映画監督の大根仁が選ぶ、奥田民生の
珠玉の名曲たち。
サブカルの権化、大根仁監督の奥田民生
観
ちなみに、同じく渋谷氏の漫画『カフェでよくかかっているJ-POPのボサノヴァカバーを歌う女の一生』も、個人的には大好きです。
大根監督、サブカルを扱うのが本当に上手いですよね。『モテキ』で散々心をくすぐられた人、多いのではないでしょうか。TAICOCLUBだの大友克洋だの、気がつけばタワレコに2時間居るような僕らが反応せずにはいられないワードを次々と放り込んできます。
で、舞台や登場人物が「重度のサブカル系」という点で、今回の『奥田民生になりたいボーイ〜』は『モテキ』に通ずるわけです。
以下プレスリリースより、あらすじを引用。
奥田民生を崇拝する33歳、コーロキ。おしゃれライフスタイル雑誌編集部に異動になったコーロキは、慣れない高度な会話に四苦八苦しながらも次第におしゃれピープルに馴染み奥田民生みたいな編集者になると決意する!そんな時、仕事で出会ったファッションプレスの美女、天海あかりにひとめぼれ。その出会いがコーロキにとって地獄の始まりとなるのだった…。あかりに釣り合う男になろうと仕事に力を入れ、嫌われないようにデートにも必死になるが常に空回り。あかりの自由奔放な言動にいつも振り回され、いつしか身も心もズタボロに…。コーロキはいつになったら奥田民生みたいな「力まないカッコいい大人」になれるのか!?そしてもがく先にあかりとの未来はあるのか!?
奥田民生になりたいボーイに贈るプレイリスト
アルバムの話から逸れました。大根監督による、『奥田民生になりたいボーイに贈るプレイリスト』の中身や如何に。トラックリストを頭から順に並べてみます。
1. 息子 2. 愛のために 3. 674 4. ハネムーン 5. 海へと(LIVE SONGS OF THE YEARSバージョン) 6. 近未来 7. スカイウォーカー 8. ギブミークッキー 9. チューイチューイトレイン 10. 花になる 11. マシマロ 12. The STANDARD 13. 御免ライダー 14. 月を超えろ 15. CUSTOM(JPNバージョン)
頭の二曲は『息子』と『愛のために』にでなくてはならなかったし、『マシマロ』の位置はここでなければならなかった。そんな必然性のようなものを感じてしまうのです。腕の良いクラブDJが「ここしかない」というタイミングでキラーチューンを投下する感じに似ているかもしれません。
大根監督の音楽に対する愛情は過去の作品からもヒシヒシと感じましたが、今回もやはりそこに変化はありません。もはや「大根節」と言っても良いサブカル砲が今作でも轟くことでしょう。
余談ですが、原作者の渋谷氏は『野ばら』を作中で使いたかったのだそう(ハマるシーンがなかったらしく実際は使われていない)。それ、すごくよく分かるような気がします。というのも、主人公のコーロキは奥田民生の飄々とした格好良さに憧れているのですけれども、まさにこの曲はそれを体現しているように思うのです。アコギ一人弾き語りでここまで雰囲気ある人、いませんよね。やっぱりカッコイイなぁ。
■奥田民生になりたいボーイに贈るプレイリスト
好評発売中
2017年9月16日より公開
<公式サイト>
https://www.toho.co.jp/movie/lineup/tamioboy.html
映画監督の大根仁が選ぶ、奥田民生の珠玉の名曲たち。はミーティア(MEETIA)で公開された投稿です。
ミーティア
「Music meets City Culture.」を合言葉に、街(シティ)で起こるあんなことやこんなことを切り取るWEBマガジン。シティカルチャーの住人であるミーティア編集部が「そこに音楽があるならば」な目線でオリジナル記事を毎日発信中。さらに「音楽」をテーマに個性豊かな漫画家による作品も連載中。