アウトローカントリー
(レッドネック・ロック)を回顧する
『アウトロー&アルマジロ
:カントリーの騒然たる70年代』
カントリー音楽の全盛期
名ギタリスト兼プロデューサーのチェット・アトキンスやプロデューサーのオーウェン・ブラッドリーが制作するカントリー音楽は「ナッシュビル・サウンド」と呼ばれ、ポップスファンにも受け入れられる垢抜けたサウンドを特徴としていた。カントリーが全盛期を迎えていた50年代の終わりからナッシュビルでは、一流のスタジオミュージシャンたちを使ってカントリー音楽を工場ラインのように量産し続けており、60年代末になるとその均一化したスタイルを嫌って、ナッシュビルから出ていくアーティストは少なくなかった。全盛期のナッシュビル・サウンドこそが日本ではカントリー&ウエスタンと呼ばれ、なぜか日本では今でも、カントリー=カントリー&ウエスタンと捉えられがちであるが、実際にはカントリー音楽は進化を続けていることを忘れてはいけない。
ナッシュビル・サウンドへの反発
カリフォルニア州ベイカーズフィールドで50年代の終わりから活動を始めたバック・オーウェンスがビートルズにリスペクトされ、65年に「アクト・ナチュラリー」(オーウェンスのオリジナルは63年リリース)をカバーするとベイカーズフィールド・サウンドが一気に脚光を浴び、それはオースティンで活動するアーティストたちにも大きな影響を与えることになる。70年代に入るとオースティンに移住するアーティストは増えるが、そのアーティストたちの受け皿が当初は老舗クラブの『スレッギルズ』(ジャニス・ジョプリンはここで腕を磨いた)であり、『アルマジロ・ワールド・ヘッドクォーター』だったのである。
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アルマジロ・ワールド・ヘッドクォーターアーティスト
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