【内田雄馬 ライヴレポート】
『YUMA UCHIDA 1st LIVE TOUR
「OVER THE HORIZON
〜&Over〜」』
2020年2月24日
at パシフィコ横浜 国立大ホール
疾走感と力強さを兼ね備えたサウンドと伸びやかなヴォーカルで、まるで観客を地平線の向こう側へといざなってくれるような「NEW WORLD」をはじめ、「Speechless」などシングル表題曲のイメージからロックの印象があるが、普段好んで聴いているのはR&Bやダンスミュージックということで、「VIBES」などのダンスチューンでは4人のダンサーとともに息の合ったダンスを披露し、中盤のダンスパートではソロダンスで観客を魅了する場面も。その後のMCで“猛者ども(ダンサー)のあとに踊るのは超緊張した〜”と語っていたが、さらなる緊張が彼に襲い掛かる。バラードナンバー「SOS」でのピアノ弾き語りだ。これは自分が何かにチャレンジする姿を見せることで誰かの力になりたいということで、昨年のツアーで約束していたもので、グランドピアノの鍵盤をひとつひとつ確認するように丁寧に演奏しながら、ファルセットを活かした、やさしくエモーショナルな歌声を響かせる。観客はそれを心の中でエールを送りながら静かに見守り、演奏を終えて“何度も挫けそうになったけどやって良かった”と安堵する彼を大きな拍手でもって賞賛した。
アンコールでは「Shower」でのタオル回しで会場がひとつになった他、ロックナンバーの「Over」ではマイクスタンドを使ったパフォーマンスで会場を沸かせるなど、大きなステージを歌い踊り駆け回り、体力の限界ギリギリまで観客を盛り上げようとする姿が印象的だった。そして、“こういった空間をまた作るために、これからも一緒に歩いて行ってください”との言葉のあと、最後に「ボクらのカタチ」を歌唱。《必ずここでまた会おう》という歌詞とともに観客と再会を誓ったのだった。
撮影:上飯坂一/取材:榑林史章
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