【衆院選】注目の東京12区で安倍首相
と田母神俊雄氏がニアミス
そのような2人の勝負に、「公明党をぶっ潰す」と宣言して参入したのが次世代の党の田母神俊雄氏だ。田母神氏は「自主憲法にも反対、集団的自衛権にも反対する公明党は、日本を潰す政党だ」と述べ、自公連立から公明党を引き剥がすと明言した。要するに敵は青木氏ではなく、太田氏ということになる。
さて選挙戦も折り返しを迎える12月7日、太田氏の応援のために安倍晋三首相がJR赤羽駅で街宣した。駅東口の広場は聴衆で埋め尽くされたが、警備もすごかった。駅前の派出所の屋根の上までSPが上がり、周囲を見張るというものものしさだった。
安倍首相の演説も終わりにさしかかろうとした時、聴衆のそばを旗を持った一行が無言で通り過ぎ、悠然と駅舎へと入っていった。さては商店街を練り歩く「桃太郎」か?いや、無駄話もせずに前を向いてさっさと歩くあの歩き方は、まるで軍隊の行進そのものだ。
もしかしたら中味は本物の軍隊だったのかもしれない。なぜならその先頭を歩くのは、田母神閣下であったからだ。
お伴の人たちは明るいグリーン色のスタッフジャンバーを着ていた。が、疑問である。なぜ迷彩色にしないのか。それに次世代の党のカラ―は青色だ。
そんな一行が通り過ぎても、安倍首相の演説に夢中になっている聴衆は、ほとんど関知する様子を見せない。いや、少し気づいたかな。おばちゃんが2人ほど横目で見て、隣の人の肩をたたいて耳打ちしていた。でもそれだけで、おばちゃんはまた安倍首相の演説を聞き始めたけど。
一行は駅舎を通過して西口に出た。小学生が数名、大声で何かを叫んでいる。年末の募金のお願いらしい。そんな子どもたちにちょっと手を振り、田母神閣下は一行を引き連れて、今度は北へ進んでいった。子どもたちは相変わらず声をはり上げて募金活動に勤しんでいる。どうも閣下のことをよく知らないようだが、まだ選挙権がないから許してやろう。
こうして「自公連立から公明党を引き剥がす」と世間に高らかに宣言した田母神閣下は、"戦闘現場"から静かに立ち去った。日本は平和である。ちっ、ちょっと期待したのに(笑)。
Written by 安積明子
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