Re:nameが見据えるビジョンとは。音
楽性の幅を広げた『postmodern indi
e』から紐解く

One Directionや5 Seconds Of Summerなど、海の向こうの音楽を屈託なく聴いていた高木一成(B/Vo)が、中学の同級生のSoma(Gt)と高校の同級生だったヤマケン(Dr)を誘いバンドを結成。2016年に大阪北摂にて生まれたスリーピースバンドがRe:nameである。昨年の11月にリリースされた初の全国流通盤が、『postmodern indie』である。2019年にリリースされた1st アルバム『We Won’t Know』が高木一成のルーツが色濃く反映された1枚だとしたら、新作の『postmodern indie』は今の彼らの趣向が詰め込まれた作品だと言えるだろう。音楽性の幅はグッと広がり、UKロックやパワーポップ、ガレージロックやポップパンク、さらには洒脱なポップソングやカントリーなど、伸び伸びとしたソングライティングとアレンジに成功した充実作だ。確かな手応えを感じているメンバー3人にZOOMを通し接触。見据えているバンドのビジョンについて語ってもらった。
ー海外の音楽に惹かれたのは何故だと思いますか。
高木一成(B/Vo):
メロディがキャッチーですし、歌詞の意味がわからないのに音だけで“良い”って思えることに感動しました。それをきっかけに英語を凄く勉強するようになって、高校や大学も国際系の学部に行ったので、音楽はもちろん、歌っている人やバンドの像に憧れました。
ーなるほど。
高木一成(B/Vo):
それからオーストラリアの5 Seconds Of Summerっていうバンドを見た時に、楽器を持ってプレイするバンドがカッコいいなって思って。そこからはずっと彼らのファンなので、一番聴いたのは5 Seconds Of Summerですね。
ー2019年にリリースされた『We Don’t Know』は、確かにポップパンクからの影響がありますね。
高木一成(B/Vo):
初期の5 Seconds Of Summerの影響は結構受けてますね。それからだんだんと自分の中でも好きな音楽が変化してきていて、最近はポップ寄りの音になってきていると思います。
ーSomaさんとヤマケンさんが10代の頃によく聴いていた音楽はなんですか。
Soma(Gt):
音楽の入りはGReeeeNで、小学校、中学校くらいまではずっとGReeeeNを聴いていました。ただ、中学の時に一成と出会って、彼が洋楽ガチ勢だったのでめっちゃ洋楽を勧められるようになって(笑)。その頃流行っていたJustin Bieberを聴いたりするうちに、YouTubeのおすすめに出てくる海外のバンドを聴くようになっていきました。
ーなるほど。
Soma(Gt):
ただ、今一番好きなのはtofubeatsですね。今まで聴いてこなかったジャンルでもあるので、新鮮な感じでハマっていて。他にも最近はバンドよりもHIP HOPを聴くことが多くなりました。
ヤマケン(Dr):
僕は初めて買ったCDがMr.Childrenで、親の影響でサザンオールスターズSMAPを聴いてきたので、日本の王道ポップスをずっと通ってきています。中学三年生の時に観た『モテキ』って映画をきっかけに、ちょっとサブカルチックというか、インディーズの音楽にもハマり出したんですけど、基本的にはミスチル、back numberSEKAI NO OWARI、SMAPのような王道ポップを聴いていました。
ーでは、ルーツとは別に、2020年によく聴いていたアルバムも教えてください。
高木一成(B/Vo):
ここ2、3年ぐらい、自分の中でイギリスのThe 1975が凄くきてて、彼らのアルバム(『Notes on a Conditional Form』)をよく聴いていました。楽曲の幅広さが凄くて尊敬しています。去年のSUMMER SONICで来日した時、Somaと一緒に見に行ったんですけど、めちゃくちゃカッコ良かったですね。遠い存在ではあるけど目標にしていますし、ファンとしても追いかけています。彼らは他と違うことをしているところがカッコよくて、そういうところは僕らのバンドにも落とし込めたらいいなって思います。
Soma(Gt):
僕は2020年によく聴いていたのは、Machine Gun Kellyのアルバム(『Tickets To My Downfall』)ですね。ラッパーや俳優としても活動するなど、幅広く活躍してる人ですけど、ロックが終わりつつあるって言われる中で、彼は「俺がロックを救う」みたいなことを言っていて。ビジュアルも強いし、そういうところに惹かれています。
ーなるほど。
ヤマケン(Dr):
僕は2020年に出たアルバムではないんですけど、キリンジの『スウィートソウル ep』をダントツに聴いてました。コロナ禍で家から出れなくなったので、とにかく家での時間を楽しみたいと思って。おうちでサウナをやったり、ハンモックを注文してベランダにかけたりしたんですけど、その時に永遠に『スウィートソウル ep』をかけていて(笑)。夜のコンビニのジャケットも大好きで、完全に浸れる音楽というか、好きすぎてネットでレコードも買いました。
ー元々そういうのが好きだったんですか?
ヤマケン(Dr):
年々好みの音が変わっていってる印象がありますね。2、3年前まではポップスやギターロックを聴いていたんですけど、去年は星野源さんやキリンジ、あとはLUCKY TAPESとかThe1975を聴いていました。自分の耳がブラックミュージックやジャズっぽい音に寄って行った感覚があります。
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