【04 Limited Sazabys】新しい引き出
しを開けまくった魅惑の傑作!
L→R RYU-TA(Gu&Cho)、KOUHEI(Dr&Cho)、GEN(Vo&Ba)、HIROKAZ(Gu)
フォーリミの1stアルバム『CAVU』(キャヴ)が素晴らしい! 音源とライヴで音楽シーンにその名を轟かせてきた彼らだが、これまでの経験を土台にした、多彩な楽曲がひしめき合うバラエティー豊かな作品に仕上がっている。
取材:荒金良介
今回は初のフルアルバムになりますけど、作る前はどんなことを考えました?
GEN
いろんな曲が欲しかったですね。その上で疾走感を失いたくないし、最後まで突っ切れる作風にしたくて。
KOUHEI
今回の13曲の中には再録も3曲あって、それは自分が叩いてないドラムだったりするから、やっと自分の曲になった感覚がありますね。
RYU-TA
1stミニアルバム(『Marking all!!!』)の頃はポップパンクだったけど、それからどんどん日本語詞が増えてきて、今回は集大成みたいなアルバムですね。“これでメジャーに行くぞ!”という感じです。
HIROKAZ
前シングル「YON」で視野が広がって、今回でさらに広がった気がしますね。全然飽きない作品ができたなと。
確かに集大成的なニュアンスも感じました。
GEN
過去曲の再録もあるし、これだけのボリュームを作るのも初めてですからね。今回はメジャーデビューになるので、新しいスタートを踏み出せた感覚もあるんですよ。 ーええ。集大成とはいえ、新機軸も盛りだくさんだし、今作はバンドの引き出しを全部開けたようなバラエティー感ですね。
KOUHEI
なかった引き出しを作ったぐらいの感覚が近いかもしれない。自分たちの引き出しの数を分かっていたからこそ、それ以上のものを出さなきゃいけないなと。
「YON」から今作への広がり具合は桁違いですよ。メロコア、ギターロック、ポップス、ヒップホップ的な曲まで揃ってますが、曲作りは大変じゃなかったですか?
GEN
大変でした。新しいことをやろうとしすぎて迷走したりもしたし、自分たちの持ち味とは違うところまで行こうとしたりもしたから。でも、結果的に自分たちの良さがちゃんと分かって出せたんじゃないかなと。
その持ち味とは?
GEN
疾走感に対する僕の歌詞の浮遊感やアンバランス感だったり。さらに今回は僕らが得意とするリズムを使ったし、また新しいリズムも試みて、それを1曲の中でやってますからね。全部の引き出しを使い切りました(笑)。
一曲一曲の表情は豊かになりましたね。以前はGENさんの歌声が突出していた印象でしたが、今作は各パートの聴きどころも増えて、バンドサウンドになったなぁと。
GEN
その通りですね(笑)。
RYU-TA
前作の時に先輩や友達から“もっとカッコ良いギター弾けるんじゃない?”と言われて、絶対見返してやろうと思って。4曲目の「fiction」ではリフから始まるんですけど、全曲いいフレーズを弾けたと思います。
ギターを含め、なぜ4人の個性やプレイがこれほど際立つようになったんですかね?
GEN
今までは僕主導で曲を作っていたけど、今回はみんなで曲を作ったんですよ。昔はメロがないと曲ができなかったけど、今はリズムありきでメロを作ることもあります。それで曲が多彩になったのかもしれない。
KOUHEI
ここ数年で変わりましたね。前からそういう作り方をしていたけど、コツが分かってきたというか。
それはバンドにとって大きな変化じゃないですか! 誰かが持ってきたビートやフレーズから広げていくと?
KOUHEI
それがほとんどですね。全員が0を1にする作業をするようになったんですよ。0から1って、正解がないから大変なんですよね。
0から1にする作業ができるようになったのも、バンドが経験を積んで成長した証ですね。
GEN
うん。アドリブじゃないけど、適当にその場のノリでやってみて、それいいじゃん!みたいな。
KOUHEI
初のフルアルバムなので全てが未知数だったけど、とにかく自分たちが納得できる曲を作ろうと。
特に先行リード曲の「knife」は斬新ですね。
GEN
こういう暗い感じのラップをするのは意外というか、びっくりさせられるかなと。サビも転調しているので、オッ!と思ってもらいたいです。
KOUHEI
転調をうまく使えるようになった気がします。
HIROKAZ
全部色が違う転調になってるしね。
GEN
僕らはずっとポップでキャッチーな音楽をやってるけど、今回は僕の中にある毒や生々しさも出したくて。言葉のワンフレーズでも、心にくるかこないかは意識したかもしれない。歌詞もそうだし、サビの入り方やラストのサビ前にどうやって落とすのか…そういうことも考えたんですよ。「knife」は血の臭いがするような感じで、僕の中では今まで見せたくなかった部分も歌詞にできたと思います。明るい人、暗い人、純粋な人、汚れている人…いろんなものを1曲に入れると辻褄が合わなくなるんじゃないかと思ったけど、1曲の中にいろんな感情を入れたくて。特に「knife」は僕たちにしかない音楽が作れたと思います。
より自分たちらしさを意識して?
GEN
そうですね。誰かを目指してるわけじゃないので。音的にはメロディックパンク、邦楽ロックとか、ジャンル分けが難しくなってきたと思うけど、バンドがひとつのジャンルになれたらいいですね。
今作でますますジャンル分けが難しくなりましたね。今、バンドの軸にあるものは何かと訊かれたら?
KOUHEI
ジャンルに捉われたくないんですよね。
HIROKAZ
ウチらから何かを提示するのも変やし。
RYU-TA
“俺らは04 Limited Sazabysです!”と。
GEN
ジャンルにかかわらず、いい音楽を作れたと思います。音は多様になってるけど、ライヴはブレてないと思うし。憧れの先輩バンドにも認めてもらえるようになって、少しずつ自信が付いてきたのかもしれないですね。
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