明治座『水谷千重子50周年記念公演』
「とんち尼将軍 一休姉さん」と歌謡
ショーで咲き乱れる! 製作発表記者
会見

演歌ひとすじ、芸能生活50年。演歌歌手の水谷千重子による、明治座初座長公演『水谷千重子50周年記念公演』が、2019年2月22日(金)より3月4日(月)まで上演される。
50周年にふさわしい明治座という大舞台で、水谷は、ゆかりあるゲストを日替わりで迎え「老若男女を愉しませ涙させる圧巻の夢芝居ショー」を展開するという。8月23日に製作発表記者会見が開催され、水谷の他、こまどり姉妹、あご勇、そして明治座代表の三田芳裕が登壇した。
左から、こまどり姉妹、水谷千重子、あご勇、明治座代表 三田芳裕氏。
明治座は夢の舞台
開口一番、水谷は「皆様、おはようございました! 水谷千重子でございます!」と覇気に富んだ声で挨拶をし、あっという間に報道陣の心をつかむ。
「デビュー曲は『万博ササニシキ』でした。『うんとこどっこいしょ椿』という曲を出し、『一事が万事酒』でスマッシュヒットを飛ばし、そんなこんなでヒット曲がたくさんあります中、50年にしてこの明治座の舞台に立てることになりました」
「明治座さんは、夢の舞台です。歴史もありますし、お芝居をみせることもできますし、私が大切にしているお歌を皆さんにお聞かせすることもできる舞台です」
明治座での初座長公演の話が決まった時の心境を問われ、水谷は次のように振り返った。
「明治座の前に水谷千重子のノボリがひらひらとはためく日が、いつかこの先くるのだろうかと思いながら、劇場前の道を歩いていましたから、この話が決まった時は夢のような心境でした。明治座さんの……勇気?(一同、笑い)それに素晴らしい方々が運営をされているんだなって思いました」
これに対し、三田氏は「立派なノボリをつくってお待ちしております」と笑顔で答えた。
こまどり姉妹は会見中、水谷に「今日、すごくきれいよ」と言葉をかけた。水谷は糖質カット・ダイエットを成功させたことを明かし、「50周年の舞台に立つわけですから、見ばえよくありたい。皆さんに『いつまでも輝いてるな!キーポンシャイニングだな!』と思っていただきたい」と声を弾ませた。
握手を交わす水谷千重子と明治座代表三田氏
歌と芝居の二本立て
この公演は、日替わりゲストを迎えて行う「歌謡ショー」と、オリジナル脚本による「お芝居」の2本立てで構成される。水谷にとって「芸能界で唯一の先輩」 であるこまどり姉妹は、歌謡ショーにゲスト出演する予定。お芝居は、完全オリジナル脚本で準備が進められており、その演目名は「とんち尼将軍 一休姉さん」。情報量&ツッコミどころの多いタイトルに、会場のあちこちから笑いが起こっていた。
「ミュージカルのような舞台も一瞬考えたのですが、明治座さんという歴史ある小屋ですから 、和の雰囲気のお芝居にしました。そして皆さんにご想像いただいて『楽しい舞台になるんだな』って分かるタイトルにしました」
昼は尼さん、夜は花魁の(ような)女性を描く物語。水谷と"親交"のある友近も、かねてより映画監督の五社英雄へのリスペクトを口にしてきたが、水谷もまた『吉原炎上』や『鬼龍院花子の生涯』など五社英雄の作品が好きなのだそう。
「五社英雄監督の世界観は、千重子の中でも大事にしています」と語り、「女性の情念のようなものを描きながらも、痛快で笑えて人情もある、楽しいお芝居にしたいです」
花魁の場面での色っぽいシーンを期待する声に対しては、「お色気お色気で売っていくつもりはないわけ。人情と笑いを大事にしたいし、明治座という劇場自体のファンの方々も多くいらっしゃいますので、その方がたにも満足いただけるものにしないと。今はそのバランスを考えているところ」だという。共演はあご勇の他、水谷の相手役として、原田龍二の名前が明かされた。
水谷千重子の神対応
演目の紹介が終わるころ、水谷は、こまどり姉妹が小声で言葉を交わしていることに気がついた。聞けば、二人は朝から何も食べておらず、お腹が減ってしまったのだという。これに対し水谷は、「会見の時は万全の状態で出たいですよね」と深くうなずき、スタッフに向けて、ラーメンの出前を依頼。大御所らしい懐の深さと、常識にとらわれない神対応が、一同を笑顔にした一幕だった。
まもなくラーメンが届けられると、こまどり姉妹は大喜び。二人は「昔から猫舌で」と、ラーメンに氷と水を入れ「おいしいわね」「言葉もない」と堪能。熱いものに氷と水を入れるスタイルは、昔からのことなのだそう。
「プレッシャーはありますが、自分が楽しんでやることで、その思いが皆さんに伝わるんじゃないかと思ってやっております。明治座に来なければ、この空気は味わえないと思います。特に千重子の公演(の面白さ、魅力)は、言葉では伝わりづらいんです。ぜひ肌で感じていただきたい。全国の皆さんのお越しをお待ちしております」
最後は、縁起物の“とうふ開き”。「ヨイショ―、ヨイショー、ヨイショ―!」と、水谷の威勢の良い掛け声にあわせて成功を祈願し、会見は締めくくられた。
壇上のボトルをよくみると「千重子水」
取材・文・撮影=塚田 史香

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