【琴音 インタビュー】
どんな感情でも
何かを想うことが糧になる
周りから見た自分は
青春の中にいるんだなって
琴音さんの今の心情を感じられる「ここにいること」と「戯言~ひとりごと~」を聴いたあとに、アーティストとしての気持ちが綴られた「夢物語」へと移る流れも心にグッときました。サビの《wow》の部分はライヴで大合唱が起きたら素敵だなと思ったり。
確かに、そうなったら面白いなっていう気持ちは多少あったのかもしれないです(笑)。
音的にも軽やかなホーンを入れて“少しでも自分の音楽が癒しになれば”という想いにぴったりなリラックスできるサウンドになっていて。《それでも夢を見れるのは私たちだけだから》ってフレーズは、ファンの方々それぞれの夢を後押したり、琴音さんの夢がたくさんの人の夢になっていることにもつながりそうだなと。
これも今作のタイトルにつながるんですけど、自分の曲を聴いてくださった方にとっての癒しになったり、小さな励みになればいいなという自分の土台みたいなものがこの曲に出ています。「戯言~ひとりごと~」でもありましたが、この夢がもしかしたら夢のままで終わるかもしれないし、ここで歌っていることが綺麗事だと思われても仕方のないことだと思うんですけど、それでも夢を見ることは大事だし、自分の力になる部分だから“私はそう思い続けてやる!”って気持ちがあります。
最後の「しののめ」は提供曲ですが、これって琴音さん自身のことを歌っているんだなと思いました。
そうですね。自分のことを思って作ってくださったんだなと感じる部分が所々にありました。これは青春を歌っている曲だと思ったんですけど、私は歌詞に青春のことを書くことがなくて。それは今学生だからっていうのもあると思うんです。学生の頃は“今が青春だ”ってあんまり思わないけど、周りの人から見たら私は今青春の中にいるんだなってこの曲を通して感じました。
事前に打ち合わせをしてから完成した曲なんですか?
特にしていなくて、歌詞も曲も出来上がった状態で初めて聴いたんですけど、《時計が止まった部屋で ギター抱えてる》は自分のことそのまんまだって思いました。家に楽器とかCDがたくさん置いてある音楽室みたいなところがあるんですけど、そこの時計がちょっと狂ってて(笑)。時間が止まってたり、遅れてたりする空間で曲を作るので、そこを含めて周りから見た自分の存在を伝えてくださった一曲です。
年を重ねるたびに歌う時の気持ちも変わってきそうですよね。この“しののめ”って言うタイトルも夜明けの前の茜色に染まった空を意味するらしく、タイトルにつながっているなと思いました。
いろいろ引き寄せているものがありますね。それも琴音さんが自分の根本にある想いとかをしっかり発信できている証拠だと思います。どの曲も見失いがちな人の核心を突いていて、それだけひとりで考えている時間も多いのかなと。
たぶんそうだと思いますね(笑)。友達とかと関わる中で自分が劣っている部分や秀でているものを実感することがありますし、それで落ち込んだり僻みに変わる人もいると思うんですけど、そういうことをちゃんと感じておくのってどんな感情にせよ大事なことだなって思うんです。今しか分からないことかもしれないし、他の人の気持ちを知るチャンスにもなるし。今の時期は今の時期として大事にしていけたらいいなって思います。
最初はその歌唱力に驚いたけど、聴けば聴くほど琴音さんの真摯な人間性が才能を活かしているのがすごく伝わってきて、今作を引っ提げて行なうワンマンツアー『1st note TOUR 2019 -明日へ-』でもそれを体現できる時間になるのかなと今から楽しみです。リハーサルはどうですか?
はい。曲の雰囲気がお洒落に仕上がっていて、バラードは叙情的に聴けたり、アップテンポの曲もラフに聴ける空気感がすごく好きです。“ライヴで盛り上げようとしてる自分って痛い”みたいな気持ちになってしまうことがあるので肩ひじ張らなくていいなと思ってます。バンドメンバーの方たちもすごく愉快で、楽しんでできる体制になっているので、このメンバーでお客さんのところに会いに行けるのが嬉しいです。
地元の長岡での公演もありますね。
友達とかもたくさんチケットを買ってくれて(笑)。頑張ろうって気持ちはどこも変わらないですし、お客さんに会える気持ちも同じなんですけど、地元でやれる嬉しさはありますね。“いいところを観せたい!”みたいな。頑張ろうって思います。
取材:千々和香苗
・・・
EP『明日へ』2019年3月6日発売
Colourful Records/ビクターエンタテインメント
- 【初回限定盤(DVD付)】
- VIZL-1539 ¥2,000(税抜)
- 【通常盤】
- VICL-65135 ¥1,300(税抜)
・・
『1st note TOUR 2019 -明日へ-』
3/17(日) 愛知・名古屋ell.FITS ALL
3/24(日) 大阪・南堀江Knave
3/31(日) 新潟・アオーレ長岡市民交流ホールA
4/03(水) 東京・Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASURE
コトネ:新潟県長岡市出身、2002年生まれのシンガーソングライター。18年にオーディション『Eggs presents ワン!チャン!!~ビクターロック祭り2018への挑戦~』でグランプリ、テレビ朝日『今夜、誕生!音楽チャンプ』ではグランドチャンプを獲得し、19年3月にE.P.『明日へ』でメジャーデビュー。2021年には、フジテレビ系月9ドラマ『ナイト・ドクター』オリジナルナンバー「君は生きてますか」を歌唱した。琴音 オフィシャルHP
「ここにいること」MV(Short Ver.)
『2018.11.17 LIVEドキュメント』
(初回限定盤収録ダイジェスト)