L→R 小林 勝(Ba)、真島昌利(Gu)、甲本ヒロト(Vo)、桐田勝治(Dr)

L→R 小林 勝(Ba)、真島昌利(Gu)、甲本ヒロト(Vo)、桐田勝治(Dr)

【ザ・クロマニヨンズ】“JUNGLE 9”
って強そうなチーム名みたいでしょ?
(笑)

今回はリズム隊が頑張って曲順を出して
くれた

ところで、4月、5月、6月と間を開けて制作しているのはどうしてなのですか?

真島
みんな、いろいろ忙しいから。コビー(小林)とカツジ(桐田)は別のバンドもやってるし。
甲本
曲出しの時点で、もうバンドで合わせているんですよ。

今回、時間を開けたことは何か影響ありました? 曲の細かい部分を見つめ直そうとか?

真島
あまりないですね。
甲本
疲れなかった。ずっと休みだから(笑)。
真島
曲録って、それを聴いてどうのこうのじゃなくて、曲録ったら、“わー、休みだ”って。遊んでたから(笑)。
甲本
早かったよね、明るいうちに帰ってたもん。集まるのが3時とかで、5時ぐらいに終わったり。6時をすぎるとやらなかったね。
真島
日が暮れて暗くなると、オバケも出るし、怖くなるじゃないですか(笑)。オバケが出ないうちに帰ろう(笑)。

余裕を持ちながらやっているので、切羽詰まった感じがない?

甲本
煮詰まっている時間がないから。3時間ずっと作業しているから、考えて悩んだり迷ったり、そういうことはほとんどないですね。

その時間に集中して?

甲本
うん、曲はあるし、ただやればいいんだもん。

実際、そうやってバンドで合わせていくうちに変更点も出てきたりは?

真島
もちろん、それはね。やってみて、“自分の中ではこんなふうに鳴っていたけれど、コビくんが弾くベース、いいじゃない”とか。“カツジ、そんなふうに叩くとこういう感じになるのか、それもいいな”って。そういうことですよ。
甲本
たぶん、作業が長引けばまた変わったよね。

やればやるだけアイデアが出てきて、それに触発されてまた変わったり?

甲本
アイデアというか、手癖。

手癖があったほうが曲が生きる?

甲本
何となくその日の気分でみんなやるんですよ、ああこんなになっちゃった、それいいじゃんって。

「エルビス(仮)」は細かいブレイクが入ってますけれど、あれもやっていくうちに生まれたのですか?

真島
うん。まぁ、成り行きですね。

さらっと流すより、アクセントがいっぱいあったほうがいいから?

真島
“ここブレイクしたほうがいいんじゃない?”“あぁ、そう? じゃあちょっとやってみよう”って。やってみたら、“いいじゃん!”って。そんな感じ。

アルバム収録曲もうかがいたいのですが、「這う」は繰り返しているうちにだんだん日本語じゃない響きに聴こえてきますね。

甲本
ジョン・リー・フッカーみたいな(笑)。でも、あのギター、疲れるんじゃないかなと思って心配してた。そんなに何テイクもやらないから。
真島
あのリズムギター、ああいうことをずっとやっていると、どこがリズムの頭だか分からなくなってくる(笑)。

ギターの裏のカッティング?

甲本
最初に、こんな曲できたんだって僕がみんなに聴かせるんですけど、その時、弾きながら歌えなかった(笑)。ごめんねって。たぶん、伝わってないと思う、僕がやりたいこと。でもね、みんなちゃんとやってくれるんだよ。バッチリなんです。

表と裏がひっくり返らないように弾かないと?

真島
それを意識すると余計にダメなんです。なので、その時の僕の心は無です(笑)。悟りが開かれてます(笑)。

心を無にしないと弾けない曲なんですね(笑)。裏カッティングと言えば、「原チャリダルマ」も裏カッティングが入ってますね。

甲本
何かね、今回のアルバムの作業中、ああいうのが好きだったのかな。ブームだったのかな。

ああいうパターンが気持ち良くハマった?

甲本
いや、分からないけれど。あとで聴いてみて、“あぁ、本当だ”って。裏のカッティングがマイブームだったのかな。2曲も入っているって、あとで気付いたんですけど。

「エルビス(仮)」の《今だけ》の繰り返しも裏カッティングですね。

甲本
そういうのって、随所に出てくるんです。

あと、「原チャリダルマ」の最後の《タバコすいてえ》がいい雰囲気ですけど。あの台詞は誰が?

甲本
ザ・クロマニヨンズの台詞担当です。ライヴに来てくれたら分かります(笑)。

なるほど(笑)。最後の「今夜ロックンロールに殺されたい」、すごいカッコ良い曲ですね。アルバムの締めに相応しいというか。

甲本
今回は曲順をリズム隊が頑張って出してくれて。全員が曲順を出すと訳が分からなくなるので、これまではシャッフルして何回も聴いていたんです、嫌になるぐらい(笑)。それで、たまたまはまったところだけ抜き出して曲順を考えて、それを叩き台にして、みんなの意見をもらって…みたいなこともやっていたんです、アルバムによっては。“今回もそうなのかな、大変だな、面倒臭いな”って思っていたら、コビーとカツジが“こんなのいいんじゃない?”ってアイデアをくれて。それを聴きながら、“ここは入れ替えたほうがいいかな”とか。だから、すごい助かった。頭で考えると曲の意味とかを考えちゃうんですよ。でも、そうでもないんだよね。僕は歌うから、気にしないようにしてても歌詞の意味が入ってくるんです。“歌詞に沿って心を込めて歌います”っていうのは好きじゃないですけど、曲順を考えている時にどうしてもそれが入ってくる。“無関係にしたいな、そっちのほうが楽しいな”って思っていたので助かりました。

それは新しい発見ですね。

甲本
カツジがよくそういうアイデアを出していて。以前に、曲順を決めてから録音しようって言い出して、“馬鹿なこと言ってるな、意味ねえじゃん”って思ったけど、やってみたら楽しかったし。みんなの言うことは聞いたほうがいいね(笑)。

“JUNGLE 9”というタイトルは9枚目だからですか?

甲本
それも後付けですよ。ちょっと面白いでしょ? “○○ナイン”だと野球のチームみたいじゃないですか。イレブンとナインしかないですけどね、この場合(笑)。『赤き血のイレブン』とか(笑)。
真島
いいんじゃないですか、『アパッチ野球軍』に出てきそうなチーム名。“俺たちジャングル9!”って(笑)。
甲本
きっちり9人いて。裸がユニフォーム(笑)。
真島
強そうですね、ジャングル9。

すごい強いか、もしくは空元気か(笑)。

甲本
いろんなギミック使ってきそうな(笑)。

そして、11月からはツアーも始まりますね。

甲本
楽しみです。全員で必ず晩飯食います。最高ですよ。何食っても美味いよ。
真島
だいたい行く店も決まっていて。

ライヴで全力を注いで、晩飯に全力を注いで、楽しみが何倍にも膨れ上がりますね。

甲本
いい意味のルーティンがそこにある。すごく楽しい。
真島
楽しみです。毎回楽しいし、今回も楽しみ。ライヴでやったらまた一段と楽しそうな曲がいっぱいあって。

「這う」がきつそうですけど?

甲本
コーラス入れながら弾くのが難しいけれど、そこはお客さんに頑張ってもらって。
真島
僕は心を無にしてカッティングします!
『JUNGLE 9』2015年10月21日発売Ariola Japan
    • 【CD】
    • BVCL-678 3146円
    • ※初回仕様分のみ紙ジャケット仕様
    • 【完全生産限定盤アナログ】
    • BVJL-16 3146円
    • ※60年代フリップバックE式盤を可能な限り再現! 180g重量盤採用
ザ・クロマニヨンズ プロフィール

ザ・クロマニヨンズ:2006年7月23日13時41分、『FM802 MEET THE WORLD BEAT 2006』に出現。その後、数々の夏フェスにも出現し、デビュー前から話題を呼んだ。そして、同年9月に待望のシングル「タリホー」でデビュー。22年1月に15枚目のアルバム『SIX KICKS ROCK&ROLL』、23年1月に16枚目のアルバム『MOUNTAIN BANANA』を発表。そして、24年2月に17枚目のアルバム『HEY! WONDER』をリリースし、同年2月16日より『ザ・クロマニヨンズ ツアー HEY! WONDER 2024』(全国43公演)を開催。ロックンロールをこよなく愛する4人が最強のロックンロールを響かせる!ザ・クロマニヨンズ オフィシャルHP

OKMusic編集部

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