【ラブリーサマーちゃん
インタビュー】
曲を作ることは私にとって自浄作用

ラブリーサマーちゃん

ラブリーサマーちゃんが4年振りにフルアルバム『THE THIRD SUMMER OF LOVE』を発表した。自身のルーツミュージックとも言えるUKロックを前面に打ち出すことで、彼女の本質がくっきりと浮き出た印象の一枚だ。“可愛くてかっこいいピチピチロックギャル”のキャッチフレーズは伊達じゃない!

原点回帰的な、
自分の音楽の趣味が反映されたもの

新作『THE THIRD SUMMER OF LOVE』はフルアルバムとしては4年振り、全国流通のCD音源でも3年振りということで、制作に臨むにあたって、これまでとは気持ちの面で何か違いがあったりしましたか?

毎回同じような気持ちで自分の個人的なことを曲にして、一生懸命に演奏しようとしているので、変わってないのかもしれないです。いつも同じ気持ちで曲を作っている気がします。

前作『LSC』(2016年11月発表)は過去曲が多くてベスト盤に近い印象でしたから、その辺では何か臨み方に違いがあるのかも…と想像していたんですけど、あまり気持ちは変わらなかったですか?

アルバムをリリースしていない期間が4年くらいあって、今作はその間に作っていた曲を集めたようなアルバムです。前作もコンセプトアルバム的に作ったというよりは作っていたものを集めてアルバムにした感じなので、“寄せ集めアルバムVol.2”みたいな(笑)。なので、『LSC』と気持ちは変わらないですね。一緒に作ったメンバーが違うとか変化はあるんですけど。

前作と聴き比べた印象で言いますと、今回はバンドサウンド中心ですよね。前作はデジタルな音もありましたし、ラップも入っていましたので、その辺での変化はあると思います。この辺、ご自身はどうとらえていますか?

“バンドサウンド”ということで言うと、私が一番最初に“音楽が好きかもしれない”と思ったきっかけはthe brilliant greenで、そのthe brilliant greenのルーツはUKロックだと思うんですね。the brilliant greenを好きになってからOasisとかBlur、THE KINKSといったUKロックを好きになって、そのあとにUKロック以外にもいろんなカッコ良いロックがあると知ったんです。私が前作を作った時期は結構インディロックが流行ってて、インディロックとかシューゲイザーとかローファイとか、いろんな音楽を聴くようになって。『LSC』の時は、“この音楽がカッコ良いな”と思ったものをちょこちょこつまみ食いして、私が好きなジャンルの曲をひと通り集めた作品を作りました。その結果、弾き語りもあればラップもあって、BPMの遅い曲も速い曲もあるという、ジャンルレスなアルバムになったと思うんですけど、『THE THIRD SUMMER OF LOVR』では本当に自分が一番やりたかったことに回帰したような印象がありますね。今作のような音楽性が一番好きなので、そういったところへ帰っていったのかなと思います。原点回帰的な、自分の音楽の趣味が反映されたものというか。

自分が好きなサウンドというと、今回のようなガツンとしたロックバンドの音になると?

そうです。私の一番の趣味がリバイバルしました(笑)。趣味のブームみたいなものってあるじゃないですか。去年の夏はそうめんばっかり食べてたけど、今年はそんなに食べたいと思わなくて、どちらかと言うと蕎麦が食べたい…みたいな。私が一番最初に好きになった食べ物は蕎麦だったんですけど、蕎麦ブームが今年のアルバムの制作時期にリバイバルしたというような(笑)。

4年も空くと自然とそういう意識になる?

そうだと思います。すごい音楽とフラットに向き合うような時間もあって、ただのリスナーに戻ると聴きたいのは、やっぱりUKロックだったという感じです。

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