週刊夢アド総集編(後編)すべては「
エモい」の一言に集約される
週刊夢アド総集編(後編)
そこで、候補生ロスに陥っているユメトモのみなさん(と筆者)のために、もう一度あの熱い期間を振り返ります。新メンバーを含めた新生夢みるアドレセンス、そして元候補生たちに思いを馳せる、エモすぎるまとめ記事の後編です。
3つのグループと、自然にうまれたユニ
ット
この日は、候補生が本格的にリリイベに参加するようになってから初めて、関東・関西・北海道の候補生が全員AKIBAカルチャーズ劇場に集合した日。関東組と関西組にパフォーマンスの差はあるのか? 両者が一緒になることで何か化学反応が起きたり、あらたなドラマがうまれたりするのか? そして前回の定期公演で発表されたように、これからは毎週中間順位結果が発表されるわけだが、前回との入れ替えはあるのか? などなど、いろいろなみどころがあり、注目された回。実際、それまでの定期公演でもっとも多くの人が訪れた。
中間発表の結果は前回と変わり、望月朱音と上杉らんが上位6名にランクイン。これで若松来海を含めた「プンスカ軍団」が全員一度は上位に入ることになった。
「プンスカ軍団」という呼称は非公式だけど、こうした候補生間のユニット的な組み合わせが自然に現れたのもこのオーディションの特徴だった。
この組み合わせについては、オーディションが終わった現在でもSNS上で頻繁につぶやかれている。代表的なところをあげると、永戸真優と岡村茉奈による「まゆまな」コンビ、内藤もゆのと立花華による「もゆばな」コンビ、ダンスパフォーマンスが圧倒的だったツートップの内藤もゆのと岡村茉奈による「もゆまな」コンビ、山口はのんと白崎乃愛による「のんのん」、そして終盤に急接近し注目された水無瀬ゆきと白崎乃愛による「ゆきのあ党」など。
これらの組み合わせがまた見られる日が来るといいなあ……(心の声)。
さながらロックシンガーのよう
でも、これでも1/3も伝えられていないな、と感じるくらい素晴らしいパフォーマンスだった。とくに、候補生が最後に披露した『ファンタスティックパレード』は鳥肌モノ。
そのときの写真がこれ。
ライブが終わってからは軽く放心状態になってしまい、帰りの電車のなかで泣いた。
ファンパレって、KEYTALKの首藤義勝が作詞作曲を手がけていることもあってすごく楽しいロックな曲なのに、この日のライブのおかげで筆者のなかでは「聴いたら絶対泣く曲」になってしまった。
そして家で泣きながら朝まで一気に書き上げたのがこの『週刊夢アド7』だったというわけです。
(余談ですが、ミーティアの『2017年の心の支えになった曲』という年末企画記事では、山田的な心の支えになった5曲のうち、1曲は夢アドのファンパレを選ばせてもらいました。自分にとってものすごく大切な曲になりました)
この曲は、オーディション期間を象徴する曲のひとつだと思う。候補生たちの鉄板レパートリーだったから。
MVは2016年のものだし、エモーショナルな要素はほとんどないけど、候補生たちを見てきたユメトモのみなさんは、きっとこれを見ていろんなことを思い出すのではないだろうか。歌詞にあるように「あの日の記憶はよみがえる」ですよね、ほんと……。ぶっちゃけこの頃にはオーディション期間が終わってほしくないと思っていて、「針を止めて」って言いたかったです。
それと、最終原稿ではカットしちゃったけど、この日は望月朱音さん18ちゃいの誕生日でもありました。アカトモのみなさん沸いてましたな〜(でもたぶん一番沸いてたのは水着ツイートのとき)。
最後の中間発表
ゆーていい? カッコ良すぎでしょ……。めちゃくちゃ「引っ張り出して」来てるぞこれは……。メンバーも候補生たちのパフォーマンスに感動していた様子。
しかし、なんと言ってもこの日は岡村茉奈。
本人は現場にいなかったけど、中間発表1位で名前を呼ばれたとき、会場はかなりざわつき、盛り上がった。こりゃ本人コメントを記事に盛り込むの決定だなと思ってtwitterを見たら、案の定、一時間後くらいにSHOWROOMをやると言うので、急いで帰宅して準備。涙の感謝会見SHOWROOMは大盛り上がりで、がっつりコメント引用させてもらいました。あんなに速記みたいにSHOWROOMでの発言をメモりまくったのは初めて。
素敵でした、ホンマに。
4人体制ラストライブ
会場となった渋谷WWW Xには2017年、何度も足を運んだけど、こんなに人が入った日は記憶にない。あまりに人が多くて、実はステージがよく見えなかった。そして熱気がすごすぎてクソ暑かった。暗いなか、一番うしろで汗だくになりながら一心不乱にメモってる奴がいたら、それは私(山田)です。
この日の前後の夢アドがあまりにもエモーショナルだったことや、4人のライブを見られるのはこれが最後であることから、観る方も自然とエモを期待してしまうんだけど、記事に書いた通り、しめっぽさがほとんどなかったのが印象的だった。しかしそのことが、かえって4人の決意を強く感じさせた。はじまりの予感にみちていた。
豊洲PITでのライブが発表されたときのムービーはさすがに笑った。
2月12日、新体制最初のワンマンライブにして夢アド史上最大規模のライブ。しかも、のちに発表されたところによると、そんな大事なライブをほぼ無料で見せるという。これは……「来ないと、損!」てやつですな。
⚠大事なこと⚠
ULTRA YUMELIVE! 2018
2月12日豊洲PITキャッシュバックは‥
1⃣エリアのチケットのみ
2⃣女性と18歳未満のみ
3⃣1,000円お返しします
4⃣チケットを事前にプレイガイドでお買い求めください。
5⃣楽しさは∞チケットこちらから
↓https://t.co/lkAswDnTkl— 夢みるアドレセンス (@Y_Adolescence) 2017年12月24日
最初で最後の幻のライブ
この日のレポでは、個人にフォーカスするというよりは、オーディション期間を通して候補生がいったい何を成し遂げてきたのか、『なれ夢』とはいったい何だったのか、という点を考え直したかった(と思ってたにもかかわらず、フォーカスせざるをえない活躍をした候補生がいた。詳しくは記事をどうぞ)。そしてこのオーディションを終着点に導けるのは候補生でもメンバーでも運営でもなく、ユメトモしかいないのだということを、しっかりと書いておきたかった。だから、ライブレポなのに回想から書き始めるというちょっと回りくどいやり方をした。
この次に書く『週刊夢アド』最終回は、結果が出たあとに書く記事。ということは、これが投票前最後の記事。自分としても悔いを残したくなかったので、これまででいちばん気持ちを入れて書いた。
最後の方は、ライターとして仕事の領域を踏み越えてしまった気がしないこともないけど、この連載のあり方としては間違ってなかったと思っている。
ライブ自体は楽しさが炸裂する最高のライブだったけど、後から後からエモが洪水のように押し寄せてきて、それから一週間、他の仕事が手につかなかった。
本当にあれが最後のライブだったなんて、いまでもちょっと信じられない気持ちでいる。
運命の日
そのときにすれ違ったある候補生の表情が、いまでも忘れられない。
誰とは言わないけど、普段はかなり明るいキャラクターのその候補生が、緊張のせいか、”茫然自失”という言葉で形容したくなるほど不安そうな表情をしていた。それまで、その子のそんな顔を見たことは一度もなかった。彼女にそうした不安定さ(というか、奥にひめた悲しみのようなもの)があることは多くのファンが気づいていただろうけど、ステージでもSHOWROOMでも絶対にそういう表情を見せない候補生だったから、見た瞬間に固まってしまって、うまくあいさつができなかった。
きっと、すべての候補生たちが同じ気持ちなんだろうなと、当たり前のことに改めて思い至った。候補生たちの覚悟と背負っているプレッシャーを目にしたことで、いまさらだけど、「自分は彼女たちの気持ちに応えられるレベルの記事を書けているのか?」と自問自答することになった。
だから、最後に書く記事は、ただの結果報告や感想ではなく、全員にとって次に繋がる何かにしなければいけないと強く思った。たかが記事のひとつにそんなことはできないとわかっていたけど、それでも、彼女たちの次のステップのために、何かしら残すべき言葉があるはずだ。ずっとそう自分に言い聞かせていた。
最終順位発表の結果は周知の通り、水無瀬ゆき、山下彩耶、山口はのんの3人が選ばれた。
3人の新メンバーが決まった。あたらしい夢アドがここから始まる。それはもちろん喜ぶべきことなのだけど、落ちた候補生と、その人たちを推していたユメトモもこの場にいたわけで、結果発表の瞬間と直後は、天国と地獄のような様相だった。
見ていてつらかったのが、落ちた候補生による最後のあいさつ。胸が痛んだ人も多かったと思う。
号泣する候補生もいれば、泣きながら笑顔で感謝の気持ちを述べる候補生もいた。悔しさと悲しさを押し殺してあくまでも明るくふるまおうとする候補生もいたし、自分の悔しさは差し置いて、ともにこのオーディションを戦った仲間が選ばれたことに涙する候補生もいた。
候補生たちの最後の言葉を記事にするのは、残酷すぎるのではないかと思った。でも、これらの言葉やそのときの気持ちは、必ず彼女たちの財産になる。そういう思いから、彼女たちの発言をほとんどそのまま書き起こすことにした。
ライブ後に候補生たちによる新プロジェクトの始動がアナウンスされたときは、フロアから安堵のため息が漏れた。SNSでは「救済措置」というような言葉も見かけたが、本当に救済されたのはユメトモだったのではないか。
確かに、選ばれるべき人が選ばれたと思う。繰り返しになるが、7人になった新生夢みるアドレセンスには違和感がなく、すでに驚くほど馴染んでいる。これまで以上に新メンバーの3人とあたらしい夢アドを応援したい気持ちはかなり強くある。
しかし、あまりにもこの2ヶ月半が熱すぎたため、もはや誰かが落ちるという事実を受け入れるだけの隙間が、自分の心にはなかったらしい。だから、やや複雑な気持ちでライブの後半を見届けることになった。喜びと痛みの2つに引き裂かれたような感覚。新プロジェクトの告知がなければ、その痛みはもっと深いものになっていた気がする。
総集編の前編で「これはラストアイドルではない」と書いたが、新プロジェクトにはあの企画と同じかそれ以上に熱い展開を期待してしまう。
そして、候補生たちがどのような道を選んだとしても、変わらない熱量で応援していきたいし、なんとか役に立ちたいと思う。
すべては「エモい」の一言に集約される
候補生について書き始めると止まらなくなってしまうので(あと何杯でもおかわりイケる)、強引にまとめに入ります。
何度も言うように、このオーディションを一言で表すと、すべては「エモい」の一言に集約される。
振り返ると、この「エモい」には2つの軸があったように思う。
1つ目は、候補生という軸。これは『週刊夢アド』でフォーカスしてきたように、14人の候補生がそれぞれ新メンバーになろうとする過程でうまれたドラマ。
もう1つの軸は、夢アドというグループの軸。年始の地獄みたいなスタートから少しずつ体勢を整え、最後に『なれ夢』というプロジェクトで見事に完全復活を遂げた、いや、それどころかパワーアップしたグループのドラマ。
この2つのエモが重なったことで、もはや「エモい」以外にふさわしい言葉が見当たらないような状況になったのが、2017年中盤から終盤にかけての夢みるアドレセンスだった。
(さらに言えば、「元候補生」という肩書きがついた夢みる少女たちの行く末は、3つ目の軸となってさらなるエモを生み出す可能性がある)
そして迎えた2018年。
ネクストブレイク筆頭と言われ続けながら、度重なるアクシデントによってイマイチ波に乗り切れなかった夢みるアドレセンス。しかし、もはやいまの彼女たちをさえぎるものは何もない。
ということは?
夢アドは2018年、どうなる?
その答えは、すでにリーダーが宣言している。
候補生ばかりにフォーカスしてきたけど、すべてを支えているのはリーダーだ。
メンバーが何人になろうが、どんなときもこのグループを引っ張ってきたリーダー・荻野可鈴への敬意も込めて、4人体制ラストライブで彼女が最後に放った言葉を引用して、『週刊夢アド総集編』を締めることにする。
夢アドは、来年(2018年)絶対、売れます!!
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週刊夢アド総集編(後編)すべては「エモい」の一言に集約されるはミーティア(MEETIA)で公開された投稿です。
ミーティア
「Music meets City Culture.」を合言葉に、街(シティ)で起こるあんなことやこんなことを切り取るWEBマガジン。シティカルチャーの住人であるミーティア編集部が「そこに音楽があるならば」な目線でオリジナル記事を毎日発信中。さらに「音楽」をテーマに個性豊かな漫画家による作品も連載中。