初音ミクが迷い込んだ『砂の惑星』っ
てどんな惑星?
初音ミクが迷い込んだ『砂の惑星』ってどんな惑星?
以前ハチは、米津玄師としてのツイッターアカウントで、「自分はボーカロイドに育てられたから、ボーカロイドを否定しないでほしい」という旨のツイートを、3~4回に分けて投稿して話題になった。
あくまでここでは「ボーカロイドプロデューサー」にすぎない役回りであると自ら申告しているのだろう。
歌い始めにはこうつづられている。
現在のボーカロイド市場の状況を「何もない砂場」と表しているように受け取れる。確かにここ数年、特にヒットするような曲もなく、全盛期はすぎたように思う。「歌い手」という言葉も減ってきたし、「初音ミク」という単語にも真新しさはなくなった。
さらに「しょうもない音」とまで表現している。「育てられた」とまで呟いていたボーカロイド市場に、まるでケンカを売っているかのようだ。
けれど実際には、楽曲自体は話題になったものの、ボーカロイドそのものを動かすほどの力はなかったようだ。
けれどネット上で話題となったことで、かつてほどの盛り上がりを見せないボーカロイドの世界を新たに彩る名曲に仕上がっている。ハチらしく物語性の深い歌詞と激しい言葉遊びは、米津玄師としての顔しかしらないファンでも、楽しめるのではないだろうか。
2番の歌詞に入る。ここでは明らかに初音ミクの10周年のお祝いをしている。
この『砂の惑星』の本当の正体は、発表されたMVを最後まで見ると明らかになる。まだ動画を見ていない人には是非見てほしい。ハチのボーカロイドに対する思いが、よく表れている一節だろう。
そんな曲をここにきて引用するという行動の真意をあまり深読みしても、かえって白けてしまうだろう。ここではハチとしての活動へひとつの区切りをつけているのかもしれない、という程度にとどめておきたい。
昔からのファンにとってはちょっとニヤリと笑えてしまう、嬉しい遊び心でもある。
いままでのハチ名義での楽曲を「未曾有の想い出」と表しているのだ。いや、ハチとしての楽曲にとどまらず、あらゆるボーカロイドの楽曲のことを示しているのだろう。「電子音」への愛情が見え隠れする1節に思える。
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