【ENVii GABRIELLA インタビュー】
喜怒哀楽の全部に当てはまる曲が
きれいに並んでいる
L→R HIDEKiSM、Takassy、Kamus
音楽をメインにバラエティーやショー、ファッション、アートなど多岐にわたって活動を行なっている総合エンターテインメントユニット・ENVii GABRIELLA。“オネエ”であることを武器にしながら、音楽活動では高い歌唱力と華やかなダンスパフォーマンスでファンを増やし続けている。そんな彼らがメジャーフィールドで放つ1stミニアルバム『Metaphysica』とは?
いろいろな角度から
私たちを楽しんでほしい
ENVii GABRIELLAはソロアーティストと作家活動をされていたTakassyさんが同じくソロアーティストとして活動していたHIDEKiSMさん、そしてダンサーをしていたKamusさんに声をかけて結成されたそうですね。Takassyさんはおふたりのどんなところに魅力を感じたのでしょうか?
Takassy
HIDEKiSMは当時からバラエティー番組などに出ていて、ゲイのアーティストであることをオープンにしていたのが強みだと思ったんです。さらにショーが好きな子だったので、そういうところでも通じ合うものがあり、一緒にできるんじゃないかと考えて誘いました。Kamusに関しては、実は声をかける前に一回しか会ったことがなくて。なので、完全にインスピレーションと顔! 絶対にビジュアル勝ちすると確信して。で、スカウトしに行った時、“やらない?”と誘ったら“やる!”みたいな感じでノリがすごく良かったから、人柄的にも一緒にできるだろうなと思ったんです。
Kamus
基本的に楽しいことには首を突っ込んでなんぼの人生だと思っていて。当時、お仕事の依頼のひとつみたいな感覚ではあったんですけれど、声をかけてくれたことが嬉しかったので、素直に“やります!”と言いました。
HIDEKiSM
私はソロで活動している時にTakassyに曲を作ってもらっていて、彼の作る曲のファンだったんです。とにかく“彼の楽曲をもっと世に出したい!”みたいな想いがすごくあったんです。彼自身も自分が表に出る役なのか、作家としての活動なのかという、どっちつかずな状態の時期もあって。私は彼の曲をもっともっと世の人に聴いてもらいたくて、今回のプロジェクトでその役割を果たせるならと、お話を受けたんです。
ちなみに、みなさんの役割分担はどのようになっているのでしょうか?
Takassy
私が曲、HIDEKiSMが制作物、Kamusが振り付けを担当しています。あと、私たちはYouTubeとかもやったりしていて外部とのやり取りもあるので、そういったことの橋渡しや企画はHIDEKiSMが全部やってくれています。
それぞれの性格についてひと言で表すとしたら?
HIDEKiSM
三人組だとパッション、クール、キュートに分かれていると、バランスがいいと言われているみたいなんですよ。それでファンの方からはパッションが私、クールがTakassy、キュートがKamusと見られていることが多いのですが、内側だとパッションがTakassy、クールがKamus、キュートがHIDEKiSMだと私は思います。もちろん音楽に関して、ステージングに関して、振り付けに関しては…と状況によって入れ替わったりはするんですけれど。
Takassy
そうね。火(Takassy)、水(HIDEKiSM)、風(Kamus)みたいな感じですね。
そして、『Metaphysica』がリリースされましたが、このタイトルにはどんな意味が込められているのでしょうか?
Takassy
いろいろ候補はあったんですけれど、HIDEKiSMから“普通では使わないワードで。むしろ読めなくてもいいくらいの造語がいいんじゃない?”と提案があって、考えていた時に“Metaphysica”というワードがたまたま引っかかって。語源は“Metaphysical”という、物事を外からとらえる学問の名前なんですね。“physical”は物理的なものだったりするんですけど、“Metaphysical”はその逆で、見えないものを研究する学問…“神がいるのか? いないのか?”とか、“宇宙って何だろう?”といったことを研究するものなんです。で、“ENVii GABRIELLAって何だろう?”と考えた時、見方によってわれわれはまったく違うように映る…例えばYouTubeから入ると、おちゃらけている3人のオネエのユーチューバーに見えるし、楽曲から入るとアーティストとして見る方もいらっしゃる。楽曲の中でも明るい曲から知った人にとってはすごくハッピーなオネエのユニットだろうし、クールな感じの曲から聴いたら音楽的にクールなユニットだと見えるし。だから、いろいろな角度からENVii GABRIELLAを楽しんでほしいという願いが込められています。
なるほど。その多面性は1曲目「Finally Found You」から発揮されていますよね。ENVii GABRIELLAのイメージから華やかな曲から始まると思っていたら、しっとりとしたナンバーだったので意外な感じがしました。
Takassy
“全部、裏切っていきたい”というのが、我々の裏テーマみたいなもので。“次はこうだろうな”ということを絶対にやりたくないと思っているんです(笑)。レコード会社のスタッフの方や事務所の方と打ち合わせをした時も、アルバムリード曲の「ハッピーハッピーウェイウェイドンチー」か1stシングルの「Moratorium」を1曲目にするかとか、曲のジャンルで並べていったほうがいいといった案が出たのですが、絶対に「Finally Found You」を1曲目としたかったんです。
HIDEKiSM
“Finally”という言葉自体、ラストな感じがあるじゃないですか。でも、Takassyが言っていたのですが、“Finally”には“ついに”とか“やっと”とかの意味もあるので。今回1stミニアルバムを“ついに、やっと出せる!”みたいな感じの部分も含めると、間違いなく1曲目にすべき曲だと感じました。
Takassy
あとは、この全8曲の中で我々の深層心理というか、一番奥底に近いテーマだったりするので。まずは初めに「Finally Found You」を聴いていただいてから2曲目の「CABARET」でガッ!といきたいという想いがありました。
HIDEKiSM
私は最初に「Finally Found You」のデモで聴いた時、メンバー、そしてスタッフやファンのみなさんのことを考えました。“こういうセクシャルであってもみんなと出会えた”という想いで聴いていたんですよ。でも、Takassyがふとした瞬間に“あれ、ラブソングだからね”と言って。
えっ! そうだったんですか?
Takassy
あら、驚きました? そうなの。
HIDEKiSM
驚くでしょ? “ウェディングソングとかでも歌いたいくらい”と言っていたんですよ。でも、その話を聞いてから改めて何度も曲を聴いたら、どんなセクシャリティでも“この人に出会えた”という想いはそれぞれにあると感じて。いろいろな解釈ができる楽曲なんですよね。だから、みなさんに当てはまると思うし、ラストに持ってくるのではなくて、一発目からドン!ときて、そのいい意味での裏切りも感じていただけたら嬉しいです。
Kamus
私は今まで出会ってきた人とのつながりをすごく大切にしたいと思って生きていて、ふとした時に、“あの人がいたから、私は今ここにいるんだ”とか、“あの人に助けられているな”と考えていたんですけれど、最近は忙しくてそういったことを振り返る余裕もなくて。でも、「Finally Found You」のレコーディングの時にお話を聞かせてもらって、それをふと思い出して。“久しぶりにあの人に連絡してみようかな?”とつながりを確認したくなったというか。自分が大切にしてた出会いのひとつひとつを思い出させてくれる曲だと感じました。
Takassy
当時は本当にある人に出会えたことへの想いで作ったので、自分の中では恋愛ソングなんです。でも、HIDEKiSMやKamusはまったく違う解釈をして、それでも大事に思ってくれている曲なので、それが正解なのかなと。私が恋愛の曲だと思って作ったとしても、“絶対に恋愛の曲として聴いてください”というわけではないので。ふたりが自分の中で消化してくれて、自分のものとして体に入れてくれたのはとても嬉しいです。
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欲張りに全部やりたいという気持ちでいっぱいアーティスト
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