市川海老蔵、親子三人で初共演へ 新
橋演舞場『初春歌舞伎公演』会見レポ
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市川海老蔵が長女の堀越麗禾(7)、長男の堀越勸玄(5)と来年1月、新橋演舞場『初春歌舞伎公演』で親子三人初共演をする。2018年11月22日に都内で開かれた会見では、5演目で奮闘する海老蔵が意気込みを語ったほか、麗禾ちゃんと勸玄くんがそろって『外郎売(ういろううり)』を堂々と披露する場面もあった。会見の様子を写真とともにレポートする。
平成最後の『新春歌舞伎公演』。市川海老蔵が昼の部で『極付幡随長兵衛(きわめつきばんずいちょうべえ)』と『三升曲輪傘売(みますくるわのかさうり)』、夜の部で『牡丹花十一代(なとりぐさはなのじゅういちだい)』、『俊寛(しゅんかん)』、『春興鏡獅子(しゅんきょうかがみじし)』の5演目で奮闘する。特に、十一世市川團十郎生誕110年と冠した舞踊『牡丹花十一代』は、長女の堀越麗禾、長男の堀越勸玄と本興行で親子三人初めての共演だ。
海老蔵「子どもたちは私よりもやる気がある」(笑)
市川海老蔵、堀越麗禾、堀越勸玄
まず、会見では市川海老蔵が一人で記者たちの質問に答えた。
−−親子3人での共演は初めてですが、改めて現在の心境は?
海老蔵:本興行という場で家族3人、娘、倅と舞台に立つのは初めてでございますので、非常に、父としての在り方が問われるなと。倅は歌舞伎座の舞台で共演したり、娘はかぐや姫をやったりと、個々バラバラでは出ておりますし、自主公演では共演はしていますが、新橋演舞場の本興行という形の中で3人が一緒に出るのは初めてです。 
普段は自分のことだけを考えていればいいわけですが、子どもたちのことを見ないといけない。冷や汗をかく瞬間が多々ございますので、お稽古を少しずつ積み重ねられるような環境を作ろうと思っております。 
−−麗禾ちゃんと勸玄くんは今回の共演に関して何かコメントしていましたか?
海老蔵:娘の麗禾は「出たい」と。固い決意というか想いが強いです。バレエなどの習い事が様々あるのですが、「1月は歌舞伎の方を重視したい」という直談判もございまして、こういう形になりました。倅は年齢もあって、いささかふわふわしておりますが、歌舞伎をやるという意識は私が子どもの頃と比べると明快です。倅は昼の部の『極付幡随長兵衛』の長松という、子どもの中でも大変難しいお役かなと思いますが、そういうこともやります。本人たちは私よりもやる気がある状況なのかなという感じです(笑)
海老蔵が語る、5演目それぞれの見どころ
市川海老蔵
−−今回5演目に出演されますが、『三升曲輪傘売』と『牡丹花十一代』の見どころを教えてください。
海老蔵:『三升曲輪傘売』は、私がシンガポールやロンドンで海外公演をさせていただいている折に、海外の方々が小雨の場合、傘をささないという状況を目にしまして、日本の和傘をもっと知っていただき、活用できないかなぁというところにインスピレーションがあって作られた舞踊です。近代のマジックを取り入れながら、私の体の中から約20本少々の傘がどんどん出てくる。それを日本舞踊仕立てにしてご覧にいれるというのが一つの見どころかなと思います。短時間ではありますが、日本の舞踊としてみれば、華やかで、見ていても飽きがなかなか来ない舞踊に構成されています。
 
『牡丹花十一代』は、祖父・十一代目市川團十郎が生きていれば生誕110年。その十一代目市川團十郎を忍ぶということで、2人に踊りを踊らせるというのが一つの眼目でございます。多くの共演者の方々と共に華やかな舞台を目指しております。藤間勘十郎氏に振付を依頼しており、今は子どもの部分ができてきている段階。これは見ていただかないと私も分かりません(笑)
−−続いて『極付幡随長兵衛』の見どころは?
 
海老蔵:この演目は非常に思い入れがあります。前回、平成25年1月、浅草公会堂でやらせていただいた。その平成24年12月に、父・十二代目團十郎が病棟にいまして、父に病院で習った記憶があります。初役だったので。父は見に来たかったんですけれど、舞台稽古も見られなかったんですね。DVDに録画をして、父の病棟に持っていって、ああだこうだ、手紙でのやり取りなどもありまして、私としても思い出に残っておりました。
 
そして、1月の公演中に、テレビ電話で話をしたのが父との最後の会話になってしまったのですが、その時の舞台がこの『極付幡随長兵衛』でした。私も父が長兵衛をやっている頃に、後ろで子分として父の背中を毎回見ていたので、父の面影を感じる中では非常に大きなお役だなと思っています。父に教わったことをそのまま演じられるように努力します。
市川海老蔵
−−では『俊寛』は?
海老蔵:『俊寛』という演目は私は初めてでございます。父も本興行ではないんです。私が某テレビ局の『仲蔵狂乱』というドラマの中で、父が俊寛僧都を演じて「いつか俊寛僧都をやりたいんだ」と言っていたことを懐かしく思います。今年『め組の喧嘩』で辰五郎というお役をさせていただきまして、そのお役も市川團十郎家は勤める者はございません。『俊寛』もございません。ですので、私としては新しい挑戦でございまして、今回は、高麗屋の白鸚のおじさまに教えていただいて、勤めさせていただこうと。もちろん初心のことでございますから、一生懸命おじさまの教えを承って、おじさまの名前に恥じぬように演じきれるように頑張りたいです。
−−最後に『鏡獅子』について教えてください。
海老蔵:『鏡獅子』と口にしているだけで大変だなと思いますけれど(笑)、普通に踊るだけで気絶するぐらい大変な踊りなんです。それを1か月間通して、『長兵衛』をし、『三升曲輪傘売』をし、子どもと一緒に共演をし、初役の『俊寛』をした後に『鏡獅子』ができる人間がこの世の中にいるのかなと自問自答しております(笑)。私としても久しぶりの『鏡獅子』、そして女方の舞踊をさせていただきます。新歌舞伎十八番という市川家の演目でもございますので、もう一度コツコツと演じ直そう、踊り直そうと心がけて、真剣に取り組みたいと思います。
−−全5役をやられる意気込みをお願いします。
海老蔵:できるのかな。新作もございますが、古典というものに対して向き合いながら挑戦するということは意義のあることだと思うので、乗り越える。そして皆さんに楽しんでいただける、うんと頷けるような芝居を目指したいなと思います。
一目惚れした男、それが祖父だった
市川海老蔵
−−十一代目市川團十郎との思い出などありますか?
海老蔵:私は会ったことないんですね。私が生まれる前に他界しておりますから、個人的な思い出というものはございません。ただ、生きている祖父とは会っていませんが、私が歌舞伎を真剣に取り組もうと思ったのは、祖父の白黒の映像を見たときのあまりにも格好のいい男が存在して、その男は誰なんだろうと思ったら祖父だったと。私が男性に一目惚れして、その後は一切ございませんが、たまたま一番最初に一目惚れした男が祖父だったという出会いはございました。
麗禾・勸玄、仲良く『外郎売』の長台詞を披露
記者の質問に答える堀越麗禾と堀越勸玄
続いて、麗禾ちゃんと勸玄くんが登場し、囲み取材が行われた。
 
多くの報道陣に囲まれ2人は緊張した様子だったが、「この度は新橋演舞場で立たせていただきます。お願いします」と揃って挨拶。1月の公演について麗禾ちゃんは「舞台に立つのが楽しみです。(勸玄くんと舞台に立つことは)ものすごく嬉しいです。歌舞伎が大好きです」と話し、勸玄くんも「ものすごく嬉しいです」とコメントした。
『外郎売』を披露する堀越麗禾と堀越勸玄
海老蔵に促され、2人揃って「一寸先のお小仏に、おけつまずきゃるな。細溝にどじょにょろり……」と『外郎売(ういろううり)』の長台詞をおよそ1分にわたり披露し、報道陣たちから自然と拍手が沸き起こった場面もあった。
会見の終わりに、海老蔵は「新橋演舞場の1月公演を6年連続で任されております。6年前はほぼ影も形もない2人でしたが、6年という月日が流れて、このように舞台に立つということを自発的に言うようになってきたので、そういう子たちが頑張っている姿を多くの方々に見ていただければ、何か楽しんでいただけるのではないのかなと思います。お時間ありましたらぜひ新橋演舞場の方へいらしてください」と結んだ。

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