J・ガイルズ・バンドの
リードボーカリストとして知られる
ピーター・ウルフの
渾身のソロアルバム
『ミッドナイト・スーベニア』
J・ガイルズ・バンド脱退
折しも、時代はシンセポップやテクノの80年代に突入しており、ロック界でも汗臭い人力演奏より打ち込みのサウンドが重宝された頃だ。リードヴォーカリストを失ったJ・ガイルズ・バンドは、メンバーを補充することなく最後のアルバム『ヒップ・アート(原題:You’re Gettin’ Even While I’m Gettin’ Odd)』(’84)をリリースするものの人気を盛り返せずに解散。1999年に再結成するが、2017年にJ・ガイルズが亡くなってしまい、残念ではあるがグループは永遠に消滅した。ピーター・ウルフのヴォーカル、マジック・ディックのマウスハープとホーン、J・ガイルズのロック魂あふれるギターワーク、セス・ジャストマンのキーボード&ソングライティング、リズム・セクションのダニー・クレイン(Ba)とステファン・ブラッド(Dr)の6人が渾然一体となってはじめて、J・ガイルズ・バンドなのである。
ウルフの相棒、ケニー・ホワイトと
ウィル・ジェニングス
ソングライティングの面では、90年代初頭から著名な作詞家ウィル・ジェニングス(クラプトンの「ティアーズ・イン・ヘブン」やセリーヌ・ディオンの「マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン」ジョー・コッカー&ジェニファー・ウォーンズ「アップ・ウエア・ウィ・ビロング」など大ヒット多数)との共作を始めており、ケニー・ホワイト、ウィル・ジェニングス、ウルフの三者が揃ったのは5thアルバム『フールズ・パレード』(’98)からで、このアルバムがターニングポイントとなり、ピーター・ウルフの音楽性がロックからアメリカーナ的なスタンスに変貌したと言ってもいいだろう。
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本作『ミッドナイト・スーベニア』についてアーティスト
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