【Mary's Blood インタビュー】
Mary's Bloodらしさは
ちゃんと残せた

L→R MARI(Dr)、EYE(Vo)、SAKI(Gu)、RIO(Ba)

アニメへの造詣が深いことでも知られるMary's Bloodがアニソンのカバーアルバム『Re>Animator』を完成させた。陰陽座の「甲賀忍法帖」やX JAPANの「Forever Love」、L'Arc-en-Cielの「Driver's High」など原曲がバンドサウンドのものがメインだが、「unravel」や「ウィーアー!」など“どんなアレンジになってるの?”と気になる選曲も。彼女たちのアニメ愛とその熱量をじっくり聴いてほしい。

Mary's Bloodファンやメタル好きな方とアニメファンとの間の架け橋になれたら

初のカバーアルバムを制作することになった経緯というのは?

EYE

昨年のハロウィンイベントで、メンバーがコスプレをしてアニソンのカバーをやったんですけど、それを観ていたレコード会社の担当さんから“みんなアニメ好きなのかい? じゃあ、次はカバーアルバムやる?”みたいな話をされたのが最初ですね。でも、企画モノとしてカバーしましたっていうんじゃなくて、自分たちの思い入れがある曲とかバンドの作品ばかりを選曲して挑戦できたので、自分たちらしい作品にはなったと思います。

アニソンとメタルって相性がいいですよね。

EYE

ANIMETALさんが過去に実証済みですからね(笑)。

曲の世界観とかメロディーのドラマチックさとか共通するところがあるし。

SAKI

ANIMETALさんがやってたのって、往年の名リフとのコンビネーションじゃないですか。なので、当時は“このリフやるんだ!”とか“この曲とメタルのリフって意外と合うな”って思いながら聴いてましたけど、初期のANIMETALさんはわりと昭和の熱血アニメみたいな選曲が多かったと思うんです。私たちが今回選曲したのは最近の曲が多いし、候補曲を探している段階でも感じたのが、バンドで普通にやっても勇ましい雰囲気というか、メタルリフ的なものがすでに入ってる曲が多くて、アニソンは普遍なんだなって。アニメの持ってる世界観って“負けちゃいけない”じゃないですか。その力強さっていうのはメタルと親和性が高いのかなって思いますね。

アルバムタイトルもすごくいいですね。

SAKI

“Re-Animator”っていうタイトルのホラー映画とかゲームもあるんですけどね(笑)。ちゃんとアニメソングだって分かるものがいいっていうことで、“アニメ”というワードが入っている候補の中からみんなで選びました。

“アニメイター”っていわゆる動画制作者を指すことが多いけど、もともとの“animate”の意味って“命を吹き込む”って意味なんでしょ?

SAKI

はい。

その頭に“Re”が付いたことで、曲に新たな命を吹き込むみたいなイメージがすごく今作に合ってると思いました。やはり曲のアレンジの際はMary's Bloodらしさを意識しました?

EYE

曲が出揃った時点で“この曲はどういう方向でアレンジしようか?”ってみんなで話し合ったんですけど、まずバンドサウンドがメインのものにしようって。“メタルバンドだし、重くないと!”っていうのは共通認識として、全ての曲に当てはまるように考えてました。なので、Mary's Bloodのファンでアニメを知らない方でも違和感なく聴けると思うんです。また、アニメ好きのメンバーがやっているから、アニメ好きの方に“Mary's Bloodは知らなかったけど聴いてみようかな”って聴いてもらっても違和感がない絶妙なポイントを押さえてアレンジしてあるから、そこはどっちも納得させられる自信がありますね。メタルに固定観念を持ってる方がまだまだいらっしゃると思うので、その架け橋になるアルバムになったらいいなって。これをきっかけにライヴにも来てもらえたら嬉しいですね。メタルのライヴは怖くないっていうのを知ってほしい(笑)。

苦労した曲はありました?

EYE

「ウィーアー!」はアレンジが大変でした。原曲がバンドサウンドではまったくないじゃないですか。ラッパも鳴ってるし(笑)。私の我が儘で入れてもらった曲なんですけど、『ワンピース』のストーリーの友情だったり、ライヴの一体感みたいなものを表す曲を入れたいっていうのもあって、アレンジとか何も考えずに候補にぶっ込んだんです。楽器チームのみんな大変そうだなぁって思いながら(笑)。でも、結果的にそのメッセージとかも伝わるであろう明るいアレンジにできたし、きっとライヴが楽しいと思います。

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