【主催者インタビュー】YATSUI FEST
IVAL!・やついいちろう「これを観れ
ば“今”が見れる」

やついフェス

ミュージシャン、アイドル、お笑い芸人、文化人などジャンルレスな出演者が渋谷のライブハウスを賑わすエンタテインメントフェス「YATSUI FESTIVAL!」。2012年に5会場から始まったこのイベントは今や12会場に拡大し、270組以上の出演者が集まるビックイベントとなっています。

そこで、主催者であるやついいちろうさんにやついフェスへのこだわりやブッキング、今年の見所などについてお伺いしました。

始まりのきっかけは曽我部恵一

ーーー今や様々なフェスで活躍するやついさんですが、一番初めにDJをすることになったきっかけは何だったんですか?

やつい その時『splash!』っていう音楽とお笑いの雑誌があって、その編集長で今はお笑いナタリーの編集長である遠藤さんに「イベントをやるからDJやりませんか?」って誘われて、僕とサニーデイ・サービスの曽我部さんが出てやったのがきっかけですね。

やついいちろう

ーーーそこからDJ活動を始めて、フェスを開催することになったきっかけは?

やつい 曽我部さんが「やったら?」っていうから「じゃやるか」って感じで始めました。DJを最初にやったときも曽我部さんが観てくれて、「いい感じだから続けなよ」とか言ってくれたりして。だから大体、曽我部さんが言った通りにやってる感じです。

ーーー曽我部さんはキーマンですね。そこから1回目を開催するとなった時は、出演者の方はどう決めていったんですか?

やつい 曽我部さんがやってみたらって言ったんで、じゃあ曽我部さんに頼んだり、あとは当時から仲良かった人たちに連絡して声をかけました。

本当の意味での都市型フェス

やついフェス

ーーー様々なジャンルの方が出演していますが、お客さんが普段観ないようなジャンルも観てくれるように工夫されていることはありますか?

やつい 例えば音楽のライブが終わるとすぐにお笑いが始まるというように転換を設けてないんですよ。だからそのままそこにいれば観れちゃう。転換が長いとそこで移動しちゃうんですよね。どんどん交互にやるんで、ずっと観てれば観てられると思います。

ーーーやついさんはこれまで色んなフェスに出演してていますが、やっぱり普通の音楽フェスとは雰囲気が違うのは感じますか?

やつい ティーンがすごい多いっていう感じじゃないと思います。都市型なんで疲れたら家に帰れますからね。それに全部室内ですし、一番遠くても5分ぐらいで行けるんで基本的には移動が楽。そんなに体力要らないと思うんで大人でも楽しめると思いますよ。本当の意味での都市型フェスなんです。

ーーー渋谷という場所にはこだわりはあるんですか?

やつい 偶然ではあったんですけど、僕がお笑いを始めたのも渋谷だし、DJやったのも渋谷なんです。全部初めての場所ということで縁はあるかなと思います。

ーーーカルチャーの集まる渋谷という場所はやついフェスの一つのポイントではありますよね。

やつい あとは出るメンツがかなり独特だと思います。最近のアイドルから、お笑いの人から、今年で言えば例えばのりピー(酒井法子)とか。あとはミュージシャンで勢いのある人もいるし、これだけばらばらなものが並列で並んでるフェスって他にないので、これを観ればある程度今が見れる感じがするんです。

来年すごいことになる人たちが混ざっている

ーーー出演者のジャンルが多岐に渡っていますがブッキングってどうやって決めているんですか?

やつい 好きな人を出すっていうのがコンセプトだったんで、1回目はまさにそういう感じでやって、どんどん規模が大きくなってきたので、今は他からの推薦もあったりします。それを聴いたり観たりして、いいなと思った人たちを出すことにしています。

ーーー例えば今回出演する酒井法子さんはやついさんからのご指名だったんですか?

やつい そうですね、大スターですから。活動も再開されてたんでいいんじゃないかなと思って。出てくれるっていうことになったときはうれしかったです。
あと今回初出演のPUFFYさんとか、筋肉少女帯さんとかはもともと交流があった人たちですね。大槻さんは1人で出てくれてたりしてたんですけど、やっぱり筋肉少女帯で1回出てほしいなと思って。PUFFYは20周年のイベントに呼んでもらったことをきっかけに交流ができて今回出てくれることになりました。PUFFYもヒット曲しかないという感じだから、絶対面白いだろうなと思ってます。あの規模で観れるのは結構レアだと思いますよ。

酒井法子

ーーー若手のミュージシャンの方でこれから注目を集めそうな方たちもたくさん揃っていますが、その辺りはやついさんが常にアンテナを張ってるんですか?

やつい そういう面もありますけど、僕だけではやっぱり全部は聴くことはできないので、スタッフの方に聞いたりします。それこそ12会場のライブハウスの店長さんってやっぱ一番詳しかったりするので、そこから推薦があったり、聴いてみてくださいっていうのもあったりするんです。
そういう意味では本当に東京のライブハウスの今来そうだっていう人たちが一気に見れるんです。だから今これ見とけば、あのとき見たアーティストがその後ブレイクするのを目撃できると思いますよ。それこそindigo la End、レキシ、きゃりー、でんぱ組とか、かなり早くからやついフェスに出てくれてましたから。

ーーーやついフェスに出てるってことはブレイクが控えていると言っても過言ではないですね。

やつい なので取りあえず来て頂ければ楽しめますし、きっと来年凄いことになる人もたくさん出るので、興味がない人が見ても感動すると思いますよ。

ーーーどんどん出演者は増えていってますが、まだまだ増やしたいっていう思いはありますか?

やつい 出演者を多くしたいっていうよりは、やっぱり快適に見れて、そんなに興味のなかった人とかも見つけたり、ちょっと好きだったものとかを見たりっていうのがいいですね。
例えばお笑いってテレビで見るもんだと思ってる人ってすごい多いけど、ライブで見たほうが絶対面白いんです。ライブで初めてお笑い見たっていう方も、このフェスでよく聞く話なんですけど、「お笑いってライブで見るとやっぱ違うんですね」みたいな声とか聞くんですよ。僕は体験にしかお金を払いたくないんです。なのでお客さんにも知らない刺激を受けたりとか、いい体験をしてもらえればいいなと思ってます。

やついフェス

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