【上坂すみれ インタビュー】
いろんな思い出と一緒に
駆け抜けられるセットリストにできた
上坂すみれ
3月18日と19日に東京・立川ステージガーデンにて開催した単独公演『SUMIRE UESAKA LIVE 2023 TALES OF SUMIPE 運命の書/同人の書』から、19日に開催された『同人の書』が映像商品化。最新アルバム『ANTHOLOGY & DESTINY』収録曲を中心に新旧織り交ぜたセットリストは、まさしく10周年イヤーを飾るに相応しい内容だ。約4年振りの声出し解禁についても含め、本作の魅力を語ってもらった。
約4年振りの声出しライヴ、
緊張よりも嬉しさが勝った
今回のライヴのタイトル“SUMIRE UESAKA LIVE 2023 TALES OF SUMIPE 運命の書/同人の書”について、改めて解説をお願いします。
このタイトルは昨年10月にリリースした『ANTHOLOGY & DESTINY』というアルバムがモチーフで、1日目の『運命の書』はアルバムの新曲が多めのセットリスト、2日目の『同人の書』は新旧いろいろな思い出のある曲たちということで、最初はそういうかたちでほぼ完成していて。コールを前提としないセットリストを組んでいたのですが、開催直前に声出しの解禁が決まり、全体的にコールで楽しめるセットリストに変更しました。特に「ウエサカダイナミック」や「EASY LOVE」はコールがつくのはこれが初めてですし、「♡をつければかわいかろう」や「よっぱらっぴ☆」はライヴの定番曲ですが、久しぶりにコールができるということで、全体で5〜6曲変更しました。
オープニングがプロレスの実況風だったのも上坂さんらしく印象的でした。
オーバーチュアの「趣味者のテーマ 〜 underground heaven!!」は、かなりプロレス寄りにしていただきました。この曲は単品で聴くとメロディーがあるというよりは出囃子系の曲なので、とてもプロレスの口上が合うと前々から思っていて。今回は声出しができることになったので、みんなが声出しをしやすい環境を作ってあげられたらと思ったんです。最初から声を出していたら、みんなも入りやすいのではないかと。それでアナウンサーの清野茂樹さんにプロレスさながらの口上をしゃべってもらいました。口上の内容も1日目と2日目で違っていて、原稿は清野さんがオリジナルで考えてくださったものです。私はこの「趣味者のテーマ ~ underground heaven!!」の間、セットの後ろにスタンバイしているのですが、清野さんの口上とバンドの音楽によって、同志(ファンの呼称)のボルテージがすごく上がっているのも感じられました。
リングに上がるレスラーの気持ちでスタンバっていたと。
はい(笑)。いざステージに出た時は、マスク着用という制限はあったものの、それでも約4年振りの声出しライヴを楽しみにしてくれていることが伝わったので、私自身も緊張感よりは、すごく嬉しい気持ちでステージに立つことができました。
12曲目の「Car♡Wash♡Girl」は、すごく一体感が生まれる演出でした。
サビでみんなと振り付けを踊るという。コロナ禍でのライヴでは、「夜勤の戦士のテーマ」という曲で声が出せない代わりに振り付けをやっていたのですが、みんなすごくノリノリで好評だったので、もう1曲くらいみんなと振り付けで楽しめる曲があったらと思って、踊れる曲にしていただきました。曲調もすごくお洒落でとてもバンドサウンド映えする、カッコ良くもあり可愛さもある曲なので、アルバム曲ではあるけれど、これからもいろんなところで歌って、みんなと育てていけたらいいなと思っています。
上坂さん的に記憶に残った瞬間は?
終盤の17曲目「来たれ!暁の同志」は懐かしい曲ではあるのですが、みんなで《生産!》《団結!》《反抑圧!》のコールができたのは嬉しかったですね。やっぱり声出しにぴったりの曲だなって。それに20曲目の「EASY LOVE」はいろいろな番組やイベントで歌ってきてはいましたけど、今回みんなでコールが初めてできたのは感慨深かったです。
その「来たれ!暁の同志」を含め、久しぶりに歌った曲も多かったですね。
7曲目の「サイケデリック純情」も懐かしい曲でした。これも振り付けがあったのですが、披露したことがそんなになくて。でも、同志の間では人気の曲だし、私も好きな曲のひとつなので、ここで披露できて良かったと思います。
9曲目の「海風のモノローグ」で客席のペンライトが一面青になったシーンも印象的でした。
あそこは映像明けで、板付きではなくイントロの途中で入ってくるという、ちょっと80'sの歌番組風の演出でした。ステージに上がると、みんなブルーのライトをつけてくださっていて、ライヴの印象もがらりと変わって。コールがない曲ですけど、林 哲司先生ならではの存在感のある曲で、このライヴでも印象に残る場面になったと思います。
幕間映像「テイルズ オブ モフティニー&モフティニー2」には声優の福山 潤さんが声で出演されました。あの笑い声だけで、一発で福山さんだと分かりますね。
プロットを作っている時は、どなたにお願いをしたらいいかなかなか思いつかなかったのですが、福山さんが引き受けてくださったことでとても素敵な映像になりました。福山さんはすごくたくさんアドリブを入れてくださっていて。幕間の映像ってシリアスなものもあると思いますけど、この時間はみんなにリラックスしてほしくて作っているので、お水を飲んだりちょっとひと息ついたりしながら、のんびり観てほしいと思っています。すごく可愛い動物たちと福山さんのお声で、みんなも和やかな気持ちになってくれたと思います。
福山さんとのやりとりのあと、上坂さんはフェレットなど動物と戯れていましたね。
フェレットさんとかフェネックさんとか、小動物と触れ合える原宿のカフェにお邪魔して撮影したんです。みんなすごく可愛くて、特にフェレットさんは初めて触ったし、小動物好き界隈でもそんなに飼っている人がいないのもあって、とても神秘的な生き物だと思っていたのですが、すごく親しみやすかったし、動きも犬や猫とは全然違ってすごく軽くて、小さい頃にハムスターを飼っていた時のことを思い出しました。
アーティスト
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