【May'n インタビュー】
今までのMay'nらしさと新しさ、
どっちも味わえるアツい曲になった

May'n

約1年振りとなるシングル「LIES GOES ON」は“自分を高める嘘”をテーマにした最新型のエレクトロチューン。タイアップしているアニメ作品に則りながらも、文字どおり“嘘から生まれた真実”をアツいハイトーンで叩きつけている。加えて、自身が音楽プロデューサー兼メインヴォーカルを務めるAbyssmare楽曲のソロバージョンに中国発アニメ映画の日本語吹き替え版主題歌と、多彩かつグローバルな活動の軌跡がうかがえる一枚となっている。

時には自分自身に嘘をついて、
自分を高めなきゃいけない

新曲「LIES GOES ON」はTVアニメ『ライアー・ライアー』のオープニング主題歌ということですが、エレクトロなサウンドに近未来感もあって、とても斬新な楽曲ですよね。

デジタルサウンドというのはアニメチームの希望でもありましたが、原作を読ませていただいたらデバイスを使ったりする世界観だったので、私自身もデジタルサウンドが合うんじゃないかと思いました。それで今回は作編曲をJUVENILEさんとTeddyLoidさんという、それぞれ私もご一緒したことのあるおふた方に共作でお願いさせていただきました。おふたりには、まずはアニメのオープニングテーマとして疾走感と勢いのあるナンバーにしたいというのと、フルで聴いた時にTVサイズとは違う楽しみを持たせてほしいというお願いをして。それでツーコーラス目に、サビに行くかと思いきや音数が減って、DJタイムのようなパートが入っていたりします。結果、TVサイズは『ライアー・ライアー』の世界観をキャッチーに表現している名刺的な仕上がりになりましたし、ライヴでフルでお届けする時にはMay'nらしさと新しさ、どっちも味わえるアツい曲になったと思います。

その“新しさ”はデジタリックなサウンドの中に非常に強く感じました。DJタイムのパートも本当にクラブとかで、人々がワッ!と盛り上がっている景色が目に浮かぶようです。

レコーディングの時点で、私もライヴがとても楽しみになりましたね。JUVENILEさんはもちろん、TeddyLoidさんも常に海外でライヴをされていたり、カルチャーの最先端を意識して活動されている方なので、今回も“海外のライヴでも盛り上がるように”ということを意識しながら作っていただけたと感じています。ただ、同時にテンポがすごく速くて勢いが必要な曲なので、一瞬“これをライヴで歌うのか!?”と不安にもなりました。というのも、この曲って技術的な部分だけでなく、“想い”がすごく必要な曲なんです。

想い?

歌詞は古屋 真さんとの共作なんですけど、原作を読ませていただいて“自分を高める嘘”をテーマにしたいと思いました。主人公が“自分は最強だ”という嘘をつかざるを得ない状況から始まって、その嘘をキープし続けるために、どんどん強くなっていく物語になっているので。それで私が書いたものに、よりキャッチーなワードを古屋さんにつけ足していただくという順番で、歌詞を仕上げていったんです。

潔いですね。一般的に嘘ってネガティブなものなので、それをテーマに歌詞を書くとなると、かなりハードルが高そうなものなのに。

私自身、自分を高める意味での嘘を、大事な時にたくさん経験しているんですよ。例えば体力的に少しつらい時でもライヴがあれば“いや、いけるだろう!”って自分を叱咤したり。野球が好きなのでアスリートの方のインタビューとかYouTubeもよく見るんですけど、そこでも“プロは時に自分自身に嘘をつかなきゃいけない瞬間が必ずやってくる”ということをおっしゃっていた方もいました。プロとして誰かに何かを伝えるためには、時には自分自身に嘘をついて、自分を高めなきゃいけない。その気持ちは私も歌手として常に持っていますし、みなさんにも頑張らなきゃいけない場面で“いや、きっとできる!”と自分を高めてもらうきっかけにしてもらえる歌にできればいいなと。なので、今回は最初に“LIES GOES ON”…嘘をつき続けろというタイトルを決めて、そこから歌詞を広げていったんです。

タイトルの“LIES GOES ON”は“LIFE GOES ON(=人生は続く)”というフレーズから来たものですよね。

そのとおりです! もちろん生活の中で絶対についちゃいけない嘘というのはありますけど、その嘘を真実にするために自分自身を高めていく…そのための嘘が大事になる瞬間って、きっと誰にでもあると思うんです。嘘が嘘になるのは、バレた時にそれが真実ではないからで、だったらバレる前に嘘に見合う自分になればいい。要するに、“嘘をつき続ける=嘘を本当にしてやれ”という想いを込めて歌詞を書いていったので、レコーディングでも想いが爆発したというか、自分で自分の背中を押すような気持ちでレコーディングしたので、めちゃくちゃ体力を使いましたね。“気持ちを使う=体力を使う”だから。

なるほど。自分の人生も重ね合わせながら書いた歌詞だから、より感情移入してエネルギーを使ってしまったと。

はい。特に気に入っているのが2番Bメロの《It’s my turn》で、頑張らなきゃいけない時に“よっしゃ! ここからの自分の番だ”と自分を高める第一歩のワードのような気がするんですよ。本当に“May'nならできる!”って奮い立たせてもらえる曲にできたので、すごく嬉しいですね。

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