ノスタルジックとEGO-WRAPPIN’

9月、フラフラと自転車を漕いでいると、鼻の奥にスルスルと入ってくる懐かしい匂い。
子供のころ学校帰りに包まれた様な、どちら様かの家の所帯染みた匂いと
乾いた空気、少しのぬくもり。

そんな匂いにつかまった時、胸がキューっとなって
その場でちょっと立ち止まり、深呼吸をしてみる。
自分は昔から何も変わっていない。そんな気持ちになる。

同時に、何もかもが変わった。そんな気持ちにもなる。

あのとき少女だった自分、
そこから1日も途切れず今の自分へと続いている、という不思議。

左胸の心臓は、母のお腹の中でその第一音を響かせてから、
今の今まで、一度も休まず、毎秒リズムを打ってくれている。
32歳。32年間、寝ている時でさえ
休まずリズムを打ってくれていることに、心底感謝をしたくなる。
そんなことを思った時でさえも、物思いにふけ、
とにかく自然に煙草に火をつけてしまう自分を誰か叱ってほしいものだ。

そんな路地裏の香りひとつで、ノスタルジックな気持ちになり
昔のことを思い出してしまう。でも子供の頃の友達なんてもう会うことはない。


なぜなら、私は今まで17回も引越しをしている。
葛飾北斎ほどじゃないが、結構な引越し人生だ。


小学校の時は引越し=永遠のお別れくらいに思ってわんわん泣いていたが、
大人になっていくにつれ、「また会いに行くね!」と、
いろんな場所にお友達を作る、旅の様な人生に変わっていった。

20歳で神戸に住んでいた時、
住んでいた埋立地の島が本当に暇で、毎日の様に海を見に行っていた。
スケボーに乗り、ゆっくりとプッシュして、飼っていたウサギのトリッキーを抱いて海へ。
海の先を見ながら、ただボーッとしたり、友達と電話してみたり。

その時よく聴いていた曲。
EGO-WRAPPIN’「かつて..。」
FUJIROCK’13、レッドマーキーでのEGO-WRAPPIN’のライブは衝撃的だった。
その年のお目当てだったBjorkより、EGO-WRAPPIN’に一番感動したのを覚えている。
とんでもなく唄が染みて、とにかく中納良恵さんがかっこよくてかっこよくて。。。
(Bjorkは何回かライブを観ていたのと、距離がすごかった。)

EGO-WRAPPIN’というノスタルジックな音楽との出会いは、
高校の時、当時の彼氏の部屋に貼っていた「色彩のブルース」のフライヤーだった。
そのアートワークからすでにノスタルジーが溢れていて、
私は、あれ何?と聞いた気がする。
のちにTVドラマ「私立探偵濱マイク」の主題歌になった
EGO-WRAPPIN’の「くちばしにチェリー」が大ヒット。
あ、あの時のバンドだ!と知る。

最近みたNHKドラマ、黒柳徹子さんの半生が描かれた「トットてれび」でも
中納良恵さんが笠置シヅ子役で、「買い物ブギー」を披露されていた。
これもまたかっこいい。。。
そして今改めて「トットてれび」を調べていたら、タイムリーにも「トットちゃん!」
がテレ朝お昼の帯ドラマで10月2日からはじまるとのこと!!!!!!
また黒柳徹子さんの魅力があふれるドラマなんだろうなぁと今から楽しみ。
テレビが出来たばかりで、ドラマも全部生放送(!)だった頃の時代を描いているドラマ。
まさにノスタルジックなこの時代がドラマでまた観れるとは!

黒柳徹子さんの親友である故・野際陽子さん役を、
娘の、真瀬樹里さんが演じられるとのこと。こちらもまたたのしみ。

ノスタルジックな記憶と現在。振り返ることで今をまたより深く味わえたり。

それではみなさん、すてきな秋の始まりを。

♯4 「ノスタルジックとEGO-WRAPPIN’」はミーティア(MEETIA)で公開された投稿です。

ミーティア

「Music meets City Culture.」を合言葉に、街(シティ)で起こるあんなことやこんなことを切り取るWEBマガジン。シティカルチャーの住人であるミーティア編集部が「そこに音楽があるならば」な目線でオリジナル記事を毎日発信中。さらに「音楽」をテーマに個性豊かな漫画家による作品も連載中。

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