【GRANRODEO インタビュー】
ちょいダサいけど、
それができるのもロックの醍醐味

L→R KISHOW(Vo)、e-ZUKA(Gu)

デビュー15周年イヤーを迎えたGRANRODEOのニューシングルは、アニメ『バキ』大擂台賽編OPテーマ「情熱は覚えている」。闘争本能を絶やさないバキよろしくロックの情熱を滾らせたナンバーで、15周年イヤーの火蓋を切る!

ちょいダサなのが
GRANRODEOらしさ

アニメ『バキ』のOPテーマ「情熱は覚えている」について、それぞれが考える聴いてほしいポイントを教えてください。

e-ZUKA

変拍子のリズムかな? 2番のAメロはタブラというパーカッションを使って、途中で一拍少なくなる変拍子になってるんですよ。そこは聴き応えがあると思います。あと、イントロとAメロのフレーズが印象的だと思います。

イントロはシタールっぽい雰囲気がありますが、どんなふうに弾いているんですか?

e-ZUKA

Eのキーなんですけど4弦をずっと鳴らしておきたくて、レコーディングではDのキーにカポを付けて弾いたんです。それに7弦を足して。そうすると同じ音がずっと鳴っていて、ドローンみたいな感じになるんです。

ドローン?

e-ZUKA

飛ぶドローンのことじゃなくて(笑)、三味線や琵琶でも使われる同じ音を鳴らしながら他の音を弾く奏法のことで、シタールっぽい感じが出せるんです。ライヴでどうやろうかと考えていたんですけど…YouTubeで海外の人がコピーしてくれている動画を観たら単音で弾いていて、それだとやっぱり物足りないなぁと思って。そうしたら2、3、4弦だけを押さえられるショートカットカポというものが売られていたんですよ。

そういうのがあったんですね。

e-ZUKA

それを最近買ったので、この曲だけそれを使ってみようかなと。

歌とか歌詞について、“ここを聴け!”というところは?

KISHOW

歌に関しては《帯ニハ短シ襷ニハ長シ》と歌っているところの歌い方かな? ちょっとふざけている感じだけど、この曲にはそれが相応しいというか、トータルで不思議な味わいがあるんじゃないかと思います。それと…例えば《find myself いい機会》という歌詞を“ファインドマイセルフィー機会”と発音しているところ。僕は岡村靖幸さんが好きなんですけど、岡村さんが「Young oh! oh!」で《アクション映画》という歌詞を“アクションねいが”と発音しているんですね。意識してやっていることだけど、やっぱり岡村さんからすごく影響を受けているんだなと、改めて自分でも感じるところです。こういう歌い回しも含めて、楽しんでいただければ嬉しいです。

では、「情熱は覚えている」という曲名に引っかけて、おふたりが心の中に持ち続けている情熱は何ですか?

KISHOW

歌うことは昔から好きで、今でも大好きだし、それを半分生業とできていることはとても幸せなことだと思っていて。だから、歌に対する情熱はずっとあるんだと思います。“もっと上手になりたい”とか、“もっとこういうふうに歌いたい”とか、“なんで俺はうまく歌えないんだ”という気持ちとは常に戦っていますね。よく一生勉強だと言いますけど、綺麗事ではなく本当にそうだと思います。ゴールはないなって。ひとつのことがなかなか長続きしない人間だけど、歌に対する情熱だけは絶えず燃やしていますね。

e-ZUKAさんはギターですか?

e-ZUKA

悲しいことに、それしかないです(笑)。よく好きなことを仕事にするとつらいと言いますけど、全然そんなことはなくて。人の曲を聴いて“ここはどう弾いてるんだろう?”と考えながらコピーしたり、新しい弾き方を覚えたり…よく仕事場でギターを弾いているんで“すごく仕事してるな”と思われてるかもしれないけど、実は動画を観ながら他人の曲をコピーしているんですよ(笑)。焦燥感に駆られているというか、“今やらなきゃ、今やらなきゃ”という気持ちが小学生の時からずっとあるんです。そういうある種の中二病的なものが発揮されるのが、カップリング曲やアルバムに収録されるノンタイアップの曲ですね。僕が好きな古い曲からインスパイアされたり、それらへのオマージュを込めた曲を“この曲の元ネタは何だろう?”って探りながら聴いてもらえると楽しいと思います。

今回のカップリング曲の「Scorn」はまさしくそういう曲ですね。

e-ZUKA

そうですね。L.A.メタルです(笑)。

KISHOW

僕は完全にMötley Crüeの「Kickstart My Heart」を想像しました。カップリングになるや否や、がっつりやってくるのはさすがだなって(笑)。僕はもうモトリーのヴィンス・ニールになったつもりで歌いました。

歌詞は昨今のいろいろなことが考えられると思いました。世の中が重い空気なだけに、こういう曲はスカッとします。

KISHOW

歌詞の内容は自分でも説明できません(笑)。《我々ハ宇宙人デアル》と歌詞に出てくるのは宇宙船地球号みたいな、まさしく今こういうご時世だからこそですね。でも、タイトルの“スコーン”って美味しそうでしょ? “軽蔑”とか“侮蔑”という意味があるんですけど、食べるほうのスコーンを想像されるのも面白いなと思って。 

Dメロの裏で“何でもやってやるぜ!”と台詞みたいなのがあるのは?

KISHOW

台詞は歌詞カードには載らないんですけど、モトリーもそう言っていたから(笑)。ちょいダサいけど、それができるのもロックの醍醐味だって思うし。

そのちょいダサなカッコ付けが、まさしくGRANRODEOらしいです。

KISHOW

ありがとうございます。ちょいダサイのがいいんです!

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