クラプトン&ウィンウッドが19日横浜アリーナで公演を開催(写真は17日札幌公演より) Listen Japan

クラプトン&ウィンウッドが19日横浜アリーナで公演を開催(写真は17日札幌公演より) Listen Japan

クラプトン&ウィンウッド、横浜アリ
ーナ公演レポート〜来日中にさらなる
進化を遂げるレジェンド2人の共演

17日の札幌公演よりスタートしたエリック・クラプトン&スティーヴ・ウィンウッドが、11月19日横浜アリーナで公演を開催し、各々のキャリアを通じた名曲の数々を披露した。
短命に終わったスーパー・グループ、ブラインド・フェイスのメンバーだった2人が再会しライヴを行ったのはクロスロード・ギター・フェスでの2007年のこと。翌年ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで開催された公演の模様は音源や映像作品として届けられたが、今回4年越しでファン念願のジャパン・ツアーが実現した。

オープニングはこれまでのライヴ同様「Had to Cry Today」(泣きたい気持)でスタート。ブラインド・フェイスのアルバム『スーパー・ジャイアンツ』の冒頭を飾るこの曲の再現は2人の共演ライヴを象徴する楽曲ということもあり会場がどよめく。
J.J.ケイルの2曲の代表的カヴァーを挟み、ウィンウッドのヴォーカルによるブラインド・フェイス屈指の名曲「Presence of the Lord」を早々と演奏。トラフィックのジャズ要素が前面に出たインスト曲「Glad」ではクリス・ステイントンの電子ピアノ、ウィンウッドのうねるようなオルガン、普段より饒舌に感じられたクラプトンのギターが三様に激しいインプロヴィゼーションを繰り広げる。
クラプトン+ウィンウッドというコラボから“ブラインド・フェイスの再演”を想像するのは容易なことだが、もう一つ、長い時を経て深みを増した2人のブルースやソウル・ミュージックの解釈も一つの聴き所。
いずれも従来のクラプトンバンドとはまた違うこの編成ならではといえるメンバー間の掛け合い、練り込まれたソロパートなど密度の濃い演奏ばかりで、マディ・ウォーターズの「Hoochie Coochie Man」、クラプトンが演奏し続けているビック・ビル・ブルーンジー「Key to the Highway」や「Crossroads」と言った古典の数々、アコースティック・セットでお馴染みの「Driftin'」や「That's No Way to Get Along」とクラプトンゆかりのブルースナンバーがズラリと並ぶ。一方、ソウルフルな歌唱の魅力と揺らめくようなオルガンサウンドが、ウィンウッドというミュージシャンを体現する代表的カヴァー「Georgia on My Mind」もこの日のハイライトだ。

後半には日本向けのセットリストに加えられることの多い「Wonderful Tonight」、スペンサー・デイヴィス・グループの代表曲「Gimme Some Lovin'」、クラプトンには珍しく歪んだギター・サウンド全開で弾きまくったジミ・ヘンドリックスの「Voodoo Chile」などを演奏し2時間を超えるショウを終えた。

バックの名手たち=ウィリー・ウィークス(B)、クリス・ステイントン(Key)、スティーヴ・ガッド(ds)3人の安定した鉄壁の演奏に支えられ、クラプトンとウィンウッド共に没頭するようにプレイに向き合う姿は実に感動的だった。不定期ながら4年間継続してきたこの2人のコラボレーションだが、日本へ来て現在進行形でさらなる進化を遂げている。今後の大阪公演(11/21、22)福岡公演(11/24)広島公演(11/26)金沢公演(11/28)名古屋公演(11/30)東京公演(12/2、3、6、7、10)での演奏にも多いに期待したいところだ。
<11月19日(土) 横浜・横浜アリーナ・セットリスト>
01. Had to Cry Today (Blind Faith)
02. Low Down (J.J. Cale)
03. After Midnight (J.J. Cale)
04. Presence of the Lord (Blind Faith)
05. Glad (Traffic)
06. Well All Right (Buddy Holly)
07. Hoochie Coochie Man (Muddy Waters)
08. While You See a Chance (Steve Winwood)
09. Key to the Highway (Big Bill Broonzy)
10. Pearly Queen (Traffic)
11. Crossroads (Robert Johnson)
12. Georgia on My Mind (Hoagy Carmichael)

- Acoustic set -
13. Driftin' (Johnny Moore's Three Blazers)
14. That's No Way to Get Along (Robert Wilkins)
15. Wonderful Tonight (Eric Clapton)
16. Can't Find My Way Home (Blind Faith)

17. Gimme Some Lovin' (The Spencer Davis Group)
18. Voodoo Chile (Jimi Hendrix)
19. Cocaine (J.J. Cale)

encore
20. Dear Mr.Fantasy (Traffic)
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