村上佳佑の5years
~過去・現在・未来~
2022年3月25日 『Kei's room vol.8』 at Blues Alley Japan
<vol.1 過去>
ヴォーカリストとしての
自己を保ちつつ、
シンガーソングライターとして
個性を確立
「特にデビューしてすぐの頃は“普通の男の子がミュージシャンになっちゃった”って感覚が強かったんです。僕は子供の頃から歌うことが好きで、ただ歌を歌いたいだけ。それがデビューするとプロとして前に進まないといけない一方、自分は何がしたいのか考えないといけなくて。ずっと走りながら給水していくような難しさを感じていました」
村上が脚光を浴びたのは大学時代に組んだアカペラグループ・A-Z。“アマチュアの最高峰”と称された当時の彼はまさしく歌の好きな青年で、歌うことに特化した存在だった。しかし、プロになったことで新たな壁が立ちはだかる。自分は何を歌えばいいのか? 自分はどんな表現者になりたいのか?
「僕は“自分の音楽”というものに目覚めた時期が遅いんです。曲を書き始めたのも大学生の頃だし。最初は“こんな歌が歌いたいな”って必要に迫られてスタートして、それが2019年以降、本格化していくんです」
シンガーからシンガーソングライターへの移行。それがこの5年の村上の一番の変化だろう。歌を丁寧に歌うだけの存在から、自分が歌う楽曲は自分で作る全能型ミュージシャンに彼は舵を切った。それと同時にヴォーカリストとしての研鑽も引き続き行なっていく。
「この5年間で間違いなく歌い手として成長していると思います。デビュー時に比べて別物というくらい倍音も出ているし。クリス・ハートさん、平原綾香さん、佐藤竹善さん…たくさんの素晴らしい歌い手に出会って、少しずつ自分の声のポテンシャルを引き出せるようになったんです」
「これは僕の長所であり短所でもあるんですけど、どんな曲でもある程度歌いこなせちゃうんです。自分を殺してリクエストに寄せていける。でも、それはシンガーソングライターとして見た場合は問題で。“自分はこれしかできないから、こうなっている”っていうのがシンガーソングライターの理想なのに、僕はある程度のことはできちゃうから“結局、村上くんは何をしたいの?”って思われてしまうこともあるんですよね」
ヴォーカリストとしての自己を保ちつつ、いかにシンガーソングライターとしての個性を確立させるか…長い模索期間を経て今、彼は音楽に関わるすべてが楽しいという境地に至ったという。
「今はライヴもレコーディングも全部楽しめるようなってきたんです。まさに今、クリス・ハートさんのツアーにコーラスとして参加しているけど、5年前にコーラスを担当した時は“ちゃんと役割を果たさないと!”という重圧でいっぱいだった。だけど、今は自分の中にそれを楽しめるキャパシティも実力もついてきて。自分のやりたい音楽に関しても、その輪郭がちょっとずつ見えてきた5年間だったと思うんです」
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