【ザ・クロマニヨンズ】“JUNGLE 9”
って強そうなチーム名みたいでしょ?
(笑)

L→R 小林 勝(Ba)、真島昌利(Gu)、甲本ヒロト(Vo)、桐田勝治(Dr)

9枚目となるアルバム『JUNGLE 9』をリリースするザ・クロマニヨンズ。揺るぎないロックンロールをベースに、聴いた瞬間に耳に刻まれる鮮やかなメロディー、シンプルかつ深みのある歌詞、コーラスが映えるナンバーなど、彼らの持ち味を余すところなく詰め込んだ内容だ。
取材:岡本 明

曲は日々、ポンポンとできていくんです

10月にリリースされるアルバムの前に、シングル「エルビス(仮)」が9月にリリースされましたよね。カップリングが「キンクス・ガット・ミー」で人名とバンド名というタイトルの組み合わせが面白いですが、あえてなのですか?

真島

いえ、偶然かな。

甲本

いつもシングルはマーシーが1曲目だったら、“じゃあ、カップリングは俺が1曲出そうかな”っていう流れになるんですよ。僕の曲がシングルになると、“じゃあカップリング、マーシーやりなよ”って。そうなるんです、何となく。その時にこれにしようと決めていたのが「キンクス・ガット・ミー」だから、偶然ですね。

「エルビス(仮)」「キンクス・ガット・ミー」と、今回のアルバム収録曲も同時期に作っていたのですか?

甲本

作ったのはいろいろだよね。昔の曲もあるし、その時できた曲もあるし、録音したのはこの間のツアーが終わってすぐです。

いつ頃ですか?

真島

4月とか5月とか6月とか。

甲本

ちょこちょこやっていました。

真島

4月に曲出しをして、5月にバンドで合わせてみて、6月に一気に録ったのかな。

甲本

ツアーが終わって、1~2週間休んだ後にスタジオに集まるんですよ。その時には全曲あるんです。13曲。そこから12曲をアルバム用に出して、あとの1曲はシングル用にとっておく。

その13曲は、先ほどの話みたいに古い曲もあれば、最近の曲もあったり?

甲本

いろいろです、前回のアルバムに入れようと思っていたけど、やめて今回のアルバムに入った曲もあったり、いろいろ。

その基準は何かあるんですか? 気分とか?

甲本

何となくですね。気分かどうかも分からない。

真島

アルバムを作るからって、そのアルバムのために曲を作ろうとか、そういう感じではないんですよ。日々、ポンポンとできていて、それが何年か前のものだったり、ある時に急にくっついて一体化したり、不思議な作用があるんです。ひとりでいろいろやっていると。

溜まっていた曲を引っ張り出して洗いざらい聴いてみたりもするのですか?

真島

いえ、洗いざらい聴くようなことはないです。

自分の中では残ってるから?

真島

そういうこともないんです。何となくうまい具合に合って、部品みたいに合って、“あぁ、1曲できた”っていうこともあるし。1~2時間散歩して帰ってきたら出来上がることもあるし、いろいろなんですよ。

甲本

思い付いたフレーズを録音機に溜めていることがあるんですけどね。この間、思い付いたからちょっとやろうとしたら間違って、100トラックぐらい消えた(笑)。2年間分ぐらいかな。“あぁ〜、消えた”って。そんなもんです。

真島

たまにあるよね。

甲本

それはそれでいいんですよ。大したことじゃない。

でも、せっかくの曲が幻になってしまった。

甲本

そうだけど、また思い出したらやるだろうし、思い出せなきゃやらない。そんな感じです。

力抜けたりしませんか?

甲本

ううん、“あ〜、すっきりした”って。だってまた曲作るのに聴くの、面倒臭いじゃないですか(笑)。100曲とか。“どうせ聴かねぇしな、消えてよかった”って。そんなもんですよ。

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