【内田雄馬 インタビュー】
“叶わない恋の歌”がテーマ。
この距離感って
恋する側としては結構キツい
内田雄馬
9thシングル「Good mood」はノンタイアップで、表題曲としては初のバラードに挑戦。叶わぬ恋を切なくグルービーに歌い上げた同曲をはじめ、収録曲のエピソードを聞くとともに、昨年の10月に幕張メッセ イベントホールで開催したライヴを収録した映像作品の観どころ、そして今年の展望を語ってもらった。
内田雄馬が今やりたいことに
フォーカスして作った
以前からR&Bのバラードが好きという話は出ていましたけど、まさかシングルの表題曲になるとは思いませんでした。
バラードを表題曲として歌うのはかなりの挑戦でしたが、実は以前からどこかのタイミングでやりたいと話をしていたことで。昨年9月に出させていただいたアルバム『Equal』では、内田雄馬らしいメッセージやテーマ性を詰め込んだ作品ができたので、次のシングルではまた違った面を見せられたらと思ったんです。しかも、今回はノンタイアップということもあって、自分が今やりたいことにフォーカスして作るのはどうかという話になり、「Good mood」は曲自体は前にいただいてとても気に入っていて、いつか歌いたいと思っていたので、この曲を表題にしてシングルを作ることにしました。
歌詞を読むと、男性だとより理解できる感情が表現されていると思いました。
女性はもちろん、ぜひ男性にも聴いていただきたいですね。主人公は相手とすごくいい雰囲気になっていると感じていて、“このままうまくいったらいいな”と思っているんだけど、“そうならないんだろうな”と自分に対するちょっと自虐みたいな気持ちも持っていて。でも、今だけは自分のことを見てほしいっていう、そんな気持ちの揺れ具合が曲調とも相まって、めちゃめちゃいい雰囲気の曲になったと思います。
男の共感を呼ぶ切ない片思いですね。
“叶わない恋の歌”がテーマです。この距離感って“自分って相手にとって何なんだろう?”みたいな感じで、恋する側としては結構キツいですよね。
タイトルの“Good mood”は直訳すると“いい雰囲気”という。
そうです。ただ、いい雰囲気のまま終わっているわけではないというのがポイントですね。タイトルだけを見ると、すごくうまくいきそうな感じなんですけど、実は切ないという意外性もある一曲になりました。
歌う際にはアニメのキャラクターではないけど、この曲の物語の主人公を演じるような気持ちでしたか?
そういう部分もありましたけど、あまり想いを乗せすぎると重たくなりすぎちゃうと思って。歌のアプローチとしては詞の内容に引っ張られるというよりも、楽曲の持つ韻を立てたり、グルーブ感を出すことを重視しました。
確かに、歌詞はすごくたくさん韻を踏んでいますね。
作詞は僕の楽曲を多数作ってくださっているShogoさんなのですが、さすがだなと思いました。その韻がメロディーにリズムを与えているので、それによって楽曲の立体感が生まれているんです。バラードって歌詞の中身に寄り添って歌い上げることも多いと思いますが、この曲はメロディーでしっかりグルーブを作っていくように歌う方が魅力的だと。そこは歌う上で難しかったところですし、バラードだけどバラードっぽくない新鮮さを与える重要な一因になっていると思います。
レコーディングで他に意識したことは?
今回はマイク選びからこだわりました。バラードですし、ピアノ主体のシンプルなトラックだから、歌も楽器のひとつとしてとらえるような考え方で、歌の音質にもこだわろうと。マイクを決めるのに1時間半くらいかけたんじゃないかな?
そんなに!?
そんなにです(笑)。マイクを換えて歌って聴いてみるという過程を何回か繰り返して、最終的にマイクを2本立てて歌いました。特にAメロは低いところからのアプローチなのでローの深さをとらえられて、サビではパーンと抜けるからそのヌケ感もしっかりとらえられるようにということで。
普通は顔の前にポップガードがあって、その奥にマイクがありますよね。2本というのはどういうふうに立てたのですか?
1本は普通に立てて、もう1本は上から吊り下げるようなかたちです。マイクとマイクの間を狙うような感じで歌いました。
面白いですね。そういう録り方があるのは初めて知りました。
僕も初めての体験でした(笑)。すごくいい感じで録れたので、細かいところまで聴いてもらえたら嬉しいです。
2番のAメロは加工がかかっていて、ここは昔のソウルミュージックっぽくていいですね。
そのあたりのニュアンスはShogoさんがすごくこだわってくださいました。今回はR&Bの仕様で作っています!
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世の中の男子は、どんどん挑戦して歌ってほしいアーティスト
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