村上虹郎×小泉今日子『シブヤから遠
く離れて』が岩松了の作・演出で12/
9より12年ぶりに再演



主演の物語の鍵を握る青年<ナオヤ>には、この一年、舞台・ドラマ・映画でその異彩を放つ存在感が話題を呼んでいる村上虹郎が挑む。そして、蜷川と岩松に出演を熱望され初演で<マリー>を演じた小泉今日子が今回も続投。加えて、橋本じゅん、豊原功補、作・演出・出演の岩松了と多面的な岩松ワールドを体現するのに相応しい強力な布陣が顔を揃える。

(撮影:細野晋司)

<出演者コメント>

■村上虹郎(ナオヤ役)
稽古はじっくりやらせて頂いたのですが、意外とあっという間でした。後半こたえましたけど(笑) この作品は4幕あって、部分的な稽古よりも通して演じた方がしっくりきました。繰り返し稽古をする中でフラストレーションが溜まっていくんですね。それをどういう方向に放出していくか、むしろ溜めたままの方がセリフが生きていくのか迷っていました。どこまで意図した演出だったのかわからないですけどね(笑)。今の渋谷でシブヤの話をすることが出来る事に意味があると思います。この劇場に集まってこの瞬間を共有して欲しいです。楽しんでください。

■小泉今日子(マリー役)
12年前の初演と同じ役を演じさせていただきます。あの頃よりもどこかが深くなっている気もしますが、自分では自覚はありません(笑) 12年前と変わったのは渋谷という街かなと思います。当時のセンター街にはギャル風の若者が大勢いましたが、今は外国の方がすごく多くて。この作品を演じていると、今の渋谷もちゃんと感じられ、稽古をしていて楽しかったです。村上君とは幼少の頃以来会っていなくて、突然青年になった村上君と再会して一緒に舞台を作れる事が奇跡のようで、わくわくしました。厳しい稽古も耐え抜いて、主役として男らしさも出ていて、役者としてこれからが楽しみです。

■岩松了(作・演出・出演)
初演の時は作家としての関わりで、一観客として舞台を見ましたが、改めて読み直したら難しい戯曲だなと感じました(笑) 稽古で役者さんが動き出すといろいろ分かることが多く、楽しんで演出していました。この本を書くにあたって蜷川さんと打ち合わせをしたんですが、蜷川さんがチェルノブイリの写真集を出してきて「こういゆうのどうかな」とシュチュエーションの話をしたのを覚えています。ナオヤの配役は悩み続けていましたが、最後に村上虹郎という役者と会ってピンときて、小泉さんにも相談して、ぴったりじゃないかと即決しました。

(撮影:細野晋司)

<あらすじ>

このドラマは、この邸宅に思いを残す青年と、この建物さながら蝕まれてゆくわが身をもてあます女の、現前化しない愛の物語…。

渋谷南平台あたりの住宅地の一角に、ボストンバックをひとつ提げた青年ナオヤがどこからか姿を現す。やってきたのは、かつて遊んだ友達ケンイチの家だ。しかし、そこはすすきに覆われすっかり廃墟と化していた。人が住むには荒れすぎてしまっていたが、ふと目を凝らすとケンイチの姿が。黙ってここから引っ越してしまったのを気にしてナオヤを待っていたという。その日はケンイチの誕生日。そのことを失念していたナオヤは慌てて誕生日のプレゼントを買いに行く。

戻ってみると、ケンイチの姿はなく、代わりにウェルテルという名の小鳥を飼う女・マリーがいた。マリーはワケありの様子で、この屋敷に隠れているらしい。彼女が使っている部屋にナオヤはなつかしさを覚える。そこはかつてケンイチのお母さんの部屋で、壁にはあの頃と同じ鳥の絵が描かれていた。滅びに向かってゆっくりと変化しているこの屋敷の中でナオヤは過去をなつかしむ。ケンイチと渋谷の街を庭のように走り回った。この家にもよく遊びに来た。ケンイチのお母さんがとても優しかった。そして、ゼラニウムの華の赤さ…。

過去の記憶の洪水に襲われるナオヤにおかまいなしで、たくさんの人々が屋敷を訪れる。マリーを愛するアオヤギ、マリーがこの屋敷に来る前に住んでいたアパートの雇われ管理人フクダ、アオヤギの会社の同僚フナキ、アオヤギを田舎から心配して追ってきた父と妹トシミ。マリーの安息の地はこの屋敷の中だけだったのに、もはやそれすらも破られはじめていた。

彼らはここがケンイチの家だということを知らない。ケンイチはどこへ行ってしまったのか。混乱する意識の中で、ナオヤが封印していた哀しい真実が蘇ってくる 。

(撮影:細野晋司)

<配役>
村上虹郎 ナオヤ
小泉今日子 マリー
鈴木勝大 ケンイチ
南乃彩希 トシミ
駒木根隆介 黒い服B
小林竜樹 黒い服A
高橋映美子 フクダ
岩松了 黒い服C
たかお鷹 アオヤギの父
豊原功輔 フナキ
橋本じゅん アオヤギ

(撮影:細野晋司)

公演情報シアターコクーン・オンレパートリー2016『シブヤから遠く離れて』
■日程:2016年12月9日(金)~12月25日(日)
■会場:Bunkamuraシアターコクーン
■作・演出:岩松了
■出演:
村上虹郎、小泉今日子、鈴木勝大、南乃彩希、駒木根隆介、小林竜樹、高橋映美子、たかお鷹、岩松了、豊原功補、橋本じゅん
■公式サイト:http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/16_shibuya/

アーティスト

タグ

    SPICE

    SPICE(スパイス)は、音楽、クラシック、舞台、アニメ・ゲーム、イベント・レジャー、映画、アートのニュースやレポート、インタビューやコラム、動画などHOTなコンテンツをお届けするエンターテイメント特化型情報メディアです。

    連載コラム

    • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
    • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
    • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
    • MUSIC SUPPORTERS
    • Key Person
    • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
    • Editor's Talk Session

    ギャラリー

    • 〝美根〟 / 「映画の指輪のつくり方」
    • SUIREN / 『Sui彩の景色』
    • ももすももす / 『きゅうりか、猫か。』
    • Star T Rat RIKI / 「なんでもムキムキ化計画」
    • SUPER★DRAGON / 「Cooking★RAKU」
    • ゆいにしお / 「ゆいにしおのmid-20s的生活」

    新着