【ZOC インタビュー】
これからZOCは舞台を変えて
生身ひとつで戦っていく

L→R 雅雀り子、香椎かてぃ、巫まろ、藍染カレン、西井万理那、大森靖子(Photo by Masayo)

大森靖子がプロデューサー兼“共犯者”としてメンバーを務めるZOCは、個性豊かなメンバーが一体となって生み出す強力なパワーを持つグループ。そんな彼女たちがシングル「AGE OF ZOC / DON'T TRUST TEENAGER」をもって1月20日、ついにメジャーデビューを果たした。新たな舞台で嵐を巻き起こす予感がたっぷりだ。

ひとりひとりが抱えている個性が
出せる世界を作っていきたかった

本誌初登場ということで、改めてZOCがどんなグループかを訊かせてください。

大森

2018年に私がかなり個性の強いメンバーを集めて結成したアイドルグループです。卒業していくメンバーもいましたが、引き続き頑張っていきたい気持ちで活動しています。

グループのテーマとして、人を救う箱舟的なものを感じたりもします。

大森

自分が活動していく中で生きづらさみたいなものを感じたこともあったし、何かにコンプレックスを持ってたり、固定概念にとらわれてなかなか活動し始めないもったいない才能をたくさん見てきたんです。だから、いろんな人たちが抱えている個性をもっと出せる世界を作っていきたい気持ちがあってZOCを始めました。

では、隣のメンバーの他己紹介をお願いします(大森→巫→西井→香椎→藍染→雅雀の座り順)。まずは大森さんから巫さんのいいところを教えてください。

大森

まろは私より長くステージに立ってる人だし、私も彼女のステージをずっと観てきた先輩です。私は曲を作る時に人の声を頭に流しながら作るんですけど、「SHINEMAGIC /ヒアルロンリーガール」(2020年7月発表のシングル)以降、全部まろの声を浮かべて作れるってだけでもめちゃ幸せですね。普段のまろは…こんなに分かりやすい人いないです(笑)。お姫様ですね(笑)。

にっちゃん(西井万理那の愛称)は、例えばMV撮影で“自由に動いてください”と言われた時、にっちゃんというキャラを保ったまま最高潮を出せるのが、表現する人としてほんとに尊敬します。普段は周りをよく見てるし、仲間思いなところがすごくあって、私も助けられています。

西井

かてぃは人の気持ちを汲み取る力がめちゃくちゃあると思います。ちょっと落ち込んでたりすると、すごくいいタイミングで声をかけてくれたりするんですよ。私も救われたことが何度もあるしすごくやさしいです。かてぃはヤンキーみたいなイメージがあるけど(笑)。でも、パフォーマンスで決めるところはバシッと決めるからすごいと思います。

香椎

カレンは一緒にいて落ち着くし、頼りになる。カレンがいてくれることでグループのバランスがすごくいいと思います。あと、スタイルがいいし、髪型をボブにしてすごく可愛い。普段は陰キャラですけど、ステージだとスイッチが入ってほんとカッコ良い。堂々としてるし、胸を張って後ろから炎が出てるくらいのオーラがあると思いますね。

藍染

り子ちゃんはZOCの振り付けをやってくれてて、ずっとダンスの鍛錬を積んできた人ですね。ステージを観ると“ホンモノだ”って思っちゃいます! 普段のいいところは、基本的な性格が柔らかくて上品なんですけど、お酒を飲むとフワ〜ってなるのが可愛いです(笑)。

雅雀

靖子ちゃんは、まず曲が強いし、ステージ上では“大森靖子”としてやり尽くせる才能と実力があって最強だなって思います。普段は一緒に美味しいご飯を食べに行く時に“やったー!”って嬉しそうにスキップするところが可愛いです(笑)。息子くんから電話があった時はお母さんの顔が見えたりして、そこもたまらない(笑)。超歌手・大森靖子、ZOCのプロデューサー兼メンバー、普段の顔、全部バラバラで魅力的な人ですね。

なるほど。そんなZOCのメジャー1stシングル「AGE OF ZOC / DON'T TRUST TEENAGER」がリリースされます。「AGE OF ZOC」はネガティブマインドを吹き飛ばす勢いたっぷりなアップチューンですが、どんなイメージで作られましたか?

大森

今までZOCはネットで人気になってきて、ステージに立ってメンバーと一緒に育ってきたって自覚があるんです。でも、これからは生身で戦っていかなきゃいけない。それは、自分がメジャーにいるやり甲斐でもあるんですよね。今回のメジャーデビューのタイミングで、“ZOCもそこをやっていくんだぞ”っていう決意表明の楽曲を作りたかったんです。2次元じゃなく3次元であることの力みたいなものを、言い逃げできるくらいのスピード感と強さで表現できた曲になりました。一回も同じリフが出てこない、5曲分くらいのアレンジを詰め込んだ作りになっています。

メンバーのみなさんはこの曲にどんな印象がありますか?

曲を聴いた時から早くライヴで歌いたくなったし、いろんな方に浸透してくれたらいいなと思いました。この先の未来でもっとZOCが大きくなった時、この曲を歌いながら涙してる自分の姿が浮かびましたね。とにかく歌っていて楽しいです。

西井

初めて聴いた時に涙を流しました。いろいろなことがあったからこそ書けた歌詞だなと思ったし。私が書いたわけじゃないんですけど(笑)。悲しい感動曲になってしまいそうなことを逆に明るく楽しく歌うのがすごく好きです。

香椎

“こういう盛り上がる感じの曲が欲しいね”ってにっちゃんと話してたんですよ。だから、嬉しいです。踊りやすい振り付けもあるので、みなさんに早く覚えていただけたらいいな。

藍染

ZOCはインディーズの頃からいろいろあってのこの曲なので、今までのことをなくさずに抱えて、“そのままやっていけばいいんだな”と思いました。サビに《過去は大前提》とあるんですけど、その言葉で私自身が支えられましたね。とにかく歌詞がすごく好きで、サビの歌詞を壁に貼りたいです。聴くだけでも明るくなるし、大事に歌っていきたいと思います。

雅雀

ZOCにはいろんなことが襲いかかってくるんですけど、そこにとらわれてても仕方ないし、歌詞にあるようにそこはいったん爆破して、燃やし尽くして前に行くしかない。しかも、その歌詞をキャッチーなメロディーで歌うのがすごいです。メジャーデビューでブチ上げるしかないと思ってます。

そして、「DON'T TRUST TEENAGER」は狂い咲く想いが爆発するダイナミックなナンバーで、この曲はヒダカトオルさんが編曲を担当されていますね。

大森

私は自分が曲を作る上で明るいほうにも暗いほうにもどっちにも振り切らないバランス感覚を大事にしてるんですけど、高校生の頃からヒダカさんの持ってるバランス感覚、ドロドロさせないけど一番深みのあるところをエグってくる感じが大好きだったんです。このシングルはメジャーでの一発目だし、自分やZOCを自己再生しないといけないと思いました。自分がただ音楽を楽しめる環境をまず作りたいとも思ったんです。それでヒダカさん、えらめぐみ、ピエール中野とスタジオに入って、みんなでアレンジをしていくバンド然としたかたちで作りました。自分もこの曲が出来上がったことで元気が出ましたね。価値観を人に委ねることの怖さと、信用できるものは自分で選び切る器の大事さをちゃんと歌っていきたかったので、それがきれいに作れたと思います。

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