【THOUSAND EYES インタビュー】
“これは想像を超えるものが
できてしまったな”と思った

L→R AKIRA(Ba)、TORU(Gu)、DOUGEN(Vo)、KOUTA(Gu)、YU-TO(Dr)

暴虐と絶望のメロディックデスメタルバンド、THOUSAND EYESが1stアルバム『BLOODY EMPIRE』(2013年3月発表)と2ndアルバム『ENDLESS NIGHTMARE』(2015年9月発表)のリマスター盤、初のライヴ盤『GALLERY OF DESPAIR – LIVE』、さらにその3作品全てをパッケージした限定盤『DECADE OF BLOODY NIGHTMARE』を同時リリースする。彼らの代表曲とも言えるキラーチューンや名曲が多数収録された今回の3作品について、リーダーのKOUTA(Gu)に訊いた。

音もアートワークもリニューアルして、改めてきちんとしたかたちで届けられる

1stアルバム『BLOODY EMPIRE』は2013年発表の作品でしたから、今回10周年のタイミングでリマスターされたわけですね。

前のレコード会社との契約が切れていたんで、せっかくだから再発するにあたってリマスターしようと。あとは、アートワークのデザインそのものは変わっていないんですけど、色の発色を良くしてもらったりとか少し手直しをして、全体的にブラッシュアップしたものを改めてリリースしようということにしました。

『BLOODY EMPIRE』と2ndアルバム『ENDLESS NIGHTMARE』は入手困難な状況だったそうですね。

ライヴに来られた方から“1stアルバムが欲しいです”と言われても“廃盤なので今は売っていないんです”って説明していましたね。サブスクで聴けるようにはなっているんですけど、やっぱり盤で欲しいっていう方も多かったですし、そういう方たちに向けても改めてきちんとしたかたちで届けられるようになるっていうのはすごく嬉しいと思っています。

リマスターするにあたり、KOUTAさんがこだわったところは?

1stアルバムはかなり満足していた作品なので、具体的に“ここが不満だ”っていうのはあんまりなかったんです。音の分厚さだったりの本当に細かいところをスタジオプリズナーのHiroさんと相談しながらリマスターしたんですけど、大きな変化はできるだけ加えたくなくて、よく聴くと変化が分かるような感じにしてもらいました。今までのファンの方が違和感なく変化を楽しんでもらえて、その上で新規のファンの方が古臭さを感じないような内容に仕上げてもらっています。

基本的なことは変えずに、より音の厚みが増したと。

そうですね。若干の音の厚みと、ギターを少し聴こえやすくして。エンジニアの方が“玄人向けのマスタリング”みたいな表現をされていたんですけど、そういう方向でやってもらいました。結果、本当に目指していたとおりというか、違和感はまったくなくて、違いが分かるっていうものになりましたね。面白かったのが、ヴォーカルのDOUGENがリマスターを聴いた時に、“これ、ドラムを差し替えました?”と言っていて。僕自身はどこをどう変えたとかは一応把握していたし、リマスターだからドラムの演奏を差し替えなんてもちろんできないから、“そんなわけないじゃん!”って言ったんですけど、聴く人によっては変化を大きく感じる要素もあるのかなって。逆に、リマスターをいろいろやり取りしていた自分自身が10月に引っ越しをしたんですけど、引っ越し先でリスニング環境が変わるとだいぶ聴こえ方が違ったというか。一時的に部屋がガランとしていたのもあって、音がすごく反響しちゃったりして…まぁ、あまり音響環境が良くない状況に一時的にあったんで、その状況で音の聴き比べをしたら違いがまったく分からなかったんです。Hiroさんに“これもしかしてデータを間違っていないですか?”って確認しちゃったくらいで。“聴く環境によってかなり感じ方が違うんだ!?”って自分自身もそういう体験をしたので、Hiroさんが“玄人向けのマスタリング”と言ったのも確かに納得というか。しっかりした音響環境を整えて聴くと、違いが感じ取れるような仕上がりになっているんじゃないかと思いますね。

DOUGENさんがドラムを差し替えたと感じたのって、音圧が変わって聴こえたっていうことなんですかね。

真意は定かではないんですけど、具体的にいじったのは低音の部分とかなので、そういう成分は少し増していると思いますね。そういうところをしっかり再生できるような環境で聴くと、音圧の部分というか、特にドラムが響くような帯域については違いを大きく感じるんじゃないかと思います。

では、2ndアルバムのリマスターについては?

1stアルバムに関しては満足していたので、大胆な変化はなく作ろうということだったんですけど、2ndアルバムに関してはエンジニアの方と一緒にアルバムを聴き直した時に、やっぱりお互い10年経っていて成長もあるので“あれ? こんなだったっけ?”みたいなところもあって。なので、“本来あるべき姿はこうだろう”っていうのを目指してリマスターをしています。もともと1stも2ndもデジタル作品のリマスターなので、いわゆるアナログ盤のデジタルリマスターと違って大胆な変化っていうのはないんですけど、その中で1stは当時の作品の勢いを生かした感じに、2ndは本来だったらこういう姿で出せたんじゃないかっていうイメージでリマスターをしてもらったというものになります。

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