取材:石田博嗣

バンドサウンドにしたことで自分という
ものを見つけられた

2年ぶりのアルバムが完成しましたが、制作に入る時に方向性とかは決めていたのですか?

バンドが終わってソロになった時から、自分の引き出しにないようなスタイルをやりたいと思ってやってきたんですけど、なんか歯車が噛み合ってなかったというか、いろいろ反省点もあって、今回はバンドサウンドに戻したんですよ。あと、今まであまりリズムに執着してなかったんで、リズムで遊びたいっていうのがテーマにありましたね。打ち込みに頼っていた自分がいたんで、そうじゃないものっていうか。

アルバム候補曲はいっぱいあったのですか?

いや、僕は作っている途中に限界が見えてしまうと捨てちゃうんですよ。だから、“この10曲でいいや”って思ったら、それ以上は作らないんです。

では、バリエーションを考えながら作っていく?

歌詞を見てもらえば分かるんですけど、“俺”って言ってたり、“僕”って言ってたりしてるんで、1曲1曲色を変えてるところはありますね。だから、その曲が成立すればいいという感じで、曲を作ってました。

ロックテイストの強い曲が多い中、1年ほど前にリリースしたダンサブルなシングル「CRAZY」が違う色を放っていて、アルバムのフックになってますよね。

今聴くと“この時は、これをやりたかったんだな”って懐かしく思えますね。でも、アルバムの中で決して浮いていないというのは、その時期からギターを前に出すようになってきたんですよ。だから、ほんとアルバムの中ではフックになってますね。

でも、バンドサウンドが形成されていても、ギターを弾きまくっているわけではないですよね。

そうかもしれないですね。今までそういうところを客観的に見たことはなかったんですけど、最近気付いたことがあるんですよ。今までは“サビ終わりにはギターソロを弾かなければいけない”と思っていたのに、今回はそうなってないんです。バンドサウンドにすると、逆にソロって減るんだなって。

そういう意味では、今回のアルバムを作ったことで、どんな発見がありましたか?

バンドサウンドにしたことで、自分というものを見つけられたかなって思いますね。今回、作っててすごく楽しかったし、自分はこっちだなって。ギターを録ってる時も、バンド人生の中で一番上手い時期を迎えているんじゃないかって思ってました(笑)。今後も、このアルバムの延長でやっていくんじゃないかと思いますね。やっぱり、誰もやっていないサウンドをファンに届けたいという思いはあるんですよ。だからこそ、自分でも聴いたことのないものを作りたいと思うんですけど、そういうテーマは削除しようかなって。そういうものじゃなくて、今はほんとに自分がやりたいと思うことをやっていけばいいと思うので、その結果、それが新しいものであったり、誰もやっていないようなものだったらいいかなって。

最後に、アルバムタイトルに込めた意味というのは?

今までは進化していきたいと思ってたんですよ、変化じゃなくて。もう進化でもないなって。これからの自分は膨らんでいくんだなって思ってたんで、“光の限界”というタイトルを付けたんです。宇宙ってビッグバンが起こって、毎秒どんどん膨らんでるじゃないですか。同じように自分も膨張していってて、宇宙の向こう…光の当たらない部分に行きたいなって。
Everlasting-K プロフィール

エバーラスティングケイ:2004年に解散したLaputaのギタリストであるKouichiが、05年より始動させたソロプロジェクト。08年3月に2年ぶりとなる待望の2ndアルバムをリリースする。Everlasting-K オフィシャルサイト

OKMusic編集部

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