometour2019?lang=ja

■TWICE 2nd BEST ALBUM『#TWICE2』

CD収録曲 (3形態共通)
01. LIKEY -Japanese ver.-
02. Heart Shaker -Japanese ver.-
03. What is Love? -Japanese ver.-
04. Dance The Night Away -Japanese ver.-
05. YES or YES -Japanese ver.-
06. LIKEY
07. Heart Shaker
08. What is Love?
09. Dance The Night Away
10. YES or YES

初回限定盤A 【CD+PHOTO BOOK】 WPCL-13019 ¥4,500 +tax (税込¥4,860)
※ 80p PHOTO BOOK
※ トレーディングカード1枚ランダム封入(全10種)
※ IDカード1枚ランダム封入(全9種)

初回限定盤B 【CD+DVD】 WPZL-31583/84 ¥4,000 +tax (税込¥4,320)
DVD:
「LIKEY -Japanese ver.-」Music Video
「Heart Shaker -Japanese ver.-」Music Video
「What is Love? -Japanese ver.-」Music Video
「Dance The Night Away -Japanese ver.-」Music Video
「YES or YES -Japanese ver.-」Music Video

「LIKEY」Music Video
「Heart Shaker」Music Video
「What is Love?」Music Video
「Dance The Night Away」Music Video
「YES or YES」Music Video

「LIKEY -Japanese ver.-」Music Video Making Movie
「Heart Shaker -Japanese ver.-」Music Video Making Movie
「What is Love? -Japanese ver.-」Music Video Making Movie
「Dance The Night Away -Japanese ver.-」Music Video Making Movie
「YES or YES -Japanese ver.-」Music Video Making Movie

「#TWICE2」Jacket Shooting Making Movie
※トレーディングカード1枚ランダム封入(全10種)

通常盤 【CD】 WPCL-13020   定価 ¥2,500 +tax (税込¥2,700)
※初回プレス分のみ、トレーディングカード1枚ランダム封入(全10種)

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