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椎名林檎が考える、「若さ」と「夏」に共通するものとは ― 『長く短い祭』

2015年夏のコカ・コーラのCM曲です。「コーラのCMで流れていた曲」としてメロディを聴いたことがある人は多いと思います。この曲は「ひと夏のコーラのCM曲」だからこそハマっていたとも言える曲。刹那的な感情を歌っているからです。
夏らしい歌詞。そして人生の若さあふれる時期そのものを夏に例えています。
「天上天下繋ぐ花火哉 万代と刹那の出会ひ 忘るまじ我らの夏を」
歌いだしはこのフレーズ。天の上から下まで繋ぐ花火。花火の大きさを想像させるフレーズ。同時に花火の儚さを刹那と表現しています。「出会ひ」「忘るまじ」と旧仮名遣いを用いているところも特徴。人生のあっけなさを歌う歌詞。「忘るまじ」は決して忘れるまいの意味。
コーラスを歌っている男性は東京事変のギタリストだった浮雲。この男性ボーカルの存在があることで、この曲が男女の出会いの曲であることが分かります。
そして「我らは夏よ」という歌詞があるとおり、夏という季節が自分たちそのものである。自分たちにはまだ若さがある、という歌詞。そしてその若さというのはあっという間の出来事。
「人生なんて飽っ気ないね まして若さはあっちう間 今宵全員が魁、一枚目よ」
人生のあっけなさを歌う歌詞。夏の季節があっけないように若い時期もあっという間に過ぎる。「魁」は先駆ける人、最初に行動を起こす人。一枚目とは、江戸時代の芝居の看板にくる一枚目の俳優=主役を指します。若さは刹那的だから皆行動をおこすと歌っています。
「永遠なんて素気ないね ほんの仮初めがいいね 愈々宴も酣、本番です」
こちらも同じようなフレーズ。永遠よりも仮初め、刹那を選ぶ歌詞の主人公。
「丁度大輪の枝垂れ柳 蘇るひと世の走馬灯 逃すまじ逃すまじ逃すまじ我らの夏を」
大輪という単語で花火をかけています。大きな花火の下に枝垂れ柳がそびえたつ光景が想像できる歌詞。ここで「ひと世の走馬灯」という言葉が出てきます。走馬灯は人生の最後に見ると言われている過去の記憶。この歌詞に合わせるようにMVのストーリーも過去の回想が入ります。MVは女性が自分を解放して踊っている内容。しかし、後半になってそれが男性を殺害した直後の出来事であったことが分かります。ラストは警察らしきランプに照らされるMVの女性。まさに刹那的な出来事が描かれているわけです。
夏という季節は短く刹那的である。そして「獰猛な命」を燃やす時でもある。歌詞とMVでその危うさや美しさを表現しているんですね。ホーンを使ったきらびやかなアレンジ。声を加工して無機質でかつ近未来的な雰囲気も入れる。そして、「日本」の要素を入れる。近年の椎名林檎の良さがつまった一曲です。
TEXT:改訂木魚(じゃぶけん東京本部)

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