【04 Limited Sazabys
ライヴレポート】
『04 Limited Sazabys "Harvest tou
r 2023 〜one man series〜"』
2023年2月1日 at KT Zepp Yokohama
4年振りにリリースされたアルバム『Harvest』レコ発ツアーは若手との対バンを経て、『Harvest tour 2023 〜one man series〜』に突入。筆者はツアー30本目にあたるKT ZEPP YOKOHAMA公演を観てきた。ショーは序盤からGEN(Vo&Ba)、HIROKAZ(Gu)、RYU-TA(Gu&Cho)、KOUHEI(Dr&Cho)のメンバー4人が結束力を強め、ポジティブな歌詞とサウンドで満杯のフロアーを明るく照らす。“前に前に進むために”という肯定的な歌詞を用いた「Keep going」は、まさにその象徴的な一曲と言っていい。それは“俺たちについてこい!”と肩で風を切るスタンスではない。背伸びも過度な力も皆無。極論を言えば、彼らがステージに佇んでいるだけで、身も心も預けられる説得力を備えていた。
また、「Finder」「Predator」の『Harvest』収録曲がライヴで新鮮な印象を与えてくれた。鋭い眼光で迫る硬派な表情を浮かべており、以前にも増してロック度の強い曲調である。それらが過去曲と混ざると、一段と男臭く響いてきた。そう言えば、『Harvest』の取材時にGENは“自分たちらしさを自信を持って出せるようになりました”と発言していた。“こうでなければフォーリミらしくない”というのではなく、これもあれもそれもフォーリミの武器であり、魅力なんだと。そう言いきった風通しの良さがパフォーマンスにも大きな推進力をもたらしていた。
さらに「Galapagos II」では自分たちの音楽的ルーツを素直に反映させたノリのいい曲調でフロアーを湧かせる。とにかく、自由闊達に演奏する4人の立ち振る舞いがライヴを勢いづかせ、観客をグイグイ引っ張っていった。もちろん、引っ張るだけではない。「Honey」においてはやさしく包み込むスケールの大きさを感じさせ、音楽的な懐の深さもしっかりと提示。喜怒哀楽の全てを解放し、縦にも横にも表現の幅をグッと広げた印象なのだ。付言するならば、これまで以上に深みを備えたフォーリミ・サウンドに魅了されてしまった。
“今年で15周年です。長い間、愛してもらえるのは当たり前じゃない。JESSE(The BONEZ、RIZE)、Kj(Dragon Ash)は太陽属性でパワーをもらえる。後輩が俺に会うとパワーをもらえると言ってくれて嬉しかった。誰に対してもそうありたい。世界が変わっても、世界に変えられないバンドマンであり続けたい”
GENのその言葉からはコロナ禍を潜り抜け、より一層タフなメンタルを手に入れた彼らがそこにいた。常にバンドのあるべき姿や、シーンの状況を横目に見据え、楽曲やライヴに取り組んでいたフォーリミ。今日のライヴを観ても、自分たちの内面から滲み出た人間力で観客と対峙する頼もしさに漲っていたのだ。このツアー自体は、ファイナルの地元Zepp Nagoya公演2デイズ含めて残り6本。何よりも無敵感がアップしたフォーリミの勇姿をぜひ多くの人に観てほしい。
撮影:Viola Kam (V'z Twinkle)/取材:荒金良介
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