【NIKO NIKO TAN TAN
インタビュー】
とにかく
いい曲を作るっていうのが全て

NIKO NIKO TAN TAN are OCHAN(Vo,Syn etc)、Anabebe(Dr)

ジャンルを超越した音楽×映像×アートを創造する、クリエイティブミクスチャーユニット・NIKO NIKO TAN TANが「可可 feat.ぷにぷに電機」をデジタルリリース。気鋭のクリエイター集団の結成から現在に至るまで、そして自由な発想と表現から生まれる独創的な音楽世界の秘密を探る。

“こいつらが作るものが好き”と
言ってくれる人がいると信じていた

NIKO NIKO TAN TANのプロフィールには、2020年12月にVANS主催『VANS MUSICIANS WANTED』のアジアTOP5に選出。2021年9月に本格始動とありますが、まずは結成から本格始動に至る経緯を聞かせてください。

OCHAN

Anabebeとは結構前に出会っていて、別々のバンドをやっていた時期が数年あったんです。その間、俺はリリースしてツアーしてみたいな音楽生活はもういいかなと思って、絵に没頭していた時期もあったんですけど、やっぱり音楽が作りたいと思った時、遊びというか、リハビリみたいな感じで始めたのがNIKO NIKO TAN TANで。最初はふたりで曲を作ってスタジオに入るみたいな感じで、そんなに本格的にはやっていなくて。

『VANS MUSICIANS WANTED』に出演した時は、すでにオリジナル曲も何曲かあったんですか?

OCHAN

2019年にタワレコ限定でリリースしたり、2020年に一回まとめた作品を出そうとデジタルアルバム『微笑』をリリースしたりして、その流れでVANSのオーディションに出たっていう感じですね。オーディションでは今もライヴでやってる「同級生」と「パラサイト」って曲をやって、結果TOP5で終わったんですけど、審査員のアンダーソン・パークが見てくれたりして、それなりに評価されて。

そこで火がついて、本格始動に至る?

OCHAN

いや、まだ火はつかないです(笑)。そこからも、のらりくらりとやっていて、2021年くらいになってリリースやライヴが決まっていったんですけど、そこでいきなり大きな会場でワンマンをやったんです。

Anabebe

そう、渋谷のWWWでやりました(笑)。

OCHAN

ライヴやっても5人くらいしかお客さんが来ないのに大会場を押さえちゃって(笑)。それが本格始動したと言われている2021年9月から3カ月後の11月だったんです。“ワンマンに向けて3カ月連続リリースしてみよう!”ってやってみたら、ワンマンもなんとなく埋まって(笑)。その第一弾が9月にリリースした「WONDER」って曲だったんですが、そこを皮切りにギアを入れて活動し始めた感じでしたね。

NIKO NIKO TAN TANは“音楽映像アートを創造するクリエイティブミクスチャーユニット”と謳っていますが、活動当初からやりたいことが明確に見えていたんですか?

OCHAN

漠然とでしたね。今も漠然とではあって、あれこれ決めて作るものに制限をかけたくないんです。自分たちの中では“NIKO NIKO TAN TANってこういうものだろう”と理解していて、それがハマッて時代の中にいるっていうのは分かっているつもりなので。そこは分かった上で振り幅の多い音楽を作りたいっていうのが、もともとあったし。変に決めちゃうと、逆に将来苦戦すると思ったんです。初めのうちに思いきりやっていたほうが、“あぁ、こういう奴らなんだ”と思われるだろうし。それでも“こいつらが作るものが好き”と言ってくれる人がいると信じていたので。そういう存在でありたいというのは思っていました。

OCHANは鍵盤に限らず、いろんな楽器が演奏できるんですか?

OCHAN

ドラムはAnabebeがいるんで、ドラム以外って感じです。最初はピアノだったんですけど、もともとはギタリストで、ベースも弾けます。それは制作にも活かされてるし、あまりこだわっていないですね。

ライヴは基本、シンセを弾きながら歌って?

OCHAN

それが基本で、マニュピレーターみたいなこともやっています。そこにAnabebeがドラムを叩くっていう感じなんですけど、ワンマンとかだとギターを弾く曲もあったりしますね。

そういったスタイルに関しても、ふたりの中で取り決めなしで、曲によって必要であれば楽器も持ち替えてという感じなんですね。

Anabebe

そうです。自由ですね。

OCHAN

Anabebeはドラム、俺はギタリストと思っていたんですけど、それもなくなって。Anabebeが俺と同じタイプだったら、もっと緩い感じになっていたと思うんですよ。Anabebeが硬派にドラマーでいてくれるから、俺が何でもできるみたいなところがいいと思っています。

Anabebe

曲は基本的にOCHANが作ってきて、それにはドラムも入っているんですけど、“これを変えて”って言われて、僕が編曲していく。

OCHAN

俺が作ったものを壊してもらうんです(笑)。

Anabebe

そうやっていく中で、曲の構成も変わっていったりして。

OCHAN

俺が70パーセントまで作って、Anabebeのアイデアも入れながら100パーセントにしていく作業をふたりでしている感じです。

発想の部分とかって、このふたりだからこそってところも多いですか?

Anabebe

“これええな”と思っていた曲とか、OCHANもそう思っていたことが多かったりするので、その辺の感覚は近いかもしれないですね。

OCHAN

長いこと一緒にいるからカッコ良いと思うものとかが似通ってきて。それが良い時も悪い時もありますけど、今は良いほうに作用していますね。曲を作る時もふたりがバチッてくるまで、ひたすら曲をいじくり倒すというのをいつもやっています。

アーティスト