Mix Speaker‘s,Inc.が新作『最後の
晩餐』を展開 2017年に迎える結成10
周年へ向けて絶賛ツアー中!!

昨年から、レストランを舞台にしたコンセプト【絶望レストラン】を展開している彼らが、装いを一新して魅せるのは更にその世界を深く掘り下げた演目【最後の晩餐】。新演目&アルバムの解説と共に、現在行っているツアーの手応えや10周年へ向けての思いを、NIKA・AYA・seekが語ってくれた。

Mix Speaker‘s,Inc. インタビュー

――【最後の晩餐】という新エピソードはどういった内容に?

AYA:レストランの奥には、更に深い台所があったということですよ(笑)。

seek:レストランシリーズの後編ととらえて頂ければなと思います。【絶望レストラン】が入口とするならば、その奥の深い所のキャラクターが出てきたということですね。

AYA:絶望レストラン名物の“悲しみのフルコース”をご用意しましたので、じっくり堪能して頂ければなと思います。

――装いがガラッと変わりましたね。今までのMixを考えると、すごくシンプルで驚きました。被り物がないっていうのが…(笑)。

AYA:そうですね、すごくシンプルというか…人になりましたね(笑)。たまにはガラッと変えてみようと思って、今回のデザインはkeiji君が全部考えたんですよ。seekとSさんが一番変化あるんじゃないですかね。Sさんは久々にデブスーツ(肉じゅばん的な物)を脱ぎましたから(笑)。

seek:食というテーマで前回から続いているんですが、シングルとミニアルバム『最後の晩餐』のリリースはもちろん、バンドとしては10周年というタイミングでもあるので、見せ方をガラッと変えてみようという話になったんです。これまでは装飾が多かったんですけど、逆にそういうのを取っ払った方がバンドとしてのふり幅が出るのかなと。これが、色味だけ変えていつものように装飾の多い衣装だったら、そんなに印象が変わらないんじゃないかなと思うんですよ。いつもはAYA君が衣装のベースを考えることが多いんですが、それをkeiji君が考えるという所でも新鮮さがありますね。僕に関しては、今までにないセクシー路線で編上げのパンツとか…恥ずかしさっていうのはないんですけど、ちょっと戸惑いはありますね(笑)。着ぐるみだと写真撮影の時にあまりポーズをとる必要がなかったし、細かい所に気を遣うことも少なかったんです。ヴィジュアルシーンで長く今までやってきたのに、そういうヴィジュアル系っぽい所(ポーズや見せ方)が全然勉強できてなかったなと…(笑)。普段いかに着ぐるみに頼っていたかっていうことですよ(笑)。あと、楽器がすごく持ちやすくて楽ですね(笑)。

AYA:いつも衣装が大きいし、衣装に合わせて楽器作ってるから、今回seekが普通サイズで楽器がすごく大きく見えるなと思いました(笑)。いつも黒はMIKI君の色でNIKA君が白やから、NIKA君の黒っていうのも珍しいんじゃないですかね。

NIKA:今回のトータルイメージが黒で、6人が黒というのは全体的にしまって見えるし、自分も新鮮な感じはしますね。

――さて、シングル『最後の晩餐』ですが、Mix Speaker’s,Inc.らしさはあるけど、これがシングル曲?…という不思議な第一印象でした。

AYA:そうですね。これまでのシングルって、疾走感があってガチャガチャしてて…っていうイメージが強くあったと思います。こういう感じにしようっていうのは全然決めてなくて、でも、いかにもシングルっぽい曲になるのかなと思っていたら、選曲会でコレに結構票が集まったんですよ。単純にエエ曲やったんやろうなぁと思うし、これまでのMixにはないタイプの曲だったので、今ならいいかも…って。レトロな感じがあるし、そこがseekの得意パターンかなと。

seek:得意パターンというか、選ばれるのはそういう感じの曲が多いですね。

AYA:seekの曲って、色で表現するならセピア色とか白黒のイメージっていうのかな。

――あぁ、すごく分かる!! seekさんの曲ってそういう色味の世界観多いですもんね。

AYA:僕にはできないですね、あの感じは(笑)。

seek:自分が作ってるので、意外かどうか客観的に見るのは難しいですけど、このレストランシリーズで『ドクロKITCHEN』という前作のシングルがあって、その後編に当たる次の作品は対比をつけたかったという意向が、ちょうどこの曲にハマったのかなと思います。【最後の晩餐】っていうコンセプトはある程度先に決まってたので、それに曲が乗せやすかったのかなと。

――この曲調と雰囲気に、NIKA君の声がすごく合うなって思いました。

AYA:そうなんですよ!!

NIKA:自分でも結構しっくりきましたね。僕がMixに加入してから録ってきた曲は全部、自分の引き出しをあちこち開けて歌い方をいろいろ変えてきてたんです。でもこの曲は、自分の引き出しをうまく使ってスッと録れたんですよ。歌のイメージがすぐに固まって、迷いなく歌えたんです。だから自分に合ってるんだろうなと思いました。

――珍しい曲調だけに、MIKI君とのハーモニーや歌い分けなどは試行錯誤しました?

NIKA:加入して約2年になりますが、2年一緒に歌ってきたからできたのかなっていう感じがありますね。曲の雰囲気はゆったりしたイメージもあるかと思うんですけど、2人の歌の振り分けが結構細かくて、メインを歌うのが忙しく入れ替わるんです。だけど、お互いの間というか歌のタイム感が、特に意識しなくても自然に掴めるようになってきてたので、切り替わりが忙しい割には変に焦らず気持ち良く歌えるんですよ。

seek:今のご時世、比較的ヴィジュアル系のサウンドって、いろんな音の積み重ねでパーッとたくさん鳴ってるっていうのが多いかなと思うんです。歌とかハーモニーに関しても、変な話1人のヴォーカルさんでも、同期のシステムでハーモニーを出せたりするじゃないですか。改めて原点にかえるというか、Mix Speaker‘s,Inc.はツインヴォーカルのバンドという所を前面に出して、この曲は2人の声だけでちゃんと成立するものを、ハーモニーや歌い分けの部分でしっかり出していきたかったんです。

――バックの音もシンプルで抑え気味で、歌を活かしてる作りですよね。

AYA:ギターも1本ずつしか入ってないですしね。

seek:ドラム以外はガチャガチャしてないと思います(笑)。

AYA:ドラムがガチャガチャしたから、他のみんなが引いちゃったみたいな(笑)。


――Sさんが大変な曲(笑)?

seek:僕がある程度デモの段階でアレンジしてる物が、もっと歌謡曲っぽくシンプルだったんです。ただ、Mixの元々持っている毒の部分はちゃんと残したいという話を選曲会でしていて、じゃあそのMixっぽさって何なんやろってなった時に、Sさんの癖のあるドラムもそのひとつじゃないかと…。今までは、その癖をちょっと抑えようというのがいつもの流れやったんですよ。ほっといたら詰め込んでくるんで(笑)。『最後の晩餐』はシンプルな楽曲だからこそ、逆にドラムを自由にアレンジしてもらってから周りの音を合わせていこうという作り方をしたんです。それがこの曲の毒になるのかなという思いもあって、Sさんには好き勝手してもらいました。リハとか見てると、Sさんだけ忙しそうですね(笑)。

NIKA:他の曲だったら、バックの演奏がなくてもドラムだけで歌えるんですけど、この曲に関しては特殊なことを結構やってるのでドラムだけじゃ歌えないです(笑)。

――その特殊さがライヴでもアクセントになりそうですね。

seek:NIKA君が加入してからというのもありますけど、去年の夏くらいから、ライヴの後半を激しい曲でそのまま終わるというパターンではなく、上げるだけ上げて最後をシュッと締めて終わらせるっていう演出が何回か続けたことがあったんです。それがMixの10年目にしての新しい武器になるのかなというのがひとつ見えてきた所でもあって、ちょうどそのタイミングでこの曲が出てきたので、そういう位置での使いやすさもあってこの曲がシングルに選ばれた要因かなとも思います。

――その自信作のシングル『最後の晩餐』と、対照的な『JUNKY BAD HEELS』を含めたミニアルバムは、新曲以外の4曲が全て過去の代表曲のリテイクという内容ですね。

seek:NIKA君が加入してから、過去の曲をNIKA君の声を活かしてアレンジし直すという作業は、このミニアルバムに限らずずっとやってきたことですけど、ちょうど10周年というタイミングもありツアーの本数も多くなるやろうなというのもあったので、ライヴに来て応援してくれている方の為にという思いで、会場(通販)限定という形でミニアルバムを作ろうということになったんです。リテイクの選曲は結構モメてましたね(笑)。

――代表曲は本当にたくさんあるからね~。

AYA:人によって、入れたい曲が全然違うんでね(笑)。

seek:単純に入れたい曲というのもありますけど、音源化はしてないけどライヴで既にやっている(NIKAが歌っている)曲を入れるべきなのか、まだライヴでやっていない曲を入れた方がいいのかっていう所で話し合いになりまして、本当に選曲は難しかったです。キーが変わってる曲もありますし、そうなるとアレンジも大きく変わってきますからね。

AYA:『MONSTIME』以外は全曲キーが変わってるので、アレンジは極力原曲に近づけてはいますけど、弾いてるものは昔とは全く別モノになってますね。自分の中に染みてる部分もあるので、それを取り払う作業から始まりました(笑)。

seek:夏のツアーぐらいからやっているので、その辺のスイッチはもう切り替わってきてますけど、夏のリハをやってる時はまだ新旧のアレンジがごっちゃになってる所はありましたね。体に染みついてるんで、違う曲として頭に入れておかないと…という感じでした。

――NIKA君が加入してから作った曲ではない、過去の曲を録るということに、自身としてはどんな思いがありましたか。

NIKA:う~ん…正直、複雑な思いではあるんですけど、昔と比べた所で、キーや声が絶対に違うモノなので、過去の曲とは別のモノとして聴いて楽しんでくれたら嬉しいなと思います。

――加入して2年、かなり違和感なくNIKA君の声の歌として馴染んでるなとライヴを観て思うのですが、ご自身でもそういう手応えは感じているのでは?

NIKA:だいぶ馴染んできたかなとは思いますけど、欲を言えばもっともっと馴染ませたいっていう感じですね。

――音源で聴くと、よりヴォーカルのハーモニーや2人の絡みがすごくいいなって感じるんですよね。

AYA:MIKI君が結構変わってるんですよ。昔は下の音をハモってたのが、それだと低過ぎるんで主メロを歌うようになったりという曲もあるので、実はMIKI君が一番大変だったりしますね。

seek:キーも違うし歌い分けとか一から作り直してるので、これまで歌ってなかった所を歌うことになて歌詞を改めて覚えたり…MIKI君からしたら全くの新曲という感じやないですかね。本人もそんなようなことを言ってましたよ(笑)。

AYA:Sさんもアレンジをガラッと変えてるから曲の印象が違いますね。MIKI君だけじゃなく、全員が新曲という感じやと思いますよ。

seek:昔のガチャガチャしたのをきちんと整理して…っていうのは、いちミュージシャンとしてスキルが上がった所はちゃんと体現しつつも、勢いの部分でよくある、あの頃は若かったから今は落ち着いたんでテンポを下げよう…とかっていうのはしないようにという考えでみんないたのでテンポ感は落ちていないですし、こういったリテイク、リアレンジの曲って、聴いて頂いてる方からすると、前の方が好きやったなという意見はもちろんあると思うんですけど、きっと楽しんでもらえる歌やアレンジになってるんじゃないかと思います。これまでも節目節目にやってきた『If』という曲や、この10年間Mix Speaker’s,Inc.で一番ライヴでやってきたであろう『MONSTIME』を、10周年にこういう形で残せたというのは良かったなと思っています。

――2017年2月でバンド結成10年を迎える訳ですが、どんな心境ですか?

seek:10年というのは、バンド結成した時からの目標ではあったんですけど、まぁ~いろいろありましたね(笑)。よう10年続いたなとも思いますし、最初からみんなの中に10年という目標がしっかりあったからここまでこられたのかなとも思います。長かったですけど、様々な局面で自分たちで責任を持って判断してきたバンドなので、活動していくうえで常に純度の高いものを毎回やってこられたんじゃないかと思っていますね。コンスタントに音源をリリースできて、ツアーをやって…という、ミュージシャンとしては当たり前のような活動ですけど、それを長く続けられるというのは簡単なことじゃないですから、すごく大切なことを一緒にやれてこられたんだなと改めて感じています。

――12月からこの音源を引っ提げてのツアーが始まっていますが、手応えはどうですか?

AYA:リテイクの曲も披露したのですが、NIKA君の声もうまくバンドとまとまってて、すごく良い空間が作れてます。お客さんの盛り上がりもすごいですし、ライヴを重ねたらもっと進化していきそうな気がしてますね。

NIKA:ライヴで披露できる曲が増えたことで、セットリストの幅が広がり、より楽しんでもらえているんじゃないかと思います。収録曲の中で未だに披露せずに温めている楽曲があるんですが、いつかどこかで聴けることを楽しみにしていて欲しいですね。


――年末年始はどんな過ごし方を?

AYA:年末はライヴ三昧です。毎年、年越しはイベントライヴに出してもらってるんで楽しく過ごしてますね。ずっと出てるんでライブのない年越しは考えられないです!

NIKA:年末はライヴにリリースイベントと、毎日バンド漬けで最高です! お正月はゆっくりできるので、家に引きこもってFF○○をプレイするつもりでいます(笑)。

――新年も引き続き、残りのツアー、そして10周年記念ライヴと楽しみがいっぱいですね。

seek:そうですね、12月から始まった約3ヶ月間のツアーがまだまだありますし、2月19日の10周年記念日ライヴには、是非とも足を運んで頂きたいなと思っています。また、昨年もツアーをやったんですけど、MIKI君が骨折したりNIKA君が肺炎になったりといろいろありまして(笑)、NIKA君はそれでもライヴはきっちりやれたんですけど、MIKI君が参加できていない公演が仙台と宇都宮とあったんです。今回のツアーの中に、仙台と宇都宮に2本だけ、その時にできなかった【Corpse Carnival】というホラーのコンセプトのライヴがリベンジで入っているので、やる側は大変ですけどそちらも楽しみにして頂きたいですね(笑)。

AYA:当時のライヴの流れをそのままやりますから(笑)。今のコンセプトの中で急にこの2公演だけ1年前に戻りますから、ある意味レアですし、今との対比がまた面白いんじゃないかとも思います。

――Mixさんがツアーに出ると、いつもいろいろなエピソードをお土産に帰ってきますけど、そんなことがあって今回のツアーに盛り込んでるんですね(笑)。しかし、肺炎でライヴをやりきったNIKA君はすごい!!

NIKA:宇都宮がセミファイナルで、そこからファイナルまでの間に体調を崩したんです。その間のインストアイベントはお休みさせて頂いたんですけど、ライヴは無事になんとかできました。ギリギリでしたけどね(笑)。

seek:Mixのツアーって、毎回ファイナルを迎えた時に「やったぞー!!」っていうよりか「無事に終わって良かったな」っていう思いなんですけど、その時は本当に終わって良かったなと思いましたね(笑)。ライヴ直前までできるかどうか分からないぐらいの状況でしたから。

――このツアーも何が起こるか分からないし(笑)、たくさんのエピソードを持って帰って来てもらいたいですね。

一同:何も起こってほしくないです(笑)!!

AYA:装飾の多い衣装だったら、過去にはパーツが壊れたとかいうのもありましたけど、今回はみんな新しいし軽装やし…(笑)。

seek:比較的動きやすい衣装なんで、そうなると暴れやすくなるんで、メンバー全員ケガには注意して頂かないと…ですね(笑)。自分が一番気をつけないと(笑)。

――最後に、読者の皆さんへPRをお願いします。

AYA:バンド10周年ということで、過去の曲もリテイクし、更に新曲も携えてツアーを回っています。いろいろ吸収して、もう一回り成長して2月19日の新宿BLAZE公演を迎えたいなと思っています。新宿BLAZEは、NIKA君が入って一発目にやった場所というのもあって、あえてこの場所を選びました。この記念日にたくさんの人に集まってもらいたいです。頑張ります!!

NIKA:作品をリリースして、それを引っ提げてツアーをやるといういつもの流れとしては、新しく僕らが生み出した音楽を純粋に楽しんでほしいです。それと同時に、バンドとしての大きな節目ではあるので、これまでのMix Speaker’s,Inc.の活動というものもトータルで噛みしめて、いろいろなことを感じてもらえたらなと思います。個人的なことを言えば、加入して2年ちょっとという所なんですが、Mix Speaker’s,Inc.の色を僕なりに今まで以上に濃く表現していきたいなと思っているので、そういう部分も含めてバンドのこれからの活躍と成長を楽しみにして頂けたら嬉しいです。

seek:今回、インタビューとしては初めて『UtaTen』さんに掲載させて頂くということで、初めましての方もたくさんいるかと思います。Mix Speaker’s,Inc.というヴィジュアル系のバンドでございまして、ツインヴォーカルという珍しいスタイルでやっているバンドなんですけども、見た目的な部分も含めてキャラの濃い6人のメンバーが集まって、ファンタジーの世界観を作っております(笑)。、非日常の空間を楽しめるエンターテインメントをバンドでやっていまして、音源も発売しましたし、これを機会に是非ライヴの方に足を運んで頂けたら嬉しいなと思っていますので、よろしくお願いします。

TEXT:袖山綾子

UtaTen

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