【Prague】『SPECIAL FREE LIVE 「P
erspective」』2010年6月29日 at 渋
谷CLUB QUATTRO

撮影:AZUSA TAKADA/取材:高木智史

 7月14日に1stアルバム『Perspective』をリリースしたPragueが同タイトルのフリーライヴを行なった。フリーライヴとはいえ、彼らのキャリアの中では最大キャパでのワンマン。だが、彼らの姿勢はまったく変わることなく、むしろ、これまでよりさらに雄大に、自由に、信じる音楽をストイックに熱く鳴らしていた。前半戦はそのストイックさ、熱さに釘付けになった。攻撃的で挑戦的なナンバー「Light Infection」でスタートを切り、続く「遮光」では疾走感みなぎる楽曲を鬼気迫る勢いでプレイ。息付く暇もなく「Distort」へつなげ、今度はリズミカルな音で小気味良くオーディエンスを揺らす。そんな怒濤の勢い。ブラックミュージックも通過したPragueのロックはグルーブも満載で、体ごと前のめりにさせられる。そして、中盤や後半戦では自由に音を楽しむというスタンスを如実に見せていたように思う。「バタフライ」では各ソロパートが応酬。特に鈴木雄太(Vo&Gu)はギターキッズのように無邪気に他のメンバーを挑発し煽り、熱量を増大させていく。その躍動感に観客も揺れたり、声を上げたり、それぞれPragueが紡ぐ音楽を楽しんでいた。
 また、鈴木はこの日何度もフロア近くまで寄り、声を上げたり、クラップする。そういう状況を促すというよりは、自ら音楽を楽しんでいるような純粋な様子で、それが伝染し、オーディエンスも同じアクションを起こすシーンがとても印象的だった。そんな自分たちのスタンスを明確に示したワンマンだった。



セットリスト

  1. Light Infection
  2. 遮光
  3. Distort
  4. 流転
  5. 願い
  6. バタフライ
  7. Greedy rhythm
  8. 影踏み
  9. シャイカーラブ
  10. Stance
  11. Slow Down

Prague

鈴木雄太(vo&g)、金野倫仁(b)、伊東賢佑(dr)から成る関東出身のモダン・スリーピース・ロック・バンド、Prague(プラハ)。高校で3年間同じクラス、軽音楽部、プライベートも一緒にいた腐れ縁の鈴木と伊東の二人が、同じ音楽専門学校に進み、06年に金野と出会い結成。

自主制作盤を2枚出したところでレコード会社の目にとまり、09年9月に<キューンレコード>から1stシングル「Slow Down」でメジャー・デビュー。ジャンルを跨ぎながらもスタイルの海に溺れることなく軽やかに舞おうとするバンド・スタンスが特徴である。

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