ハイダンシークドロシーが提示したシ
ングル盤『飾られた私と棘と事切れの
部屋/Aglaophotis』は、4人の新たな
解釈の元に生まれた王道ヴィジュアル
系/耽美なダークメタル作。
だが、それは序章でしかなかった。情次2号は、こんな言葉を述べている。「将棋で言う歩となる『百花千紅』で攻めの定石を定め、飛車/角となる『飾られた私と棘と事切れの部屋/Aglaophotis』で攻めに入り、2ndアルバムで一気に勝負を賭ける戦略だ」と。
その言葉通り、ハイダンシークドロシーは各地をサーキットするイベントツアーへ8月18日より参加するのにあわせ、会場限定シングルCD盤『飾られた私と棘と事切れの部屋/Aglaophotis』を販売する。『百花千紅』にも90年代ヴィジュアル系の香りを覚えていたが、『飾られた私と棘と事切れの部屋』 は、当時のヴィジュアル系ナンバーの魅力をさらに際立たせ、今の時代に似合う疾走性を加えた、刹那を抱いた極上のメロディックチューン。王道のヴィジュアル系スタイルを、今の時代に似合う形で進化させた、嬉しく胸をくすぐる楽曲だ。
幻想浪漫な空気をまとい幕を開ける『Aglaophotis』は、谷琢磨のオペラヴォイスの魅力を最大限に活かした楽曲。黒く、激しく、重く疾走した曲調と、耽美でメロウな歌声とメロディーが重なり合う、ハイダンシークドロシーらしい解釈のもとに生まれたダークメタル・スタイル。歌詞には、彼らの始まりを告げた『メーズ』のその後の物語を描いているところも興味深い。
『飾られた私と棘と事切れの部屋』 と『Aglaophotis』について4人が言葉を届けてくれたので、以下へ紹介したい。
情次2号 8月から有観客による全国ツアーへ参加することもあって、王道のヴィジュアル系らしい楽曲があると良いだろうという想いから、お客さんの手の振りなどもなんとなく想像しながら『飾られた私と棘と事切れの部屋』 を作りました。と言っても、僕はずっとヴィジュアル系を聞いてきた人間ではないので、自分の中にある王道と呼ばれるヴィジュアル系楽曲のイメージを形にしたといいますか。とにかく、良質なメロディーの楽曲になるよう心がけて作りました。
イマドキのヴィジュアル系ナンバーといえば、身体を折り畳むのに相応しいモダンでヘヴィなサウンドが多いんだろうけど。それをハイダンシークドロシーでやりたいとは思ってなくて。それに、谷くんの歌唱スタイルを活かすという面でも、そこは古(いにしえ)の方向性だろうと思ったんですよね。おかげで、歌メロの流れがとても良い楽曲が生まれました。
靖乃 いわゆる太めのローチューニングのギターで音の壁を作ってドンッというのは、ハイダンシークドロシーとしては違うのかなと思いますし、往年のヴィジュアル系楽曲を求めたのも、このメンバーでやるなら…というのも、少なからず作用してると思いますよ。
ジン 『飾られた私と棘と事切れの部屋』 も古(いにしえ)のヴィジュアル系ナンバーということですけど、それでも僕が通ってきた音楽性よりは若い年齢層の曲調なんですよ。僕の引き出しで仕掛けると、その曲よりも年齢層が上がってしまうことから、この曲では、彼(情次2号)の作りあげたヴィジュアル系らしいベースのフレーズを歯を食いしばって練習し(笑)、自分のものにしていきました。
谷琢磨 ハイダンシークドロシーが描く歌詞の世界には、もともと「痛み」や「苦しみ」というテーマや世界観もあるので、この歌詞では「傷」や「刺」などの言葉も用いながら、その方向性を求めました。鳥籠が開いてるにも関わらず、鳥は外へ飛び立つことなく籠の中にいる表現もあるように、「心の部屋に閉じ籠もる」という世界観を表現しています。
これまで自分がやってきた楽曲表現では、英詞を使うことがなかったんですけど。この曲で初めて英詞の単語をサビ始まりで使ってみました。結果、ブレーキをかけずに歌えたし、勢いを持った歌いまわしができたので、胸をつかむ切なくも高揚したメロディーへのアクセントの付け方というはとても大切なんだなとすごく勉強になりました。
『Aglaophotis』
谷琢磨 『Aglaophotis』はハーブの一種ですが、身体に憑依した悪魔を追い払うために使う薬でもあります。ハイダンシークドロシーには、このバンドの始まりを告げた『メーズ』という楽曲があります。その曲には、現実の世界に生きる女の子と、鏡の中に住むもう一人の女の子が登場します。『Aglaophotis』の中では”畏敬の愚者”と表現していますけど。その子たちは少し成長した今も、現実世界と鏡の世界とでやりとりを続けている。そんな彼女たちの続きの物語をここには記しました。中へ「血の紅茶」と記したように、大好きなお茶会の様子も描いています。
靖乃 ここでは、ちょっと物騒なお茶会が開かれていますけどね(笑)。
情次2号 今回、「ちょっとメタルっぽい曲を書いてみるかぁ」となったんですよ。でも、メタルは好きだけど自分ではもうやらないと決めていたので、けっしてメタル曲にはならないようにもしたいなと思って出した、僕なりのメタル音楽への回答になった曲です。パッと聞いたらメタルな曲にも聞こえますけど、メタルの弾き方は一切していません。あくまでもヘヴィメタルの良いところを使いたかったというか。谷くんのファルセットを使った歌声とメタルサウンドの要素って、じつは相性がいいんですよ。なので、そこを活かそうとした結果、思いの外上手くいきましたね。
靖乃 俺、メタルのドラムは叩けないんですよ。むしろ、跳ねた音が得意だし、どんな叩き方をしてもその個性が反映してしまうからこそ、メタルのような叩き方をしてもけっしてそうはならない。逆に言うなら、ハイダンシークドロシーの特色にもなっている跳ねたビート感。それを出せるのが自分の武器やと思ってるし、真似ができるならやってみろと思っている節もあります。俺のドラムの音が跳ねてるのも、ジンさんのベースが重い感じなのも、他には真似できない俺らの色なんですよ。
ジン 『Aglaophotis』に関しては、とにかくメチャクチャ重く演奏してやろうと思って。この曲では、自分のルーツとしてある70年代ハードロックのテイストを持ちながら、まるで水を得た魚のように、思いきり自分が弾きたいように伸び伸びと弾かせていただきました。
谷琢磨 谷の歌い方も、『Aglaophotis』ではまさに水を得た魚状態でした。自分の中ではストレートすぎるくらいナチュラルに伸び伸びと歌っているぶん、歌い方の面では『飾られた私と棘と事切れの部屋』 と上手くコントラストも出せたなと思っています。
情次2号 あそこで別世界へ連れていかれたなぁとなるくらい、途中、三拍子になるところでの谷くんの歌声やコーラスもスパイスが効いてていいよね。
TEXT:長澤智典
★インフォメーション★
4th digital single
「百花千紅」
アットワークスストアDL販売のみ ¥500
https://at-works-project.stores.jp
「百花千紅」 リリックビデオ short ver .
「飾られた私と棘と事切れの部屋」
2021年8月18日(水)発売
会場限定CD ¥1,000 (tax in)
Track
1.飾られた私と棘と事切れの部屋
2.Aglaophotis
3.飾られた私と棘と事切れの部屋(off vocal)
4.Aglaophotis(off vocal)
通販開始 2021年9月5日(木)〜 ¥1,200
2021年9月18日(土)発売
★LIVE情報★
8月18日(水)福岡DRUM Be-1
8月19日(木)福岡DRUM Be-1
8月21日(土)大阪RUIDO
8月22日(日)名古屋E.L.L
8月28日(土)札幌SPiCE
8月29日(日)札幌SPiCE
9月4日(土)高田馬場AREA
-ワンマン-
1st Anniversary Special Live「百花千紅」
09/18(土)南青山MANDALA
09/19(日)Music Lab.濱書房(ONLINE LIVE)
詳細は、以下へ。
https://hsd.tokyo/live/
ハイダンシークドロシー Web
https://hsd.tokyo/
ハイダンシークドロシー twitter
https://twitter.com/HSDorothy2020
ハイダンシーク ツイキャス
https://twitcasting.tv/hsdorothy2020/
ハイダンシークドロシー Instagram
https://www.instagram.com/hide_and_seek_dorothy/?hl=ja
Tags: ハイダンシークドロシー
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