【Czecho No Republic】新作の冒険心
が受け入れられたら楽しい
L→R 砂川一黄(Gu&Cho)、八木類(Gu&Cho&Syn&Vo)、タカハシマイ(Cho&Syn&Per&Vo)、武井優心(Vo&Ba&Syn)、山崎正太郎(Dr&Cho)
メジャー第三弾アルバム『Santa Fe』は、Czecho No Republicらしいカラフルかつポップなサウンドとともに新境地もダイナミックにアピール! 難産の末に成し遂げた飛躍を、メンバー全員が語ってくれた。
取材:山口智男
新しいアルバムを完成させた現在の心境は?
タカハシ
今までで一番好きなアルバムになりました。
武井
俺も一番聴ける音源かな。
山崎
俺はもっとすんなりいくのかなと思ってたんですけど、思ってたよりも難産でした。曲はかなり早い段階からいっぱいできてたんですけど、やりたいもの全て入れちゃえって、これもやりたい、あれもやりたいってやってたらかなりディープになってしまって(笑)。
今回、曲の振り幅がかなり広いと思ったのですが、もっと広かったと?
タカハシ
「Oh Yeah!!!!!!!」と「For You」が浮いちゃうぐらい濃厚だった。
山崎
もちろん、妥協したわけではないんですけど、そこから満足できるものにするのに時間がかかっちゃいましたね。
砂川
でも、曲が決まってからは早かった。みんな、勝手が分かってきたってこともあるし、武井さんのアレンジの能力も上がってたから、悩むこともつまづくこともなく、レコーディングはスムーズにいきました。
武井
黙々とやってましたね。とっとと完成させたかったんですよ(笑)。今回はデモを作り込んでいった分、デモをブラッシュアップするというよりも、それをいい音質で録るとか、商品にできる音にするっていうノリでしたね。
以前よりも強いものになってきたシンセ・オリエンテッドなエレクトロの志向とバンドサウンドを、いい塩梅でミックスすることがテーマのひとつだったと思うのですが。
武井
まさしく。その一番の成果が「エンドルフィン」。
楽器隊のアプローチも変わってきましたよね?
武井
そうですね。シンセが曲の土台を支えてるところは、これまでと違うと思います。ほぼほぼシンセで作っていったんですけど、俺が生ベースを弾かない代わりに八木さんが半分以上の曲でシンセベースを弾いていることに加え、タカハシもシンセの結構大事なフレーズを弾いている。そこにギターをどう同居させるか。だから、今回、ギターが結構大変でした。
八木
僕は3曲しかギターを弾いてないです。それもほんとバッキングだったんで、そんなに苦労したってことはないんですけど、砂川さんはいろいろ考えたんじゃないかな。
砂川
八木くんの2曲は比較的バンドサウンドだったんで、わりとスムーズにできたんですけど、武井さんの曲はシンセも派手に入っているんで、ギターは要らないんじゃないかっていうのが多かった(笑)。ただ、ギターを絶対入れないといけないっていうのはおかしいじゃないですか。そうなったら一番良くないから、曲を見た時、自分の立ち位置というか、バランスを考えるのが難しかったですね。音作りもいつものライヴ感のあるギターサウンドだと、他とマッチしなかったんで、武井さんやエンジニアさんと相談して、ライン録音したりしながら相応しい音を見つけていきました。「エンドルフィン」は今まで出したことがない音にしようと思ってやってみたんですけど、結構いい音で録れたと思います。
リード曲の「Firework」は(7月12日の)日比谷野外音楽堂でもやってましたけど、大人っぽい感じが新しいですよね。八木さんが作った「Fun, Fun, Fun, Fun, Fun」は60年代のブリティッシュビート・バンドがサイケに走ったみたいでカッコ良ったです。そうかと思えば、「クワーキーワールド」のような目まぐるしい転調にびっくりのプログレ・サイケ・ナンバーもあって、かなり聴き応えあるアルバムになりましたが、これまで以上にパキッとしたサウンドも聴きどころですね。
武井
今回は…っていうか、パキッとした厚みのあるサウンドにしたいという想いはずっとあったんです。心の中には。だから、今回はマスタリングでもかなり意見を言ったんですよ。エンジニアさんは音をきれいに録れる人だったんですけど、それを壊す勢いでマスタリングしました。きれいに並べた音を、ただ音圧を上げただけじゃ面白味がない。その意味でも今回は攻めてます。
砂川
「Oh Yeah!!!!!!!」はかなり変わったね。
武井
シングルと今回のアルバムのバージョンでは全然違うんですよ。アルバムの「Oh Yeah!!!!!!!」のほうが断然いい。
山崎
マスタリングでこれだけ変わるんだ!って。
武井
マスタリングが終わるまで全然、気を抜けなかったんだから、やっぱかなりの難産でしたね。
その甲斐あって、バンドとして今回、新たなところに辿り着けたという手応えもあるのでは?
武井
そうですね。これを基準に動き始めることになると思うけど、長い目で見たらこれが始まりだったという可能性もあり得る。今回の俺たちの冒険心が受け入れてもらえたら楽しいですけどね。
タカハシ
一曲一曲が大きくなりました。今までにない勢いも感じられる。大人の勢いというか(笑)。クールなんだけど、気取ってるわけではなくて、ガツガツといってる感じが気持ち良いんです。
9月からは“聖なる行進”と題したリリースツアーが始まりますね。
武井
たぶん、全員(アー写と同じ)白い服でやります。ツアーファイナルは黄ばんでいるかもしれないけど(笑)。全員、平等にシンプルかつ同じ服を着たいんですよ。そこでに滲み出る個性こそが本物だと思ったんですけど、結構メンバー全員が白い服を着てるバンドっているんですね。知らなかった。俺は発明だと思ったんですけどね(笑)。でも、そうやって決めておけば、ライヴ前に何着るか悩まなくていいじゃないですか。今度のツアーはもう決めちゃったんで、もう安心です(笑)。
アーティスト
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