【coldrain】自分たちのルーツにある
音楽が一番熱くなれる
L→R Katsuma(Dr)、RxYxO(Ba)、Masato(Vo)、Y.K.C(Gu)、Sugi(Gu)
coldrainが海外レーベルと契約し、本格的に世界中を飛び回っていることは周知の通りだろう。ついに完成した4thフルアルバム『VENA』(ヴィーナ)は、そんな彼らが自らの音楽的ルーツと素直に向き合った衝撃爆発の強力作である。
取材:荒金良介
前作から1年4カ月振りの新作ですね。
Masato
早かったような長かったような期間ですね。Crossfaithとのツアーやワンマンもやったしね。
Y.K.C
PAPA ROACHとのツアーやフェスもあったし、去年は海外でやり始めた実感を得られた年ですね。
では、今作の話に移りたいのですが、ルーツに立ち返ることをテーマに据えたそうですね?
Masato
そうですね。高校生が初めてオリジナルバンドを組むような感覚でした。こういうバンドになりたかった!みたいな音源を珍しく聴き返したんですよ。
Y.K.C
当時好きだったバンドは1年で消えたけど、あのまま続けていたらどうなっていたかな?と。それをcoldrain流にやったらどうなるだろう?って。
Masato
TAPROOT、TRUST COMPANY、SPINESHANK、SEVENDUST、PLEYMO…脚光を浴び切れなかったバンドたちというか、当時はものすごく売れてるんですよ。その一方でPAPA ROACHが今も通用してるのは、こういうところなんだと思ったり、今回ゲスト(「RUNAWAY」(feat.Jacoby Shaddix from PAPA ROACH))で参加してもらえたのは良かったですね。
Y.K.C
あの時代のバンドにしかないグッとくるポイントを再現したくて。
Masato
だから、coldrainなりのコンピですね(笑)。
なぜそういう気持ちに回帰したのですか?
Y.K.C
自分たちと同じフィールドで闘ってるバンドが、その時代に目を向け始めていて。あの時のニューメタル勢は個性があったし、もともと自分たちの内面に流れてる音楽を前面に出してもいいんじゃないかって。
Masato
やっぱり、自分たちのルーツにある音楽が一番熱くなれるんですよ。俺らの中ではラウドロック/ニューメタルが普遍的なものなんです。それは10代のバンドマンには絶対できないことだし、それがまた新鮮に響くのかなと。
では、改めてニューメタル系バンドの魅力とは?
Y.K.C
メンバーそれぞれキャラが立ってるじゃないですか。個人の解釈でカルチャーも背負ってたんですよね。ディッキーズをダボダボで着たり、ドレッドヘアにしたり、あのやりすぎた個性も好きで。coldrainも5人にタレント性が必要だし…自分たちもそういう部分にワクワクしてたから。
Masato
俺の中では曲のシンプルさですね。この曲は頭を振るとか、曲ごとにテーマが明確だったから。
Y.K.C
あの時代は楽曲に世界観があったんですよね。それが日本人にも取っつきやすかったのかなと。
そんな今作はシンプルになってるし、ストレートな破壊力が増してますよね。もう、スタジオライヴ盤みたいなド迫力でした。 Masato:ライヴの音に近いかもしれないですね。
Y.K.C
今回は若いプロデューサー(Brandon Paddock)にお願いしたんですよ。最初はハイファイできれいなサウンドだったけど、それを求めてるんじゃない!と自分たちで手を加えたのが一番大きいですね。
Masato
Brandonはヴォーカルの存在感にフォーカスすることが大事と言ってきたけど、俺たちはもっとロックにしたいと伝えて。マスタリングを含め、ふたつのアイデアを足して割ったことがいい結果を生みました。
ヘヴィさとポップ感が1曲の中で明確になってるし、そのふたつの要素が見事に融合されてるなと。特に前半4曲目まではバンドの勢いやグルーブ感が半端ないです。
Y.K.C
昔は滲んだ音が好きだったんですよ。最近は多少演奏が上手くなったこともあるけど、音の粒立ちがある中でのアレンジを意識するようになって。ベースとドラムのグルーブがしっかりすると、グシャッとしてももの足りなさを感じない。そこはプレイヤーの成長ぶりも刻まれているのかなと。
対して、後半はシンプルな曲調が多いですね。
Masato
曲調はシンプルだけど、細かい部分に凝りました。11曲それぞれにテーマ性を持って作ったんですよ。
Y.K.C
昔好きだった時代の曲もほとんどアレンジが変わらないけど、実は変わってる。間奏も自然に入るけど、このアイデアは意外と思い浮かばない。難しく聴かせないようにしながら、実は面白いことをやってるんですよ。自分たちはそういう曲のほうがアガるんですよね。
特に6曲目「THE STORY」から7曲目「WHOLE」の流れが好きなんですよ。ミドルテンポの曲調でも海外の人は歌うじゃないですか。そういう意味でも伝わりやすい曲なのかなと。
Y.K.C
シンプルな分、中身を詰めるのが大変でした。内容がないと成り立たないですからね。
あと、「HEART OF THE YOUNG」も個人的に大好きで、王道ロックみたいなアプローチで心に染みました。
Y.K.C
直球でシンプルだけど、ひとつひとつのパートは結構面白いから、退屈しないかなと。
Masato
この曲はプロデューサーと一緒にやって良かったですね。ライヴの規模も上がったし、でかいステージの短いセットでもやれるようなバラードみたいな雰囲気ですね。
分かりました。9月末からは3カ月に渡ってヨーロッパ、アメリカと60本以上もの怒濤の海外ツアーが始まりますね。これをやればまた変わるでしょうね?
Masato
変わるか、辞めるか、ですね(笑)。
はははは。
Y.K.C
Crossfaithから“生きて帰ってきてな!”と言われましたから。しかも、最後は6連チャンで、年明けに日本ツアーがありますからね。頑張ります!
アーティスト
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