『リオ』で踊れるロックの先駆者、
デュラン・デュランを再評価せよ!

『リオ』

明らかに80年代を代表するロックアクトのひとつにもかかわらず、時代の徒花的に扱われ、一向に再評価の気運が高まらないデュラン・デュラン。しかし、彼らの音楽性の本質だったダンスビートやシンセサウンドがこれだけもてはやされる今ならどうだ!? 彼らの出世作となった2ndアルバム『リオ』を改めて聴きなおしてみよう。

過小評価されているデュラン・デュラン

 かつてメロコアおよびスカコアバンドによるトリビュートアルバムが作られたが、彼らの曲が持つポップなメロディーに光を当てただけで、音楽性の本質を物語るものではなかったから、当然、再評価にはつながらなかった。数々のヒット曲を持ち、80年代に一時代を築いた彼らには似つかわしくないが、その意味では彼らもまた、過小評価されているバンドのひとつと言えるのかもしれない。
 イングランド中部の都市、バーミンガムで78年に結成されたデュラン・デュランがデビューしたのは81年2月。何度かのメンバーチェンジを経て、オリジナル5と言われているサイモン・ル・ボン(ヴォーカル)、アンディ・テイラー(ギター)、ジョン・テイラー(ベース)、ロジャー・テイラー(ドラムス)、ニック・ローズ(キーボード)というラインナップが揃った後のことだった(因みにテイラー姓の3人に血縁関係はない)。グラマラスなヴィジュアルで、ディスコビートとシンセサウンドを大胆に使ったポップロックを演奏する彼らはたちまち歓迎され、81年6月にリリースしたセルフタイトルのデビューアルバムはいきなり全英3位の大ヒットになった。

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