【SUPER★DRAGON
ライヴレポート】
『Special Studio Live
「with LIVE」』
2020年6月14日 at スタジオライヴ
2020年6月14日 at スタジオライヴ
続く「Don’t Let Me Down」ではライヴごとに身体的にも、精神的にも成長し、色香までまとったメンバーの魅力に改めて気づかされる。基本的に彼らの歌う曲は、ここ最近のアイドルソングとは一線を画したヒップホップやR&B、ソウルテイストを入れ込んだダンスチューン。その曲に決して負けることのない表現力は日々成長を遂げている。セクシーな歌声で惑わせる田中洸希に松村和哉の身体の奥まで響く低音ラップとジャン海渡の妖艶なラップが重なり合い、さらなる彼らの可能性を感じる曲に驚いていると、ゆる~くMCがスタート。このギャップもまた、たまらない。いつものライヴと同じように、それぞれの特技を生かした自己紹介を済ませ、志村玲於が“よっしゃー!”と叫ぶと、オンラインの弊害で返事なく、スベったような雰囲気に(笑)。すかさずジャンが“スベったかは分からないからね”とフォローしたのだった。また、毎回電車モノマネで自己紹介をし、ライヴ会場の駅に合わせて駅名を入れ込む伊藤壮吾は“上石神井駅”を選び、メンバーから“上石神井なんだ!?”とツッコまれる場面も(笑)。さらに、最年少で小さいイメージのある柴崎 楽は成長期真っ最中。まさかの175センチまで身長が伸び、他のメンバーから“不公平だ!”と言われるところも、いつものライヴの雰囲気と同じで微笑ましい。大事なところで思わず噛んでしまったクールな飯島颯も満面の笑みでメンバーと絡み、年々仲良くなっていく姿を体感することができた。
ちなみに、今回のライヴは池田彪馬は17歳初、ジャンと古川 毅は20歳になって初。そんな話題で盛り上がりながら次に披露されたのが、グルービーでスタイリッシュな「City Noise」。ゆるやかな中に艶やかさを感じる同曲は、これまでなら少し背伸びしているように感じてしまっていたが、今のスパドラにはハマって聴こえるほどで、彼らの表現力、そして成長が確実に表れている。妖しげなジャンの笑い声から始まる「WARNING」では圧倒的な池田彪馬の存在感に驚いた。シリアスなダンスナンバーの魅せ方も、年々変化していくからこそ見逃せない。松村の“まだまだ声出せますか!”、古川の“まだまだかかってこいよ! 伝わってるからな”という煽り始まった「Untouchable MAX」は、ライヴで最高に盛り上がる定番曲。もちろん、画面を挟んだとしても、一体感あふれる銃を撃つダンスはきっと多くのファンが一緒に踊ったに違いない。
オンラインだからこそ、ファンからのコメントが常に寄せられているのは特筆すべきところ。それに答えながらも、伊藤が“俺たちはライヴ依存症なのですごく寂しかった”と話し、メンバーから電車好きな伊藤に対し“例えるなら何線?”と振られ、“最強”にかけて“埼京線!”と答えたのはさすが。また、この日は古川が珍しくダークカラーの髪色で登場。“今日初めてみんなに見せようと思って”と話し、このカラー剤の名前が彼らの所属する事務所と同じ“スターダスト”ということで話が大盛り上がりする。この緩急のあるステージにも頬が緩む。そして、古川が今の状況になぞらえて“どんな雨のあとでも晴れます!”と言い放って「雨ノチ晴レ」を笑顔で届け、ラストは「SOUL FLAG」で一体感のあるステージを作り上げる。“もっと先へ”という歌詞の通り、彼らが目指すビジョンをしっかりと提示したライヴだった。
本編が終了後、楽屋で“エモい!”などと言い合う姿が観られるのもオンラインだからこそ。さらに嬉しいことに、時間を空けずしてYouTubeにてアンコールが披露される。「KITTO→ZETTAI」を笑顔で歌い上げ、この新しいライヴのかたちを思いきり楽しんでいる様子が伝わってくる。彼らは柔軟に、その時にできることをしっかりと表現し、体現してているのだ。そして、最後に古川は“ちゃんと届けられるのは嬉しい。夢の続きを見せられるように、音楽を届けていきたい”と想いを言葉にして、本公演の幕を閉じた。
きっと次に生のライヴで彼らを観ることができる時には、さらなる爆発力で、ファンを楽しませてくれるに違いない。とはいえ、それまで休むことなく、これだけ素晴らしい熱のあるライヴを披露してくれたことを感謝したい。
撮影:笹森健一/取材:吉田可奈
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