【Yun*chi】みんなで一緒に歌える曲
が楽しくなってきた
デビューから常に話題を提供し続けているYun*chiが、アニメ『ログ・ホライズン』エンディングテーマ「Your song*」で初のシングルをリリース。ポップで真っ直ぐなラブソングが、新たな彼女の魅力を引き出す。
取材:大庭利恵
Yun*chiがこんな真っ直ぐなラブソングを書くのかと思って、びっくりしてます。
わゎ、恥ずかしいじゃないですか(汗)。
今回は、アニメ『ログ・ホライズン』のエンディングテーマということから制作に入ったのですか?
そうなんです。オンラインゲーム『エルダー・テイル』をやってる数万人の人たちが、ある時突然ゲームの中に閉じ込められてしまうというお話なんです。その中で、人付き合いがちょっと苦手で腹黒眼鏡のシロエという主人公の男の子と、直継・アカツキちゃんが一緒に行動していくうちに、恋ともちょっと違うけれど、シロエを慕うアカツキちゃんの真っ直ぐな気持ちと、お互いのことが気になるのだろうなぁという部分から…ヒントをもらいました。
とってもピュアな感じだ。
そうなんです! 私が今まで歌の中で書いてきた恋とは、またちょっと違う(笑)。なので、その純粋さを出しつつ、Yun*chiらしい言葉、そしてゲームの世界のことを描けたらと思って書いたら、自分でもキュンとするぐらい真っ直ぐな感じになりました。
最初にイメージしたものから書き出しまでは早かったのですか?
ゲームの中だと、どんな食べ物もブヨブヨにふやけたおせんべいの味しかしない設定なんです。最初は、そんな辛い状況でもあなたが一緒なら頑張っていけるということを表現したいなと思って書き出したんです。早かったかと言われると…そうでもないのかな。恋ともちょっと違う、独特のニュアンスをどう表現するか、そういう部分にはとっても丁寧に気を配りながらだったので、結果、アカツキちゃんよりはちょっと大人っぽくなってしまった気もします(へへへ)。
なるほど。デビューからリリースされたミニアルバム2枚は、サウンド、歌詞ともに、Yun*chiの魅力をどう表現するか狙いや遊びに重点を置いてきたと思うんですけど、今回は逆にアニメのテーマから飾らない自分というのを表現するきっかけになったのかなと。
ちょっとずつだけれど、素の自分を曝け出しても怖くないのかなって思えるようになってきたのかもしれない。ビジュアルの話しになってしまうけれど、アーティスト写真もジャケットも今までで一番メイクが薄い!(笑) 田中隼人さんに作っていただいたこの曲にも、昔から好んできたザラっとしたサウンドも入れてもらえていて、とてもお気に入りなのです。アニメだからとか、ガラリと方向転換ということではなく、Yun*chiの中に潜んでいた新しい一面を引き出してもらえた感覚がします。
ちなみに、Yun*chiの好きなザラっとした感覚っていうのは、具体的にはどういうもの?
言葉にするのは難しいんですよ。ツルン。コロン。よりは、ザラッ。パサッ。としててほしいってことなんですけど…ニュアンスで言えば、エコカーとクラシックカーとか、カセットデッキとMP3レコーダー。どっちがいい?って言われたら、昔の最新機器なんです。いびつな感じから夢や妄想力がいっぱい詰まってる気がして。
なるほど。確かにYun*chiのサウンドは、少し懐かしいニュアンスが常に入ってますもんね。そして、カップリングはNHKワールド『J-MELO』エンディングテーマ。一緒に歌ってる女の子グループは?
これは、『J-MELO』という日本の音楽を海外に向けて発信してる番組で、出会った日本の音楽を歌ったり、踊ったりする動画をサイトにアップする世界中の女の子たちが集まった“Irokokoro Project- 色心プロジェクト”というグループの子たちなんです。その子たちがYun*chiの音を気に入ってくれて、一緒に何かできないかな?という話になって。この素晴らしい機会に世界中の人たちを巻き込んじゃって曲を作ろう!ってことで、世界から“好きな日本語”を募集したんです。
世界中の人に?
はい。最終的に40カ国以上だったかな。好きな日本語とその理由と顔写真が集まったんです。それをもとに歌詞を作っていき、コーラスは色心プロジェクトに所属する27人の女の子が歌ってくれました。世界中からメンバーの声が日本に向かって送られてきて、どんどん重なっていって曲ができていくのには本当に感動しました。
最後の《イタダキマス》が効いてますよね。
かわいいですよね、“イタダキマス”が好きな日本語って(笑)。でも、海外ではごはんを食べる前はお祈りをするから、言葉がないらしいです。そういう意味では、特別な日本語だなって思いました(笑)。
Yun*chiってボーダーレスなイメージがあるけど、ロンドンの『HYPER JAPAN 2013』が初海外だったとか?
そうなのですよー。もう、感動しました。ライヴ中、真剣に聴いてくれているのが伝わってきて、私も緊張しすぎてしまって、でも歌い終わったら、“ゆんちー!”っていっぱい呼んでくれたんです。本当に心に残るものになりました。
初海外ってことは、いろいろ嘘も教えられたのでは?
それは、あれですか。パスポートはなくした時のために2個作っておけ。飛行機は土足禁止だから、直前で脱げって(笑)。…やられまくりました(涙)。
やっぱり(笑)。Yun*chiに、そういうこと教えたくなる気持ちは分かる。あと、3曲目の「Fuzzy*」はコラボ曲ですね。
今でこそアッチュさんとは仲良くしてもらっていますが、実は私がデビューする前にお客さんとしてライヴを観に行ったこともあって、まさかこんなふうに曲を作ってもらえるなんて! その後ニルギリスさんのイベントで共演する機会を作ってもらって、“いつか一緒に”と言ってくれてたものが実現しました。この曲はすごくライヴを意識してて、ちゃんとみんなと一緒に歌えるように隙間を作ってあるんで早く歌ってみたいです。
シングルらしいポップさと明るさがある曲だからか、Yun*chiの雰囲気も変わってきましたね。
海外に行ってから、歌う時に笑顔が増えたねって言われたんです。多分、デビューから1年が経って、少しずついらない肩の力が抜けてきたんじゃないかと。もともと自分が作り出したい曲の傾向としてはシングルで言えば、カップリングタイプだったんだけど、最近はみんなで一緒に歌える楽しい曲が好きになってきてます。これをきっかけに、また新たなYun*chiの一面をどんどん見てもらえたらなって思ってます。
アーティスト
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