【May'n インタビュー】
楽しい楽曲をタイアップのシングルで
ずっと出してみたかった

May'n

ニューシングルはなんとトリプルタイアップ! これまでになくポップなアニメタイアップ曲「あはっててっぺんっ」に、中日ドラゴンズの戦いを盛り上げるロックな激アツ曲「蒼の鼓動」、そして幻想的かつハイパーなコーポレートムービー曲「Follow Your Fantasy」とジャンルはバラバラで、それぞれに大阪・名古屋・東京の三都が背景にあるのも興味深い。聴き手の背中を押すというポジティブな信念はそのままに、さらに幅を広げるMay'nの音楽世界に注目だ。

大石さんのポジティブさや多幸感が、
自分自身にフィットする感覚がある

収録3曲ともタイアップ作と、すごいシングルになりましたね。

はい。すごく濃ゆい一枚になりました(笑)。

ビジュアルもビタミンカラーで元気な感じですが、これは表題曲「あはっててっぺんっ」に合わせて?

そうですね。すごくポップで楽しい楽曲なので、ビジュアルも原色で楽しい感じにしたいというのは自分の中でありました。これまではバトルものだとか、自分を信じて前に進むとかっていう力強いナンバーをオファーされることが多かったので、こういった楽しい楽曲をタイアップで、しかもシングルの表題曲で出させていただくというのは、ずっとMay'nとしてやってみたいチャレンジだったんです。もちろん、アルバム曲の中には以前からポップで楽しいナンバーもありますし、応援してくれている部員(ファンの呼称)のみなさんからすると、これも部長らしいテイストのひとつではあるんですよ。ただ、そこまでMay'nを深く知らない方は“こういう曲も歌うんだ!?”って新鮮に感じてくれるんじゃないか、たくさんの方にいろんなMay’nを知ってもらえるきっかけになるんじゃないかって、すごくワクワクしています。

高校生お笑い選手権の頂点を目指す女子高生たちを描いたTVアニメ『てっぺんっ!!!!!!!!!!!!!!!』のエンディング主題歌ですから、そりゃあ楽しい曲になりますよね。しかもMay'nさん自身もお笑い好きだとか。

なので、お笑い好きを活かせる楽曲にしたいというのはありましたし、“エンディングだけれどオープニングっぽい感じでお願いします”というリクエストもアニメサイドからいただいていたので、とにかくハッピーでポップな曲にしたかったんです。そこでパッと思い浮かんだのが大石昌良さんで。以前「未来ノート」(2021年6月発表のアルバム『momentbook』収録曲)という曲でご一緒させていただいたんですけど、大石さんが持つポジティブさとか多幸感みたいなものが、自分自身にすごくフィットする感覚をライヴで歌うたびに持っていたんです。大石さんなら物語からイメージされるドタバタ感と、May'nが大事にしたいポイントを良いバランスで具現化してくださるんじゃないかと、そんな予感があったので制作をお願いしたんです。

そしたら見事にこんなハチャメチャな楽曲が出来上がったと(笑)。

もうアニメサイズの時点で展開が激しくて、詰め込みまくっていてワクワクしました! やしきんさんのアレンジも素敵で、転調の感じでしたり、絶妙なカッコ良さがいいですよね。で、最初にメロディーがあがってきた時に、大石さんがサビの1行目だけ《笑って 笑って あはって/笑いあえば どうにかなるって》という歌詞をつけてくださっていたんですけど、それを聴いて“本当にそうだよなぁ”と思ったんです。もともとハチャメチャなだけじゃなく、胸が温かくなる感じとか、グッとくるようなワードを入れたいと考えていたので、そこから私がさらに広げていき、また大石さんに戻してブラッシュアップしていただき…というような流れで、歌詞は作らせていただきました。ちなみに2番の《土曜日のお昼はダッシュで帰宅》というのは、私自身が小学生だった時の思い出で、本当にダッシュで帰って吉本新喜劇を観ていたんですよ! テレビのチャンネルの取り合いする感じとか、すごく覚えていますね。

そこ、なんだか懐かしかったです。急いで帰るなんて、今の子供には無縁っぽいじゃないですか。

今は見逃し配信とかもありますからね。でも、私はあとから観れると分かっていても、それこそ録画していたとしても、すっごく大好きな番組って今でもダッシュで帰って観るんですよ! その感覚を忘れたくないという気持ちも込めて、この歌詞を書いたんです。

それほど何かを好きになれるって、とても尊いことですもんね。では、そんなお笑い好きのMay'nさんが、この曲で一番描きたかったテーマって何だったんでしょう?

私の好きなお笑いは、思いっきり自分や相方を信じて変なことをして、お互いに笑っていられるようなものなんですね。全国的にはまだまだ知られていない方でも劇場に観に来るファンがすでについていて、もちろんファンのことも信じている。年末とかの大事な賞レースになると、その“信じる”っていう気持ちだったり、“これに懸けている!”っていう気合いを感じて、毎回、私は号泣してしまうんですよ。まず自分自身を信じることが周りにいる人を信じることにつながっていくだろうし、そこは自分の活動でも大事にしていることなので、そういったアツい想いを歌詞に込めたかったんです。

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