FAITH、解散前ラスト東京ワンマン『
“Sweet Error”Release Tour 2021
~Errored ERA~』オフィシャルライ
ブレポが到着

7月7日(水)にメンバーセレクトによる全17曲入りの配信ベストアルバム『FAITH THE BEST』をリリースしたFAITH。7月3日(土)には恵比寿LIQUIDROOMにて『“Sweet Error”Release Tour 2021 ~Errored ERA~』ツアーファイナル公演を開催した。解散前の東京でのラストライブとなった同公演のオフィシャルレポートが到着したので紹介する。

FAITH
今年4月、2ndアルバム『Sweet Error』をリリースしたFAITHが、6月12日(土)⻑野CLUB JUNK BOXを皮切りに全国4箇所を回った『“Sweet Error”Release Tour 2021 ~Errored ERA~』ファイナル公演を7月3日(土)恵比寿LIQUIDROOMで開催した。8月28日(土)・29日(日) 伊那GRAMHOUSEのライブをもって解散することを発表したFAITH。東京で最後のワンマンとなったこの日は、新旧織り交ぜた楽曲を惜しみなく披露する渾身のステージを見せ、集大成かつ最新型のFAITHが見えるライブとなった。
SEが流れ、静かにステージに登場したメンバー。センターに立ったAkari Dritschler(Vo)が左手を突き上げるとAkariの歌声にヤジマレイ(Gt)とレイ・キャスナー(Gt)がパワフルに声を重ね、『Sweet Error』収録の新曲「Soul」でライブの幕が上がる。自分たちの居場所、自分たちの“Soul=魂”を確認するように、力強く正確な演奏を鳴らす楽器隊、丁寧に感情豊かに歌を紡ぐAkari。荒井藤子(Ba)のどっしりしたベースサウンドにヤジマのアグレッシブなギターソロが唸ると、Akariが嬉しそうに笑顔を浮かべる。ライブの楽しさを噛みしめるように笑顔で歌い演奏する「Memory of You」、観客が軽快なビートに手拍子を合わせ身体を揺らした「Headphones」で早くも会場中の心がひとつになる。
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MCでは「私たちFAITHは8月で解散が決定しました。凄いたくさんの人に応援してもらって、支えてもらってたんだなと実感してます」と感謝の言葉を述べたAkari。「今日はFAITHらしい、めちゃくちゃ楽しいライブにしようと思ってるので。全部忘れて楽しんで行きましょう!」と宣言すると、前を見続ければ未来は明るいよ」とポジティブなエネルギーに溢れた「21 Vibes」を披露。続く「Party All Night」で楽しい夜を約束すると、メンバーそれぞれがソロプレイでご挨拶。インディーズ時代の楽曲「Stargazer」、バンド演奏によるライブアレンジにAkariの切ないハイトーンが映える「I Spy」、たっぷり感情を込めた歌と演奏で聴かせた「Lonely」と続いた前半戦。ライブが出来ない期間や今ツアーを経て、バンドとしてプレイヤーとしてのスキルや表現力がグッと向上したのもよく分かる。
『Sweet Error』収録の新曲が続いたライブ中盤。ヤジマの奏でるアコギの温かいサウンドに乗せて始まった「Miles」では重厚なバンドサウンドと伸びやかな歌声で壮大な景色を描き、静と動が同居する「Irony」では複雑な心象風景を描きと、ポップな楽曲たちを見事、バンドサウンドで昇華して、音源とも印象の異なる最新型のFAITHサウンドを披露。中でもディープでヘヴィな楽曲世界を表現した「Deep in the Heart」は、胸に迫る歌と演奏で観る者を圧倒した。音で会話するように始まり、荒井のベースを軸としたグルーヴィーな演奏を聴かせた「DON’ T FALL」、アップテンポな曲調にメンバーも思い切り演奏を楽しみ、オーディエンスを心の底から笑顔にした「Our State of Mind」と続き、さらに熱気を増していくフロア。新曲と過去楽曲を織り交ぜることで音楽的な振り幅が広がり、ライブ全体に大きな緩急や物語性を生み出していたのも、特筆すべきところ。
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MCで「今回のアルバムはドラムのルカと5人で作った最後の作品で、FAITHとして最後の作品。今までその時その時の感情を歌詞や曲にしてきたんですけど、『Sweet Error』はその時期の自分たちの感情が詰まってるし、自分自身の支えにもなっている。すごく良いアルバムになったと実感しています!」とAkariが最新作について語ると、「FAITHが今まで作って来たものの最高形態になっています。みんなの心の中に『Sweet Error』、そして過去の作品があり続けてくれればいいなと思います」とヤジマも感想と作品への願いを語る。
さらに「自分が書いてきた言葉に回りまわって気付かされることがある。聴いてくれる人にも刺さってくれるといいな」とAkariが真正直なメッセージを贈り、始まった曲は19歳の時に作った1stアルバム『Capture it』収録の「19」。少し大人になった彼女らが当時の気持ちや感情を思い出し、現在と重ね合わせてエモーショナルに響かせた。パワフルで息の合った演奏とエネルギッシュなボーカルで高ぶる感情を表現した「CHAMP」、さらに「一緒に歌ってくれますか?」の掛け声に、観客の心の大合唱が聴こえた「Unexpected」と続くと、ライブはいよいよ終盤戦へ。
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「自分の安心する場所や心の落ち着ける場所がホームなんだなと最近、実感出来た。3年前上京したての頃に実家に帰りたくて書いた曲だったけど、いまではホームが増えました」と語り、たくさんのファンが見守るライブハウスというホームで満面の笑顔で「Yellow Road」を披露。全員が手を振り合わせた「Summer」で会場がピースフルな空気に包まれると、心の大合唱から「Stand Up and Scream It」が始まる。<Hey!>の掛け声に合わせて、拳が突き上がるフロア。声なんて出せなくても楽しい夜が作れることをこの日、FAITHは証明した。
本編最後のMCでは「ツアーが始まる前は開催出来るか、すごい不安でした。東京も当日が来るまで不安で仕方無かったけど。こうして4箇所回ることが出来て、めちゃくちゃ嬉しいです。ありがとうございます!」と改めて感謝を告げたAkari。「人生最後の日、一番綺麗な姿でいるため、納得のいく生き方をしたい。聴いた人が自分はどう生きたいか、少しでも考える機会になってくれたら嬉しいです」と始まった「Last Will」で、美しく本編をフィニッシュ。アンコールでは荒井デザインのツアーTシャツに込めた想いや、ヤジマとレイのオリジナルピックなど、ツアーグッズの話題を和気あいあいと話した4人。Akariがアコギを背負い「私たちがもの凄く大事にしてる曲です」と曲紹介をして、1stアルバム『Capture it』収録の「Caught Up in Time」を披露。アンコールラストはインディーズデビュー盤『2✕3 BORDER』の1曲目に収録された「Take me away from here」を渾身の歌と演奏で披露し、最高潮の盛り上がりの中でライブを終演。FAITHの歴史と4人の想い、そしてここからの希望が詰まった、素晴らしいツアーファイナルとなった。
FAITH
2015年、まだ中学・高校生だったメンバー5人により長野県伊那市で結成。新しい感覚から生まれる90年代洋楽ロックをベースとした本格サウンドとポップなメロディライン、等身大の歌や歌詞は同世代のみならぬ音楽ファンに支持され、めきめきと頭角を現していた。子供でもなく大人でもない、20歳前後のキラキラ輝くその目に映る風景や感情を研ぎ澄まされた感性でパッケージし、言語を超えて誰も真似できない独創性溢れる楽曲たちを生み出してきたFAITH。その活動期間はあまりに短くも感じるが、「5人でこそFAITH」という決意は閃光のように眩く、その刹那すらもバンドとして美しく尊くも感じる。解散を控えたバンドとは思えないほど誰より本人たちがステージを全力で楽しみ、全力で走り抜ける現在進行系の姿を見ているようだったこの日のライブ。
音楽を愛し、バンドを愛し、仲間を愛する純粋な気持ちをエネルギーに変えて走ってきた彼女らは、最後の日まで全速力で駆け抜けることだろう。そしてFAITHの楽曲はきっと今後も色褪せることなく、若い世代に聴き継がれていくはず。
現在、ライブ配信のアーカイブチケットが7月10日(土)22時まで販売中。
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そして本日7月7日(水)、メンバーセレクトによる全17曲入りの配信ベストアルバム『FAITH THE BEST』がリリースされた。7月17日(土)には福岡NUMBER SHOT 2021に出演。7月23日(金)には『“Sweet Error”Release Tour 2021 ~Errored ERA~』追加公演を長野・松本ALECXにて行い、7月25日(日)からは思い出のライブハウスを巡る自主企画ツアー『Thank u Love u Tour』がスタート。ラストワンマンライブは8月28日(土)・29日(日)に、地元である長野・伊那GRAMHOUSEにて開催される。
文=フジジュン 撮影=マスダレンゾ

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