久保田利伸『Missing』が多くのアー
ティストに歌い継がれ、多くのリスナ
ーに愛され続ける理由
今回はそんな久保田利伸の代表曲でもある『Missing』をご紹介したい。同曲は1986年に発売されたファーストアルバム『SHAKE IT PARADISE』の収録曲として初めて世に放たれた。
ブラックミュージックを取り入れた彼の音楽は、1980年代の当時としてはかなり前衛的であった。久保田利伸は日本のR&Bの基盤を作った人物でもあるのだ。その唯一無二のグルーブ感の虜になる人も少なくなかったはず。
この曲が世の中に出てすでに30年になるが、久保田利伸はもちろん、平原綾香、中島美嘉など数々のアーティストに歌われ愛され続けてきたのだ。一体何故か。
「出会いがもっと早ければと」それはいっても仕方のないこと。そうわかっていながらも、心の中にその言葉が浮かんでくる。後悔してしまうのは、この曲が発売された30年前であろうと、現代であろうと同じことなのである。
この詞が時代や性別を超えた恋心というものを教えてくれているのだ。
また、涙を出すまいと我慢している様子をこの歌では「震える瞳」と表現している。
言葉に出さずとも、瞳で状況を把握させられる。それもお互いの胸の中、心中を察しあっているからだろう。
どうしようもない失恋のせつなさが、この詞からひしひしと伝わってくる。
決して難解な言葉が用いられているような歌詞ではない。それ故に多くのリスナーの心に響き、過去の恋愛をフラッシュバックさせる力があるのだ。
歌唱力だけではない、ソングライターとしての「久保田利伸」の凄さもあるのだ。
「こんなに切ないのは きっと初めてなのさ」と恋に恋しているのではなく、心の底から湧きでた本当の恋心を綴っている。染まりゆく空は夕日が差しこみ赤々としたものなのか、今にも雪を降らせそうな厚い雲が白々と全体を覆っているのか。
それはこの歌を聞いたものだけが想像できるのである。
一人ひとりに違う情景を浮かばせる卓越した表現なのである。
「永遠に語らう 夢をみた」ここで終わりが来ないことを願う恋心の特質を見事に表している。シンプルな詞の中にも、さまざまな意味が含まれているのだ。
「I LOVE YOU」実に真っ直ぐすぎる言葉だ。しかし、このサビを聴くと随分と大人になってしまった人も、「かけだしたくて逢いに行きたくなる」そんな甘酸っぱい青春時代を思い出すだろう。
『Missing』は、まっすぐに愛することしか知らない自分を認めてくれる曲であり、「好きな人には、好きと伝えよう」と改めて思い出させてくれる曲でもある。
どの時代、どの場所であろうと人間は誰かを愛する。
そんな人間の避けられない運命を真っ直ぐに思い起こさせてくれるからこそ、久保田利伸の『Missing』が廃れることはないのだ。
TEXT:笹谷創(http://sasaworks1990.hatenablog.com/)
ブラックミュージックを取り入れた彼の音楽は、1980年代の当時としてはかなり前衛的であった。久保田利伸は日本のR&Bの基盤を作った人物でもあるのだ。その唯一無二のグルーブ感の虜になる人も少なくなかったはず。
この曲が世の中に出てすでに30年になるが、久保田利伸はもちろん、平原綾香、中島美嘉など数々のアーティストに歌われ愛され続けてきたのだ。一体何故か。
「出会いがもっと早ければと」それはいっても仕方のないこと。そうわかっていながらも、心の中にその言葉が浮かんでくる。後悔してしまうのは、この曲が発売された30年前であろうと、現代であろうと同じことなのである。
この詞が時代や性別を超えた恋心というものを教えてくれているのだ。
また、涙を出すまいと我慢している様子をこの歌では「震える瞳」と表現している。
言葉に出さずとも、瞳で状況を把握させられる。それもお互いの胸の中、心中を察しあっているからだろう。
どうしようもない失恋のせつなさが、この詞からひしひしと伝わってくる。
決して難解な言葉が用いられているような歌詞ではない。それ故に多くのリスナーの心に響き、過去の恋愛をフラッシュバックさせる力があるのだ。
歌唱力だけではない、ソングライターとしての「久保田利伸」の凄さもあるのだ。
「こんなに切ないのは きっと初めてなのさ」と恋に恋しているのではなく、心の底から湧きでた本当の恋心を綴っている。染まりゆく空は夕日が差しこみ赤々としたものなのか、今にも雪を降らせそうな厚い雲が白々と全体を覆っているのか。
それはこの歌を聞いたものだけが想像できるのである。
一人ひとりに違う情景を浮かばせる卓越した表現なのである。
「永遠に語らう 夢をみた」ここで終わりが来ないことを願う恋心の特質を見事に表している。シンプルな詞の中にも、さまざまな意味が含まれているのだ。
「I LOVE YOU」実に真っ直ぐすぎる言葉だ。しかし、このサビを聴くと随分と大人になってしまった人も、「かけだしたくて逢いに行きたくなる」そんな甘酸っぱい青春時代を思い出すだろう。
『Missing』は、まっすぐに愛することしか知らない自分を認めてくれる曲であり、「好きな人には、好きと伝えよう」と改めて思い出させてくれる曲でもある。
どの時代、どの場所であろうと人間は誰かを愛する。
そんな人間の避けられない運命を真っ直ぐに思い起こさせてくれるからこそ、久保田利伸の『Missing』が廃れることはないのだ。
TEXT:笹谷創(http://sasaworks1990.hatenablog.com/)