シネマ歌舞伎『唐茄子屋 不思議国之
若旦那』公開記念、令和4年10月「平
成中村座」3演目をテレビ初放送

CS放送「衛星劇場」では、毎日平日午後4時から歌舞伎を放送している。この度、2024年1月に『シネマ歌舞伎「唐茄子屋 不思議国之若旦那」公開記念~令和4年10月平成中村座一挙放送』と題して、『双蝶々曲輪日記 角力場』(ふたつちょうちょうくるわにっき)、『極付幡随長兵衛』(きわめつきばんずいちょうべい)、『綾の鼓』(あやのつづみ)をテレビ初放送する。
「角力場」 は『双蝶々曲輪日記』の二段目にあたる二人の力士の意地のぶつかり合いが人気の演目。貫禄ある人気力士に中村勘九郎、素人あがりの力士に中村虎之介が、ともに初役で勤めた。
『双蝶々曲輪日記 角力場』(ふたつちょうちょうくるわにっき)
大坂堀江の角力小屋では大関の濡髪長五郎と素人力士の放駒長吉の取り組みに、見物客たちで大賑わい。結果はなんと素人力士の放駒が勝利という大番狂わせ。予想外の勝敗に喜ぶ放駒だが、実は濡髪がわざと負けたと知り…。濡髪長五郎を勘九郎、放駒長吉を虎之介がともに初役で勤めた。

『極付幡随長兵衛』は中村獅童が幡随院長兵衛、中村勘九郎が水野十郎左衛門に本公演で初めて挑み話題を集めた。
『極付幡随長兵衛』(きわめつきばんずいちょうべい)
江戸の芝居小屋で公演中の舞台に上がり込み、難癖をつける旗本奴で白柄組の侍を町奴の長兵衛が叩きのめしたことからストーリー展開していく河竹黙阿弥の傑作。水野が客席から登場する平成中村座らしい演出で長兵衛と水野が対峙する。獅童が幡随院長兵衛、勘九郎が水野十郎左衛門に初めて挑み、倅長松に獅童の長男で4歳の小川陽喜が勤めた。

『綾の鼓』は中村鶴松演じる華姫に恋焦がれ、翻弄される庭掃きの三郎次に中村虎之介、彼を見守る秋篠に中村扇雀が勤め、人間模様がドラマチックに描き出される有吉佐和子作の舞踊劇。
『綾の鼓』(あやのつづみ)
時は室町時代。華姫(鶴松)は庭掃きの三郎次(虎之介)が自分に想いを寄せていることを知ると、綾糸で出来た綾の鼓を三郎次に渡し「この鼓が鳴ったら願いをえてやろう」と言うのだった。鳴るはずもない綾の鼓を日々打ち続ける三郎次に、生きていれば同じ年頃の我が子が重なり、秋篠(扇雀)は堤の技を伝授する。やがて3年が経ち…。

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