藍坊主がデビュー作にして
如何なく“自分らしさ”を掲げた、
瑞々しさあふれるアルバム
『ヒロシゲブルー』
小田原出身の幼馴染で結成
地元のイベンターさんだったか、当時の彼らのマネージャーさんだったか、これも忘れたけれど、“小田原出身、幼馴染同士の活きのいいバンド”みたいな誘い文句があってライヴハウスに足を運んだんだと思う。正直言って、その演奏を見て雷に打たれたような衝撃を受けた…みたいなことはなかったが(ごめん)、歌のメロディーがしっかりとしたいバンドで、ヴォーカルも上手いと思ったことはちゃんと覚えている。とりわけ、『ヒロシゲブルー』にも収録されているM10「空」の印象が強く、ライヴが終わったあとで、そのイベンターさんだったかマネージャーさんだったかにその辺を伝えた記憶もある。たぶん“ひと口に青春パンクと言ってもいろいろあるんだな”とか思ってたんだろう。勝手にひと括りにしておきながら勝手に結論付けるとか酷い話ではある。
その後、メジャー3rd『ハナミドリ』、4th『フォレストーン』でメンバーにインタビューさせてもらう機会が訪れて、変なカテゴライズをすることはまったくなくなったわけだが、メロディーのいいバンドというイメージは新しい音源を聴いても薄れることはなかった。藍坊主にはhozzy(Vo&Gu)と藤森真一(Ba)というメインコンポーザーがふたりいる。両者ともに優れたメロディーメーカーである。両名が切磋琢磨しているという見方もできるかもしれない。たぶん、そうだろう。強いて言えば──『ヒロシゲブルー』を題材にして敢えてその特徴を述べさせてもらえば、hozzyはフォーキーであり、藤森はポップス寄りということができるだろうか。これはhozzyがヴォーカリストであって自分自身が歌うことが大前提であり、藤森の場合は自分が歌わないというところでの差異があるのかもしれないと少し思ったが、まぁ、それは個人的な感想で、実際のところはよく分からない。ただ、藤森が関ジャニ∞や水樹奈々などにも楽曲提供していることから、あながち的外れでもないかもしれない。
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